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『湖のトリスタン―ルートヴィヒ二世の生と死』 田代櫂 

参考文献表はありますが、索引は無し。章や節のタイトルも結構抽象的で、内容が推察しにくく、レポートの参考などにはしづらそうです。
参考文献は国内外に広く渡っています。
著者の方の専門はこちらではない様子で、研究書というより趣味の本という印象。小難しい専門書より小説に近く、割合読みやすいです。
ルートヴィヒについて調べるとっかかりにするには良いのではないでしょうか。
ただしこの本でのルートヴィヒに対する評価は、基本的にやっぱり「狂人」であったというところに落ち着いてるように思います。
彼の作った建築、特に内装に対して、「常人の感覚ではない」とやたら酷評でした。
また彼について考察するに不可欠であろう性的な嗜好についてはあまり書かれていませんでした。
そのため、鵜呑みにしてしまうにはあまりに一面的だと思います。
一番濃く書かれているのは、表題の通り彼の『死』についてです。
当時の証言や解剖の結果などに基き科学的な検証がなされており、興味深かったです。

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『ビスマルク Century Books―人と思想』 加納 邦光 

ビスマルクの伝記的な本。的、というのはそもそもこの本が連なってるシリーズが思想史+伝記みたいな性質のものだからです。内容はビスマルクの誕生~亡くなるまで。
巻末に索引+参考文献有、使いやすいです。
中身は易しく書かれている印象です。中学~高校生向けくらいでしょうか。
世界史的な事件、特にマイナー(と思われる)ものにはしっかり注記が記されていたので私のような世界史をきちんとやっていない人間にはありがたかったです。
作者がビスマルクに心酔している人じゃないせいか、等身大のビスマルクを心がけて書いてあるせいか、伝記記者に時折ある対象の美化があまり感じられませんでした。
政策的・根回し的失敗談も収録されていましたし。
併せて本人の書き物(手紙など)の引用が多く、人となりの理解を助けてくれます。
引退して尚人気が高く、メディアによって政界に影響を与えていたーというくだりに、名前を変えて新聞投書をしていたという陸奥宗光を思い出しました。

ビスマルク (Century Books―人と思想)

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『狂王ルートヴィヒ―夢の王国の黄昏』 ジャン デ・カール 

近代バイエルンの王様、ノイシュヴァンシュタイン城などを作ったルートヴィヒ2世についての本。
書簡や証言を下地にしてあるので小説というには恬淡としているのですが、学術書というほどの堅さでもなく、まさにノンフィクションでした。伝記に近いものがあります。幼い頃から死まで、資料を駆使しつつ小難しくなることなくややルートヴィヒ寄りながらも大体公正に書かれている印象。狂的な部分とまともで優秀な部分を嘘なく描いている感じ。
19世紀のドイツ地域でのてんやわんやも端的に追いかけられます。やはり辣腕ビスマルク。負けていないぜルートヴィヒ。
氷栗(優)さんの漫画「ルートヴィヒ2世」を読んだとき、ホルニヒは氷栗さんのオリジナルキャラクターだと思ったのですが実在の子やったということにとても驚きました。
ルートヴィヒの思い(執着)の深さではこの本を読んだ限りではホルニヒ<ヴァーグナーです。
しかし少女マンガを描こうとしたらまあホルニヒにしておいたほうが絵的にも主従的にも当たりでしたでしょう(笑)
とはいえ本当に、ルートヴィヒのヴァーグナーへの執着は物凄いです。それに対するヴァーグナーの誠実なんだか不誠実なんだか解らない対応が非常に気になります。ヴァーグナーサイドの伝記も見てみたいです。
ルートヴィヒへの基礎知識ゲットやとっかかりとしては良著です。参考文献を挙げてくれるともっと助かりました(お前の都合かよ)

『ゼロから始めるドイツ語』 在間進 

ものっそい解りやすいドイツ語本。後期に文法叩き込まれるんで下地(?)と復習を兼ねてます(笑)本を読む課題ならいくら出してくれてもどうにかできるさ。ラブ!
説明が込み入っていないし、文法用語にはキチンと適切な解説が付いています。CDも付いています。
さくいんはないけどその分詳しいもくじが補って余りあるかんじ。各課の末には練習問題・例文(長文)も有。
基本を叩き込むならこれを一冊しっかりやれば充分なのでは。
ひとつひとつの課が長くないので、一日一課と決めたら貫けちゃうと思います。(何)辞書が無くても大丈夫です。

『ドイツ的発想と日本的発想』 小塩節 

ドイツの経済や、国民生活の実態、歴史の概観、言語についてなど、この本1冊で「ドイツ的なもの」をざっと撫でることができます。
特にドイツの労働(企業の内実・経営形態など)に力点が置かれているように思いました。
ドイツ内の統計・他国と比較した統計も多く紹介されており、出版当時のドイツの状況が知りたい場合には良い資料になるでしょう。
また、それらのドイツ話に対応する形で、「では日本はどうなのか?」という考察がされています。
他国と比較することで母国の良い点と悪い点がはっきりと見えてきます。
出版されたのが随分前なので、ドイツについても日本についても、この本に書かれていることが現在の状態と全く同じということは無いと思います。
しかし、本質的にはこの本で小塩さんが描いたドイツ像は変わっていないのではないでしょうか。そのくらい鋭いドイツ評論がなされていると思います。

『増補 ドイツ文学案内』 手塚富雄・神品芳夫 

1963年に手塚富雄さんによって書かれたドイツ文学史に、後から神品芳夫さんが現代部分を書き足して解り辛い部分を改定したもの。
歴史と社会的な背景を扱ってからその時代の主要な主義・作家・作品に入っていくので、「どうしてその時代にこの文学なのか」ということが端的に示されています。
少し説明が抽象的で、イメージしにくい部分がありました。
しかし、客観的・公正な文学史ではなくご本人の主観と偏見を出して書くことで読者に印象付けようという主旨で書かれているため、激しく堅すぎ!ということは無かったです。ていうかノリノリだと思います著者さん(笑)筆が滑ってる感じ。
古今の文学どちらにもある程度の深みある解説がなされているのに感銘を受けました。
写真も割と使われています。
学校で購入必須だったこと、発行から随分経つにも関わらず版を重ねていることからも、良著なのでしょう。さくいん付きな辺りも便利です。

ところでドイツ文学と日本文学の大きな違いに、作家の政治活動への傾倒ということを感じました。
ドイツの詩人さんや小説家さんはその作品と、自身が運動に参加することなどで、政治的活動をしたり国民を啓蒙・煽動していたりという人が結構いるのですが、それをしちゃう作家が多くいることもそういう作品を読む読者がいることも日本では無いことだと思うのです。
日本人は割とハナから政治家は汚いもんで政治には期待できないと思ってる節があって、多分政治批判詩もしくは小説が文学史上て大きな役割を果たしたとかみなされることはないんじゃないかと思うのですよ。
この本ではドイツの作家は政治活動や現状批判を行い、「政治に幻滅してしまうものもいた」けれども、ずっと諦めずに続けていた人もいたとなってます。
そういう政治意識の強さは日独の差だなーと、音楽を聴いたときにも思ったのでした。(J-POPみたいな音楽で、戦後政治やヒトラーのことを皮肉ったりしていたので)

『ドイツ語の新しい学び方』 藤田五郎 

既習者で無い限り、『ドイツ語のすすめ』(同著者)を読んでいないと解らない。辞書もないと多分アカンと思います。
読んでいても理解の足りなかった私にはちょっと解りにくかったです(笑)
やはし少々これは使い辛いシリーズだと思います。
あとサッパリ関係ありませんが、多分急進派のフェミニストさんが読んだら不快だろう表現が散見されて、ほんの短い間に性意識って随分変わったものだなと思いました。

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