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『長編伝奇探偵小説 帝都探偵物語① 人造生命の秘密』 赤城毅 

ときは大正、震災の後の帝都。洋行帰りの私立探偵木暮十三郎(美少年と美女の助手付)の下へ、奇怪な事件が持ち込まれた――
というと、乱歩の明智小五郎+小林君・文代さんが思い出されます。そんな「少年探偵団」もの張りの冒険小説。
でも少年探偵団より科学をスルーしています(笑)
少年探偵団は「有り得ない!」と思う現象が最後にはどうにかこうにか、強引にでも論理的に証明されるんですが、こっちでは常識の枠にわざわざ当てはめようとははなからしていない感じです。
お話の流れや台詞はかなりステレオタイプで、ハリウッドのアクション映画や漫画にありそうな感じです。
でも腕白なキャラクターで引っ張ってくれます。
著者さんがドイツ文学や西洋児童文学、日本近代史などを勉強していたり乱歩らが好きだったりーと自分に共通項が多くて驚きました。それもお話が紋切り型でも楽しめた一因かもしれません。
大正舞台という時点でもう近代スキー的には美味しいです。
宇垣一成が出てきたことにちょっと笑いました(笑)
その頃の陸軍大臣てそういえば誰だっけー? と思ったら。彼でした。
探偵物語、というタイトルですが、探偵を期待して読まないのが楽しむコツではないでしょうか。気楽に読むと楽しめます(笑)

帝都探偵物語〈1〉人造生命の秘密 帝都探偵物語〈1〉人造生命の秘密
赤城 毅 (2003/02)
光文社

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『陽気なギャングの日常と襲撃』 伊坂幸太郎 

『陽気なギャングが地球を回す』の続編。
第一章は雑誌掲載短編の改訂版ということで、雑誌掲載時の形を読み逃しているのがちょっと口惜しいです(笑)
スリルとサスペンスとほのぼの感が同居している雰囲気が好きです。
相変らず個性的な登場人物と、絡み合う伏線の山に楽しませて頂きました。
ややその伏線のいくつかが放置されたままになっているかなー…?という感じもしましたが、面白かったのでいいです(何様)
田中さん多用(?)の傾向は作中で突っ込まれてましたが、確かに突っ込みたくなります。
でも彼がいないとこういうリズムでお話を回せないのも本当だと思うので、難しいですね。
とりあえず四人のギャングとその家族に愛を感じます。

陽気なギャングの日常と襲撃 陽気なギャングの日常と襲撃
伊坂 幸太郎 (2006/05)
祥伝社

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『キッドナップ・ツアー』 角田光代 

夏休みのある日、ハルは誘拐されてしまう。犯人はお父さん、狙いは一体…という青春小説…?(疑問形?)
ハルの感情の動きがリアルです。
でもリアル過ぎてガキだった恥ずかしい自分の昔を思い出してしまって、最後までハルを可愛いと思えませんでした。
クールな少女というあらすじの書き方はハズレていると思います。
いろいろなものが渦巻いている。気持ちは解るけど、でも好きになれないです。
また、解かれない謎が多いまま終わってしまってもやもやが残りました。
なんだったんだ結局…と思うことがたくさん。
純文学はそれを許すジャンルなのかもしれませんが、個人的な趣味として、引っ張った伏線はきちんと収拾して欲しいです。

キッドナップ・ツアー キッドナップ・ツアー
角田 光代 (2003/06)
新潮社

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『終末のフール』 伊坂幸太郎 

連作短編集。
あと三年で世界は終わる。終末前の大恐慌はとうに過ぎて、最後のときを平和に暮らすほうが賢いと皆が気付いた、そんな地球が舞台です。
「もう後が無い」ということに対するそれぞれの心境がそれぞれに綺麗です。
「もう後が無い」だからどうするのか。どの人の答えも頷けて、愛しくて、ちょっと泣きました。
作品同士が少しずつ繋がっているので、色々な視点から地域が見えて、東北の町がひとつ丸々描き出されているようにも感じます。
サブタイはやや強引かな? と思いましたが、可愛いのでいいです(笑)
オススメ。伊坂さん好きです。

終末のフール 終末のフール
伊坂 幸太郎 (2006/03)
集英社

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『陽気なギャングが地球を回す』 伊坂幸太郎 

ちょっと不思議なギャング話。ユーモアとサスペンス!
お互いの特技を活かしまくって完全な銀行強盗を続けている4人組みのお話。
メインキャラクターが個性的で、どの人もとても好きですv
そこはかとなく引かれている伏線がカッコよくユニークに展開していくのにドキドキしました。
章の作り方・切り方が上手いです。
映画はまだ見ていないのですが、是非一度見てみたいですー。
続編も楽しみ!

陽気なギャングが地球を回す 陽気なギャングが地球を回す
伊坂 幸太郎 (2006/02)
祥伝社

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『博士の愛した数式』 小川洋子 

何故だか泣けた。どうしてか、ごく些細な博士の行動がひどくせつないやら悲しいやらで、全編通してめそめそしていました。
いったい何に対して涙が出てくるんだろう、とつらつら考えてみるに、博士の「一途さ」とそれを受け止める「私」「ルート」という優しさに泣かされたのかもしれません。
とても世界観が美しいのです。描写やエピソードとして嫉妬や怒りのなども確かにあるのに、それさえも輝くような世界を作る一部になっている。
たぶん読む人によっては綺麗ごとの過ぎる世界観だと思われるんじゃないでしょうか。世界の汚れを無視し過ぎていると。
でも私はこの、小川さんのきらきらした世界を大切に思いました。
無条件にルート(子供)を愛する博士の姿勢が好きです。
「子供は無条件に愛されるべき」というのは、私の理想です。

博士の愛した数式 博士の愛した数式
小川 洋子 (2003/08/28)
新潮社
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『四日間の奇蹟』 浅倉卓弥 

2002年第一回『このミステリーがすごい!大賞』(※新人賞)大賞作。ただし私の基準でのミステリではない作品でした。
私にとってのミステリは特に本格ミステリ、幅を広げてもまあその前後ってくらいなので(苦笑)トリックロジック事件謎臭のないこの作品をミステリと呼ぶことはできないです。このミス大賞だからイコール『ミステリなんだわーいv』って思い込みがあった分そういう作品じゃないとわかってきたときはがっかりでした。
最後まで一応一筋は「何か途中で謎解きめいたものがあるんじゃないか」「あの事故やその事故に関して驚きの事実が出てきたりするんじゃないか」と期待してたんでよりがっかりでした(笑)
いっそ最初からファンタジーだと思って読んでればもう少しプラス評価できたかもしれないのですが。
それから筆致があまり好みじゃなかったのでのめりこめた時間が凄く短かったです。上手い下手ではなく好みの問題として。
極端にいえばクサい。長くて不要な、飾りっ気ある描写が多い。ところどころの隠喩が実際どんなふうなことを描きたいのか掴みにくい。体言止め多い。……好かんのです;でもそこは新人さん、これからどうなるかなーということですわな。
とか言いつつお話自体はそこまで嫌いではありませんでした。
一番盛り上がる最後数十ページだけは非常に面白く読めました。ピアノの音が聞こえてきそう、という書評は本当だと思います。

周りからは妙ーに評価が高い作品なのですが、個人的には聞くほどではない感じでした。

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