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『冬虫夏草』 梨木香歩 


『家守綺譚』の続編となる連作掌編集。
相変わらず亡友・高堂の遺した家に住んでいる綿貫が、彼岸と此岸が交わる日常を描写してゆきます。
短いお話がぎゅっと詰まった1冊なのですが、「ゴローを探せ」という目的が通底しています。
頼れる愛犬ゴローはどこへ消えてしまったのか? 生きているのか、いないのか。
ゴローはもちろん高堂さんの動きにも謎が多く、同時系列のゴローや高堂さんを中心としたお話が読めたら楽しそうだなぁ、と思いました。
随所に出てくる土地の言葉が耳に優しかったです。


冬虫夏草冬虫夏草
(2013/10/31)
梨木 香歩

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『左近の桜』 長野まゆみ 

連れ込み宿の長男、左近桜蔵は面倒な質だ。
当人の気付かぬうちに人外のものを拾ってきてしまう。
彼らは様々な形で桜蔵との交わりを求めてくるのだが――
妖しとエロスの短編集。美しい日本語が丁寧に語る物語に、思わず誘い込まれます。
古典文学や民俗学的要素が盛り込まれている点など読みどころはいろいろあると思いますが、特に、主人公・桜蔵が非常に曖昧な存在として描かれていることに面白さを感じました。
手を伸ばしてくる人外の存在をきっぱりと振り切ってしまわない、流されがちなところも曖昧ならば、その属性も曖昧です。
序盤から何度となく「男であること」が描写され、女友達もいる桜蔵は、しかし彼岸のものたちからは「女」だと言われてしまう。
「人間であること」くらいは確かであろうと思いきや、それさえもどうだか解らなくなる。
性別も生い立ちも性癖も、常に存在としての境界が揺らぎ続けているように読めました。
お話として一番気に入っているのは「六月一日晴」から「骨箱」までの流れです。
この二編でモチーフになる蝶(と桜蔵)の艶やかさと言ったらありません。
色々な作家さんが色々な形で描いている「蝶」、まだこんな見せ方もあったのだなあと思わず息をつきました。

収録作品は以下の通りです。

左近の桜左近の桜
(2008/07/24)
長野 まゆみ

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『行ってみたいな、童話(よそ)の国』 長野まゆみ 

「ハーメルンの笛吹き」「ピノキオ」「にんじん」、3つの古典を下敷きにした短編小説集。
具体的な言葉で描写されるわけではないのですが、性や排泄に関わる描写が多く、読んでいて目を逸らしたくなるような痛さがあります。
官能的というより、性的な部分も含めて人間の残酷さや汚さが全面に出ているように感じました。
気持ち悪かったり痛かったり汚かったりを淡々とあの筆致で書いている。
長野さん=硬質で美しい世界観、というイメージが強かったので意外でした。

行ってみたいな、童話(よそ)の国 (河出文庫)行ってみたいな、童話(よそ)の国 (河出文庫)
(1997/08)
長野 まゆみ

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『よろづ春夏冬中』  長野まゆみ 

青少年同士のなれそめが主の短編集です。 幻想小説めいたものもあれば、普通の舞台設定の作品もあります。
長野さんがよく書く「妖し気な色気のある永遠の少年たち」に比べて、『よろづ~』は妖しいよりも生々しい、等身大に近い青少年たちが書かれいました。
凛一シリーズに近い感じでしょうか。
私はどうやらそちらのほうが好みらしいです。
硬質で透明で丁寧な言葉で、セックスではなく精神的に繋がっていく過程を主眼に書かれているあたりも肌に合いました。
エロスは全て朝チュンです(笑)
でも欲情してるかんじが行間からやたら上手く伝わってくる。
お気に入りです。

よろづ春夏冬中よろづ春夏冬中
(2004/10/09)
長野 まゆみ

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『マラケシュ心中』 中山可穂 

肉欲の恋を賛美する退廃的な歌人が恩師の妻に懸想する。妻も歌人に強く惹かれ、ふたりはひょんなことからサハラを目指すことになり……と書くとそこそこありふれた恋愛小説のようなのですが実際に本文を読めばそんな生易しいものではないということが判って頂けると思います。
読後に長いため息を吐いてしまうような小説でした。内訳は、疲労と、一途さへの感嘆と、慶び。
「良い小説」と断言するには若干の躊躇いがあるのですが、パワーのある小説だということは確かだと思います。熱に浮かされたような浮遊感とともに、読書をひと息に駆け抜けさせる引力がある。誰かに夢中になっているときの躁鬱、ものすごい体力使う感じを、作中人物と一緒に体感させられる。
好きか嫌いかと聞かれたら、私は好きです。
前半の小川さんと緒川さんの恋愛観にあーあるあると思ってしまう私も重たい女のひとり。

友達からの推薦本でした。
本読みさんからのお勧めは外れながないから素晴らしい。

マラケシュ心中 (講談社文庫)マラケシュ心中 (講談社文庫)
(2005/05)
中山 可穂

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『星降る夜のクリスマス』 長野まゆみ 

著者自身の絵+短編小説。
小説はやや荒削りな日本語だった気がしました。
絵は柔らかくてまるっこく、レトロな雰囲気が可愛らしかったです。
星降る夜のクリスマス

『箪笥のなか』 長野まゆみ 

箪笥のなか 箪笥のなか
長野 まゆみ (2005/09/07)
講談社

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