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『鑑定医シャルル 歓びの娘』 藤本ひとみ 

鑑定医シャルルシリーズの二作目。心理学・精神病関係の香りが濃厚なのは前作同様。人死にはあるし警察は介入するけど個人的にこれは「推理小説」ではなく「小説」だと思います。なので「その他国内小説」に分類です。ただひとつふたつ提示される謎には一応オチが付いているので、風呂敷を広げっぱなしとかそういうことはないです。心理学・犯罪心理なんかに興味のある人ならば楽しく読めるのではないでしょうか。
でもあまりにも心理学的な分析だけで人間を割り切ってる感があって、人間の中身ってそんなに簡単なもんだろうかとちょっと疑問でした。
それでも前作よりもピリピリせず読めたのは多分どろどろの恋愛色というのがなかったからですね(笑)
しっかしアッサリアニエスがいなくなっているのがショックだった…シャルルアニエスのその後が気になって続編も借りたのですが。ラブラブしてたらええなと思ったのですが。コロコロ相手を変えたり捨てたり別れたりする男にはハマれない。その時々いつも本気だとか言ったらもっとヤダ★シャルルはアニエスに対して本気なんだと思ってたんですけどもー一途な人が好きなもんで、ちょっとガッカリでした。一行で片付けられてしまった。それならアニエスのことは一言たりとも言及しないでいてくれればこっちで勝手に想像したのになー(十八番だぜ妄想!)

『陰陽師 龍笛ノ巻』 夢枕獏 

『呼ぶ声の』でがっつんやられました。かっわいいなぁ晴明と博雅の会話は…!
あの会話だけでおなかいっぱいです。
そして賀茂保憲様。キャラは割りと立ってるんだけど激しい活躍をするわけでもないので好きとも嫌いとも今のところ言えません。

陰陽師 龍笛ノ巻 (文春文庫)陰陽師 龍笛ノ巻 (文春文庫)
(2005/03)
夢枕 獏

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『ハプスブルクの宝剣』 藤本ひとみ 

最初は書きたい主題が見えませんでした。
主人公@エドゥアルトがオーストリアの危機を救って認められていく様を描きたいのだったら不要な人物が多すぎると思ったのですね。特に女性。ぱっと出てすぐに消えてしまう女性の登場人物が序盤に複数いたから。マリア・テレジアに関してもどうしてあそこまで絡ませるのか解りませんでした。オーストリアにエドゥアルトを縛っておくにはフランツがいるだけで十二分に見えたので。
でも終盤のとあるエピソードで、これはエドゥアルトのユダヤ人という設定によってアイデンティティの問題を取り上げたかったのだなーとようやっと解りました。このエピソードがあるから本作を見直したので(笑・それまでは恋の鞘当がしつこすぎてちょっと辟易していた)、二人の女性は必要ですわな。
それでももう少し人物の数は削れたんじゃないかなと思います。ページ数の割に多かった。史実に基づいている分、事実として接触があった人物同士を削るわけにいかなかったのかな。私は西洋史に詳しくないのでどこまでがオリジナルの人物でどこまでが史実上の人物なのか判断が出来ませんが。

本作を読んで、西洋の外交というものを端的に知りました。常にヨーロッパとその周辺諸国の動向に気を配り、相手の人間関係や置かれている状況や求めているものを的確に読み取って、国益のためになるよう先手先手を打ってゆく。17~18世紀の世界観で既に普通にこれなら、日本が西洋に比べて外交下手だと言われるわけだ。
日本国内もドイツのように藩という小国家に分かれていたわけで、藩同士の『外交』はもちろん行われていたでしょう。
でもそれは多少の違いはあれども同じ言葉と文化と歴史を持った相手とのことで、全く違う言葉と文化と歴史を持つ国家との外交に関して日本は19世紀に入ってようやっと本格的に取り組み始めたんですよね。年季が違う。
頭脳戦を近代日本と比較するのが面白かった。

人物像について。言ってしまえば腐女子好み…?(笑)
フランツとフリードリヒのエドゥアルトへののめりこみ方も激しいですが、エドゥアルトも随分二人に執心する上女性とも恋愛を繰り返すのでなんだかエディの人物像が後半になるまで安定しなかったです;;
女性だけでもころっと相手が変わって、全て熱愛っぽく描かれてたので、一途な人が好きな私的にあまりはまり込めませんでした。
ていうか女性に対して執念のような恋愛をしながらもフランツのこと大好きなんですよねエドゥアルト…
女性へのエドゥアルトの気持ちは凄く感情的に、フランツやフリードリヒへの思いはもっと落ち着いた深いところから来ているように書かれていたのでむしろ女性=表面的な愛・フランツたち=心から愛 に、見えてしまいました。
だから前半の、両方に気持ちが行っちゃってるエドゥアルトは章ごとに人が違うみたいだった。章単位でなら分裂してなくておっもしろく読めるのにお話として見た途端人物として破綻してた、と感じました。序盤の限りではコレ長編じゃなくて短編連作のがそういうところ目立たなかったんじゃ? と思ったくらい。
テレーゼとの愛憎を消化した後はフランツと言う名の一本筋が通った感じで(…)性格がブレなくなって、引っ掛からず読めました。

ハプスブルクの宝剣〈上〉 (文春文庫)ハプスブルクの宝剣〈上〉 (文春文庫)
(1998/06)
藤本 ひとみ

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ハプスブルクの宝剣〈下〉 (文春文庫)ハプスブルクの宝剣〈下〉 (文春文庫)
(1998/06)
藤本 ひとみ

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『注文の多い料理店 新装宮沢賢治童話全集4』 宮沢賢治 

面白かったッスー!今読んだらちゃんと面白さが解った。も少しキチンと読んでみたいです。
ほかの話も。
つか長編じゃなくて短編、それも童話がいいのかもしれない。

『TUGUMI』 吉本ばなな 

以前読んだ短編集(『トカゲ』)よりこういう長めのお話の方が面白かった。
つぐみのキャラクターがインパクトで、『美人』って形容はされているけど慣れるまでは顔が悪い感じの想像をしてしまう。しばらく彼女は可愛い、綺麗、美人って自己暗示(笑)と、一人称の主であるまりあのきれいな形容で、そのうちつぐみは私の中で黒い長い美しい髪の色白美人になりました。一話目、『お化けのポスト』で泣けた。
『怒り』は凄く鮮やかにワンシーンワンシーンが想像できた。『穴』はとにっかくインパクト。ビックリです。
全体的に日本語使いが面白い。同じような単語単語でも組み合わせが多岐で、その辺りが上手いなあ、と思います。

『とかげ』 吉本ばなな 

これも好きじゃないけど嫌いじゃないという感じかなー。運命とかをテーマにした短編集。色んなところから再録。ひとつひとつのお話はちょっと不思議で、普通の人なら見つめない場所を切り取って見せていて面白いんだけれど、がっとくるものはなかった。ほのぼのと、ゆっくり心に染みる感じで、別の作品を読んでみたいなとは思いました。

『極悪飛童』 牧野節子 

四字熟語を何気なく捩ったサブタイが特徴的。この「極悪飛童」ってタイトルには大変惹かれました。ちょっとレツゴっぽくないですか?(笑)「極悪」っていうところにブラックユーモアな響きを感じると。
やっぱりご老人の話には弱いです。泣きそうだった。
まさに青い春というか、そういう一瞬を切り取ってかっ飛んでる感じの本。勢い。筆致との相性が微妙だったけどそれでも読めた。
どこにでもある話だけどたまにどこにもない着眼点がかいま見えてる。

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