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『父の映像』 犬養健他 

有名人のお子さん方が、父親について語った新聞連載文をまとめたもの。
掲載紙が「東京日日」と「大阪毎日」ってのもなんというか因縁めいて…?(笑)
福地源一郎がはじめた東京日日は、原敬が編集総理をやってたことのある大阪毎日の傘下に入れられ最終的に吸収されている筈です。(だから多分両紙の名前で載ってるんだと)(めっちゃ余談)
さてまあお子さんから見たお父さん、ということで、書かれ方も様々です。
どの子たちも割と公平に書くよう気をつけて下さっていますが、やっぱり接せられ方によってちょっと憎しみや親しみや敬意が滲み出てますね!(憎…?)
そしてどのお父様方も「公」と「私」のイメージが違う…!
勿論これで読んで初めて知った人が3人、しっかり伝記を読んでいない人がほとんどという有様の私だからかもしれないのですが。
でもそのギャップがものすげえ、もえ。(帰れ)

やや本の中で話されたエピソードを引きます。これから読むから中身は知りたくない!という方は以下は飛ばして下さい。

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『日本宰相列伝13 犬養毅』 岩淵辰雄 

著者の先輩が「犬養派・古島門下の人ばかりだった」(序文)こともあって、古島に凄く内容が裂かれていた印象があります…嬉しいです(正直者)
『一老政治家』からの引用も多い。というか、ところどころ古島記述に丸投げ。
古島に関しては著者が面識があるので、事実聞いた「古島談」もありました。
しかし若い頃から全くもって犬養さんは人望がありますね。
秋田日報時代(大好き)とか、後年の若手新聞記者からの囲まれっぷりとかほほえましいです。
お堅くない話もかなり盛り込まれていて、いろんな意味で楽しい1冊でした(笑)

…でも今まで読んだ史学系の本(と言っても多くはないけれども)の中ではやはり一番5・15事件の描写が長く詳しくされていて、切なくて仕様が無かったです。

『憲政の人・尾崎/行雄』 竹田 友三 

著者さんの職業=先生が非常によい味になっていた一冊でした。
一に、若い世代に尾崎に興味を持って欲しいという意識で書かれてるから読みやすい。
割と尾崎に関係ない政治の流れも書き込んであるのでたまに飛ばしたくなりましたが(笑)、かっちかちの政治エピソードだけじゃなくて突っ込みいれたくなるようなネタエピソードも盛ってあります。
二に、視線が『先生』であり『父親』で、とても愛を感じましたv
うちの不肖の息子です、色々欠点もあるけどいい子なんですよ。見守ってやって下さいね。みたいな(笑)
当時の新聞なんかで叩かれた尾崎の進退も、『でもこの人も人間なんだからいいじゃないか』的な大きな器で抱擁してくれていて気持ちがよかったです。
同じように他の明治・大正期の政治家さんへの目線も暖かいです。
しかし太平洋戦争を経験した世代でいらっしゃるだけあって、犬養さんが亡くなった後くらい=軍閥の台頭辺りからは手厳しいです。時の日本を引っ張っていた人たちに対して。
憲政の人・尾崎行雄

『原/敬』 前田蓮山 

日本宰相列伝シリーズ⑦。
どの登場人物に対しても、書き方に愛嬌があります。とくにやっぱり原さんには。子供の頃から話を起こしても、『未来の大宰相は~』とかやたらデカイ文句で飾られているのが可愛い(笑)
私も知っているような大きな事件にも多く関与している原さんなので、裏に蠢く人間関係と思惑の数々をすぱっと説明して頂けました。でも国民党との絡みでも古島のこの字も出てこない(笑)犬養さんは何度か、歳が近いからか政界で腹の探りあいをしだす前の話から比較に出されていましたが。『一老政治家の回想』で結構原さんと交渉をした話があった印象があるので期待したのですがやっぱりダメか…
岡崎(邦輔)もいっないな~!(笑)
陸奥のことは大事に書いてくれてて嬉しい。
まあ多分岡崎にしても古島にしても、原さんの政界生活に関与していたとしても(特に岡崎は参謀だししてないはずがないんだけど)現実問題ページが足りなかったんだろうな…。序文でも出版社からページの制限があったことが書かれてますが、本当に薄い。もう二倍くらいかけて描いてくれても全然よかったよ前田さん。削られた分が非常に惜しい。

『犬養/毅 その魅力と実像』 時任英人 

犬養さんの没後70周年記念に発売された本で、犬養さんの伝記ではなく犬養さんという人の人格を捉えるべく親しかった人物との付き合い方と、彼の好きだったものを取り上げています。
若い人なんかにもわかりやすいよう、興味を持ってもらえるよう、非常ーーに易しい筆致で書いて下さってます。読みやすいけどその分ちょっと中身が薄い。資料元に『一老政治家の回想』が多いので知っている発言やエピソードも多かったです。でも古島さんの扱いがこんなに大きい本見たこと無いので全て許せてしまう…!
犬養さんと親しかった、ということで取り上げられている人物は三人です。
一人は古島一雄。
『一老政治家~』では五・一五事件における古島自身の反応は非常にアッサリ書かれていたので寂しかったのですが、本作でやっぱり古島が激怒していたんだと解って少し嬉しかったです。
それにしても犬養の性格を本当に古島はよく把握していたんだな…。流石(笑)
だからこそ古島の章を締め括った「もしも犬養が暗殺されていなかったら」の夢は現実的で、そうあってくれていたらどれだけ幸せだったろうかと思うと切なくてたまりませんでした。

二番目には尾崎/行雄。伝記等をまだ読まないのであんまり評ぜられませんが、思った以上に犬養とは方向性の違う政治家として描かれていました。
時任先生はやっぱり犬養ファンなので犬養を持ち上げて尾崎を下げる傾向があったのがちょっと悔しかったです。どちらも好きなんじゃー。
他の尾崎評論を知らないのでどうだかですが、これはかなり犬養擁護に偏っている尾崎評価なのではないでしょうか。

三番目には孫文。
こちらは割と犬養の失敗談が大目だったような。中国の動きに対する読み違いにツッコミがされていました、が、それ以上にフォローがしてあってやっぱり時任先生犬養ファンなんだな…と…(笑)
頭山の出番が多い。全体的に名前はちょこちょこ出てきてたけど特にやはりここは。

最終章は犬養さんの趣味や、尊敬する人間等について。『好きなもの』から説き起こす犬養さん。
刀剣にも書にも西郷研究にも一生懸命真っ直ぐ全力投球なんですよね。
『日本人』に論説を載せた、という話が二・三度ありました。少しずつ親しくなった模様。『日本』の記者さんと真っ向対立していたのなら、政教社@日本人の人たちとの関係もあまりよろしくないんじゃないかと思ってたのにちょっと意外。
あと巳代治が荻生徂徠の家系らしい&犬養さん割と仲良しだってことに心から驚きました。

『明治・大正・昭和政界秘史―古風庵回顧録―』若槻/禮次郎 

大蔵省系に勤めながら立憲同志会→民政党に所属、首相も務めた若槻禮次郎さんの往年の回顧録です。執筆の途中でお亡くなりになったそうで(;;)未完成なのが残念。ほとんど書き終えられてはあるのですが。

政・軍界どちらの人間も出てきては財政の交渉をして行きますね。
また、禮さんが無理な予算をやめさせるべく交渉をしていることもあります。あくまで彼の目から見ているからかもしれませんが、無い袖は振らない姿は格好いいです。
少数派党は大変なんだな、というのが感想の二点目。
金銭・人数・党員の人心掌握に苦心する幹部たちの姿が…でも犬養さんほどはお金に困ってないように見えた(笑)実際のところどうなのかわかりませんが、…民政党の皆さんも自慢のコレクション売ってお金作ったりしたんですか…(聞くな)というか各党の財政事情が数字で知りたい今日この頃。
あと割とハラケーはどこにでも出てくるのかな。(…長いこと政友会仕切ってたから?/笑)この本にもいらした。嬉!
政治家の評価って本によって結構違うのに、原のイメージや評価って大きく変わらないのが面白い。このわが道を行くクール&ドライっぷりがたまらなくてよハラケー…!

愉快なエピソードというより、後世歴史の研究や政治に役立つような、政治の転機転機にあったことが選られている感じです。
淡々とした語り口、時々の思考の柔軟さから、執着心は強くないけど芯にしっかりしたものを持った人という感じが致しました。
巻末には学者さんによる、史料を並べながらの若槻論も展開されており、本文中にある記述(記憶)の間違いが訂正されているのが歴史初心者にはありがたかったです。今まで読んだ本の中で一番長い解説だった気がする…(笑)

『一老政治家の回想』 

明治~昭和にかけて、ジャーナリスト→政治家の道を突っ走った男気策士・古島一雄往年の回想録。
老政治家=古島の回想とはいいますが、古島の自叙伝というよりは8割犬養話です。
もちろん普通にときの日本政界を読むこともできます(そりゃな)
基礎的な事件と人物を知らないとやや解りづらかったですが、しっかりした政局の観察であると思います。
年号・日付の記述に誤りもあるとかないとか聞きますがどうなのでしょうか…?
もう少し勉強して参ります。

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