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『坊っちゃん』 夏目漱石 

かの有名な小説。
読みやすくキャラが立っていて、ぼっちゃんと愉快な仲間たちが可愛くてしょうがありませんでした。
また、元々いくつかこの作品の登場人物に関する解釈を聞いたことがあったので、誰がどの人物に対応する(のかもしれない)・この人物の心情は実はこう(かもしれない)ということを考えながら読めたのが良かったです。
そこまでストーリーに意外性のある話ではないと思うので、知らなかったらもう少し面白みにかけていたかもしれません。
漱石自身を知っていればいるほど楽しめる作品だと思いました。

坊ちゃん 坊ちゃん
夏目 漱石 (2004/09/01)
フロンティアニセン

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『家守綺譚』 梨木香歩 

「村田エフェンディ滞土録」とリンクした本。
舞台は明治期の日本で、亡友の家にすむことになった主人公とその周りで起こる不思議についての掌編集。
「エフェンディ」がつくりでなかせる作品ならば、「家守」は雰囲気とキャラクターで和ませてくれる作品でした。
一作のインパクトが強いのは前者ですが、人物を愛してしまってずっとずっと読んでいたくなるのは後者だと思います。
ごくごく普通に不思議を受け入れて生活している空気と主人公、高堂さんという人物が好きです。続編はないのかなぁ。
植物が主なモチーフになっているので、詳しい方はいっそう楽しめると思います。

家守綺譚 家守綺譚
梨木 香歩 (2004/01)
新潮社

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『村田エフェンディ滞土録』 梨木香歩 

明治時代頃のトルコ留学生が主人公の短編集。
トルコで多国籍な下宿に住まって研究をする村田さんと、周りの人たちと関係・日常がゆるりと紡がれていきます。
本当に時間の流れがゆっくりに感じられるようなゆったりとした本で、結構せっかちな私は途中で「ちょっとのんびり過ぎて合わないかも」と思ってしまったんですが、そんなことはなかったです。
流石梨木先生というか、行間で読ませる手腕と話の流れの持って行き方の上手さに興奮しました(何)最後は泣いた。複線の引いとき方が巧妙だなぁ。
ただ明治スキー的には主人公の一人称があんまり明治っぽくなく、普通に現代語だったことはちょっと気になりました。明治といわれても明治の空気をあまり感じないというか。
そんなことどうでもよくなりましたけども途中で(笑)
いい本です。

村田エフェンディ滞土録 村田エフェンディ滞土録
梨木 香歩 (2004/04/27)
角川書店

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『からくりからくさ』 梨木香歩 

時系列的には「りかさん」の続編に当たる話。
「織物」をモチーフにしてエピソードと「言いたいこと」を文字通り織り交ぜてゆく手腕が上手かった…!
人物ひとりひとりの過去から現在をしっかり踏まえて、「人間」を書いてくれています。
視点がやたらに飛ぶのはちょっと読み辛かったですが、それは意味のないことではなくて、複数の視点から見た三人称は個々人を書き込む上で大きな効果になっていました。
では個々人をそうして描くことは必要なのか(主人公を掘り下げていけば充分なのではないか)ということですが、この作品には必要なことだったのだと思います。
何故なら個々人を描く上で、個々人が情報を得て、それが「りかさん」のルーツを解くことに繋がってゆくからです。
りかさんにのルーツに関する謎が徐々に絡み合って解かれていく様は、ミステリが好きな方にも楽しめると思います。

とにかくこの方の、「人間を書く」「言いたい事を象徴に含ませる」「構成」の腕は凄いです。上手い。

からくりからくさ からくりからくさ
梨木 香歩 (2001/12)
新潮社

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『盲目物語・春琴抄』 谷崎潤一郎 

盲目物語は戦国時代のお話。
信長の妹であるお市の方に付いていたという設定の按摩さんの一人称です。
いかにお市さん(と、多分茶々さんのことも谷崎さんは書きたかったっぽい)が美しい人であったかが肉薄するように伝わる、谷崎さんらしい文章です(笑)
肌や髪や挙措動作が生々しく想像されます。
信長は悪役スタンス、秀吉はセクハラオヤジ臭く、旦那ズがやたらに男前。戦国がお好きな方ならば楽しめると思います。
火事のシーンから以降が個人的に好きです。

春琴抄は、視力を失った美貌の女性・春琴さんと、その下僕佐助の話。(ええー)
前半は苛烈すぎる春琴の性格に馴染みきれなかったのですが、視力を失って、更に佐助が彼女のために失明してから少し心を許した感じになりまして、そこから後の主従っぷりは好きです。
関西弁の喋りと、日本的な美しさで描かれる春琴は鮮やかに印象に残ります。
ただ佐助が目を突くシーンは痛すぎて直視できなかったです…(アイター)
しっかしこの春琴の春琴っぷり、谷崎さん楽しそうだなぁ…(笑)

『犬婿入り』 多和田葉子 

うーーん…抽象的ですよね。怒涛のような日本語? 理解は出来るけど一本の意味あるお話と感じることができなかった。
私にアレゴリーは解釈できないな、ということがよっく解りました(笑)
しかし著者さんが長いことドイツ住まいでドイツ語でも本を出版していることもありまして、表題作「犬婿入り」に対して併録の「ペルソナ」(舞台がドイツ)では何気ない描写にリアルさがあるように感じられました。私の知ってるリアルなドイツなんて日本人さんのエッセイの中のドイツでしかありませんが(笑)

『吾輩は猫である』 夏目漱石 

面白い…!わー!やっぱり夏目先生凄いや…!
もっそこかしこで言われてるんで今更ですが、やはり言葉のリズムのよさが心地よいです。
大体日露戦争前後の作品なので、時事ネタがわかるのも面白さを上乗せ。ホントに坂上を読むと明治が解りやすくていいなぁ。
しかも連載が子規没後の(;;)虚子率いる『ホトトギス』!トキメキキュン!
子規のことも一箇所だけネタになっていてとても嬉しかったです。忘れないでいてくれてありがとう。
虚子の性格はちゃんとつかめていないけれども、どんな気持ちで読んだのかな。
割とノリのいい後輩ってイメージはあります(何)
伊藤(博文)も確か一箇所ネタにされています。東郷さんなんか一回じゃないし。日本語の上手さだけでも充分満たされますが、ネタがわかればもちろん更に、です。

迷亭君が大好きです(笑)もうかわええやらかっこええやらセクシーやら愉快やらーvv迷亭君が出てくるたびに色めき立ちましたから(死)
多分私は心底夏目先生の描く『高等遊民』が好きなんでしょう。
ミステリアスで、おちゃらけていて、その底の読めなさがたまりません。
おそらく“迷亭”は「酩酊」から来ているのでしょうな。最初は二葉亭四迷の方かと思ったのですが違うらしいです。
続編があったら絶対読んだ。パスティーシュでさえ今読みたい(笑)
でも『吾輩は猫である殺人事件』は私には多分読めないのでした。メタミステリなんだもんなぁ…(笑)

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