『ヒストリカル・ガイド ドイツ・オーストリア』 坂井栄八郎 

ドイツ及びオーストリアの、歴史・文化・地理の概説。
参考資料とさくいん有。

簡潔かつスタンダードな歴史話は良かったのですが、地図がちょっと使い辛かったです。
本文中の地名が地図内に無いことが多かったので。それでは意味がないと思うのです…;

『ふたつの近代 ドイツと日本はどう違うか』 望田幸男 

ドイツ関連はまだまだ勉強中なのでともかくとして、日本関連の情報では本当にそうなのか?と疑問に思われる部分が多かったです。
今まで読んだことのあるほかの本と異なる意見が多々あったので。
史実解釈に関して結構独特な方なのでしょうか。

『人間の生き方 ゲーテ ヘッセ ケストナーと共に』 高橋健二 

ドイツ文学を研究なさっている高橋さんによるエッセイ・小論集。
ゲーテとヘッセに関しては数ページに渡る経歴の説明もあるので、超簡略伝記とも言えそうです。
凄く二人の人間味溢れる、可愛い仕上がりで好きですv著者さんのゲーテとヘッセへの敬慕の強さを感じました。
ケストナーは表題にある割りに扱いが小さくて残念でした。ケストナー目当てだったので(笑)
むしろグリムの話の方が多かったような気がします。
しかし高橋さんが実際ヘッセやケストナーとはお知り合いということで、一次史料的な楽しさがありました。
色々なメディアで出したお話を集めているにも関わらず、話題やネタの被りが少ない(=ネタの使い回しをあまりしていない)辺り引き出しの豊富な方なんだな、と思いました。
戦前の一高のお話が近代スキーにはたまらんかったです…。

『黄昏のトクガワ・ジャパン シーボルト親子の見た日本』 ヨーゼフ・クライナー 

シーボルト親子、特に父・フィリップにフォーカスした小論を集めた本。
シーボルトの日本研究、バイエルン州との関係、そのコレクションや著作など、豊富なテーマが扱われています。
書き手が国内外の研究者両方に渡っているので、視点の違いが面白いです。
日本の研究者さんは日本史的な観点から見るけれども外国の研究者さんは世界史的(ヨーロッパ史的)な観点から見る、など。
同様に書き手が複数に渡っていることから、シーボルト関連の情報に対する認識や解釈が違うことも、複眼的で良かったです。
シーボルトの研究内容ひとつ取っても評価が高かったり低かったりまちまちだったりします。

長男のアレクサンダーが明治初期の日本外交にかなり噛んでいるようで個人的に興味があります。

『ドイツの中のユダヤ―モダニスト文化の光と影』 ピーター・ゲイ 河内恵子訳 

「近代のユダヤ人はモダニストであるという論調があるがそれは本当か」「近代におけるユダヤ人の位置付けとは」「ユダヤ人のドイツへの同化願望の実態」「ドイツの都市とユダヤ人」、そんな本です。
一章まるまる割かれたフロイトの話は彼の思想についての話に行が割かれているものの、伝記じみてて楽しかったです。
しかし全体的に話が濃い・抽象的・修飾的で、読むのが大変でした。
もう少し主語と述語をスッキリさせてくれたら嬉しかった…(笑)
近代のユダヤ人の作家・音楽家さんなど+近代のドイツとユダヤ人との関係についての基礎知識がないと解り辛いと思います。
しかし逆に言うと、〜近代(近代以前に関してもざっと撫でてくれてます)のドイツとユダヤ人の関係について複数のテーマから書き出してくれているので、そういったテーマを深めて行きたい場合は使えるかもしれません。特にその頃活躍したユダヤ人の芸術家さんに関して(有名どころだけかも知れないのですが/詳しくないので何とも言えない)は手広く扱ってくれているように思いました。
ユダヤと言うテーマを専門でやってる先生が参考図書で出してきたものでもあるので、悪い本ということは無いと思います。

『江戸・東京の中のドイツ』  ヨーゼフ・クライナー 安藤勉訳 

江戸〜明治期に来日したドイツ人について簡単にまとめてあります。
どのテーマでも日本にある関連史跡について一度は言及があるんですが、その周辺の風景描写が綺麗でした。
ヤン・ヨーステンとかブラウンとか、『日独文化人物交流史―ドイツ語事始め』と被ってる人物も居ますが、大方新しいかもしくは人物が被ってても新しい情報が提示されていたと思います。
写真が多いことも嬉しい。それから参考文献リストも良かったんですが、著者が日本人じゃないので横文字モノが多かったのが残念(笑)
語学を磨けと、そういうことかヨーゼフ!(お友達かよ)
6章以降くらいから明治政府のお歴々が話に絡んできて楽しかったです。
特に井上馨の名前を多く見た気がします。
意外な所でドイツの方が腕を揮っていて、近代日本とドイツのかかわりの深さを改めて感じました。
買いたい(宣言)(しとかないとすぐ忘れそうなんで)(鳥頭!)

『ケストナー ナチスに抵抗し続けた作家』 クラウス・コードン著 那須田淳/大本栄訳 

「エーミールと探偵たち」の作者、ケストナーの伝記。対象年齢小学校高学年くらいなので書き方は簡単ですが、結構濃いです。
ざっとケストナーの生涯を知りたいのなら十二分以上かと。
主な出典はケストナーの自叙伝など。生誕から死去まできちんと追ってくれています。
人名や事件などについて欄外に註があるのがまた良いのです。理解しやすい。
コレを読むと、「エーミール」というキャラクターがいかにケストナー自身を投影して出来上がっているかがよくわかります。悪い意味ではありませんが。
気が弱そうに見えて芯は太いというか、秘めたる闘志というか、とても真っ直ぐな人で読んでいて元気が出ました。
ちょっと尾崎に似てる気がします。なんて。