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『七回死んだ男』 西沢保彦 

僕は一日を九回繰り返す――
不定期にある一日が繰り返されるという特異体質を持った主人公は、ループする「祖父が死んだ日」のなかで祖父の死を回避しようと試みるのだが。

秀逸としか言いようがない設定と、それが見事に活きたミステリ的状況が面白くて面白くて夢中で読みました。
そして後書きを読んで泣きそうに…西澤先生のSF新本格への愛と矜持が熱い。
それを受けての北神次郎さんの解説も西澤作品への温かいエールで素敵でした。
文庫版で読んで良かったです。

七回死んだ男 (講談社文庫)七回死んだ男 (講談社文庫)
(1998/10/07)
西澤 保彦

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『星の国のアリス』 田中啓史 

少女アリスが乗った宇宙船のなかで、体内の血液を抜かれた死体が発見される。
犯人は吸血鬼なのか、それとも……? 吸血鬼SFミステリ。

描写の隅々までおぞましくてどろっどろで救いがなくて、それが堪らなく嵌っている作品だと思いました。
また、伏線の引き方が丁寧で、後半ばったばったと乗客が倒れる中でがっつんがっつん回収されてく流れが大変爽快です。
久しぶりに自分好みの意外性を持つ結末にぶつかって、いまやたらと満たされた気持ちです(笑)
後味が良いようなお話ではないにも関わらず、何なのでしょう、この楽しい読後感…!

『落下する緑―永見緋太郎の事件簿』 田中啓史 

テナーサックス奏者を探偵役に据えた日常の謎連作短篇集。
とにかく作者田中先生のジャズ愛が溢れていて、演奏シーンの描写にワクワクしました。
読んだらジャズが聴きたくなる1冊。
先生の挙げた参考レコードから、早速どれか聞いてみたいと思います!

『虎と月』 柳広司 

虎になってしまった男、李徴の息子は、ある日「いつか自分も虎になってしまうのでは?」という不安を抱き始める。
その不安を解消すべく、少年は父がどうして虎になってしまったのかを知るための旅に出る――
中島敦『山月記』の後日譚であり、新解釈に挑んだミステリです。
李徴が「何故」「どうやって」虎になったか、という謎に対して、原作の流れを大切にしつつ新しい角度から光を当ててくれています。
原作を嘘にしてしまうのではなく、原作を受けてがらっと違う「解釈」をするスタンスに愛を感じました。
そのほうがイチから後日譚を創作するよりも難易度が高いとも思います。
ほんの少し見方を変えたとたん、ばっと新しい絵が見えてきたときには興奮しました。なるほどそういう取り方もありかああと手を打って(笑)
伏線の引き方とその回収の仕方が丁寧で、あの情報がここで活きるのか! という驚きもあります。
ミステリの楽しみってこれだよなぁ……!
中国の歴史や漢詩文、故事が縦横無尽に織り込まれているので、お好きな方にはそれも楽しいのではないでしょうか。
私はその辺りあまり詳しくないのですが、平易な筆致で読みやすく、知らなくても充分に楽しめました。

虎と月 (ミステリーYA!)虎と月 (ミステリーYA!)
(2009/02/03)
柳 広司

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『試験に敗けない密室』 高田祟史 

パズルパズルした千波くんシリーズの二冊目であり、初の中編です。
あの短編のノリそのままに中編なんて可能なのか? と思いつつ読んだのですが、密室とパズラーが綺麗にかみ合った面白い作品でした。
とはいうものの、印象は連作短編に近いかもしれません。

試験に敗けない密室―千葉千波の事件日記 夏休み編 (講談社ノベルス)試験に敗けない密室―千葉千波の事件日記 夏休み編 (講談社ノベルス)
(2002/06)
高田 崇史

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『漱石先生の事件簿―猫の巻』 柳広司 

『吾輩は猫である』と漱石の実生活、両方をごちゃまぜにして下に敷いたライトミステリ。
『猫』の中の不思議・不自然な部分がミステリの核で、それらに論理的(?/笑)な説明がつけられてゆきます。
その絵解きには明治の歴史事情も絡んで来るなど、漱石近辺のみでは話は終わりません。
明治時代が好きな方、『猫』が好きな方、漱石自身に興味のある方には面白く読めると思います。

漱石先生の事件簿 猫の巻 (ミステリーYA!)漱石先生の事件簿 猫の巻 (ミステリーYA!)
(2007/04)
柳 広司

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『さよなら妖精』 米澤穂信 

ユーゴスラヴィアから留学してきた少女との出会いと、それによる自分や周囲の変化と成長を描いた青春小説。
いわゆる日常の謎のような、軽いミステリでもあります。
ユーゴスラヴィアという国の歴史や文化が作中に挿入されてくるので、ユーゴの過去をとても印象付けられました。
ただ、私にはやや知識をひけらかすような感触や登場人物の「若さ」が鼻についてしまいました。
狙って書いているものか、著者本人の若さでもあるのでしょうか。

さよなら妖精 (創元推理文庫)さよなら妖精 (創元推理文庫)
(2006/06/10)
米澤 穂信

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