『就職がこわい』 香山リカ 

就職難の時代というが、その原因は果たして社会の側だけにあるものなのか。「就職を恐れる」若者の心理を丁寧に解説した本。
現代の若者は「自己評価が限りなく低い」のに「自分は特別」と思いたがっており、「自分だけに向けたメッセージ」を送られる(=特別感が満たされ、自分に自信が無いから動けなかったけれどもハッパをかけられることで気持ちを揮わせる)ことがなければ怖くて身動きできない、というのが主旨か。自己分析によって泥沼にはまり込む流れや、恋愛・就職などに関して真面目すぎる現代っ子、という話も。
図星なことから、自分には当てはまらないと思うことから、自分は無いけど他の人にはあるかも、と思うことからありました。こうして大学生をひとくくりに一般化してしまうのはどうかと思いますが、多かれ少なかれ同じような恐れと不安を就職活動前(中)の学生は持っているのではないでしょうか。
特に個人的に身につまされたのは親との関係。所謂パラサイトシングル現象の病理についての話ですが、親が自分のために子供を手元から話したがらず、子供がそれに引き摺られ、「自分はいらない子なのだ」と思いつつ後で後悔して親に当たるという構図が描かれています。
難しい言葉を使わない語り口が読みやすく、グラフ挿入のタイミングとわかりやすさも良いです。
就職活動へ向かう前に読んでおくと、色々なしがらみに振り回されにくくなるかもしれません。

就職がこわい (講談社+アルファ文庫 G 174-1)就職がこわい (講談社+アルファ文庫 G 174-1)
(2008/02/20)
香山 リカ

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『花田編集長!質問です。 出版という仕事で生きる』 花田紀凱 

花田紀凱さんという編集さんが、出版(編集)という仕事に関する質問に答えていく本。
数々の質問には私も訊きたかった内容もあり、回答の内容も悪くは無かったのですが、そこに見下した目線が感じられて不快でした。
全体的に「自分は正しい」というようなナルシーさが漂っていて、目線が高いのです。
また同性愛者の方や女性に対して差別的な発言もあり。
稲葉さんを小ばかにした発言もあり。(え)
映画の趣味も合わず。
つまり相性が悪かったです…。
編集長という立場にありながら、日本語の厳選がなっていないと思います。
つーか後半は編集という仕事じゃなくて花田さん自身の話になってるし。

『貧困の克服―アジア発展の鍵は何か』 アマルティア・セン 

アジア諸国の経済状況、また現在経済的に成功している(成功しつつある)アジア諸国が、そのように成功する(した)鍵とは何か、というテーマの本。講演の再録だったかと想います。

貧困の克服―アジア発展の鍵は何か (集英社新書)貧困の克服―アジア発展の鍵は何か (集英社新書)
(2002/01)
アマルティア セン

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『就職お悩み相談室』 森永卓郎・清水建宇 

ウェブでやっていた相談内容を本にまとめたもののようです。
濃くって信頼できそうなのですが、非常に現実的かつ物言いが直球です。夢はほぼ無いです(笑)
歯に衣寄せない、嘘をつかない。だから将来に希望を持てなくなりそうにもなりますが(え)良薬は口に苦し。
初歩的・普遍的な問題からかなり個人的な問題まで、そして民間関係から公務員関係、ベンチャー企業関係までと幅広く質問があるので、聞いてみたかったことの一つや二つ必ず含まれているのではないでしょうか。
目次に質問内容が一覧されているので、確認してみることをお勧めしたいですv
各質問への回答内容を少し深めたデータが載っていたり、ホームページ・本の推薦などがあったりと、この本をきっかけに更に「就職」ということについて考えて行けそうです。

『トム・ピーターズの経営破壊』 トム・ピーターズ 平野勇夫訳 

ピーターズさんが行った経営学セミナーを本にまとめたものです。大胆で熱くて、大変面白かったですv
ベンチャー系の起業家さんが好きそうな感じがします。
「今あるものは全て廃棄せよ」「常に革新せよ」「クレイジー=個性的なことが大事」「社員みんなに、起業家志望ってくらいの気持ちにさせる」「タテ型組織よりヨコ型組織」等等。
私には経済も経営もサッパリ解らないものの、ピーターズさんが言うような会社があったら就職したいと切に思いました。
最初は堅苦しい本だろうかと思って(分厚いこともあって)たのですが、ホーキングさんと同様この本も口語体で書かれている上、ウィットに富んでいるのです。ブラックユーモアに随分笑わされました(笑)
難しい言葉や理論も全く使われていません。
敢えて戸惑うとすれば海外の企業名を知らないことくらいです。
他の用語はきちんと説明があるか、辞書で引けば出て来るレベルだったので問題ありませんでした。
でも言っていることは大いに真面目でお役立ちだと思います。というよりは、役立ってくれて、こんな会社が増えたらいいのに、という私の願望かもしれません。(笑)
行間を詰めすぎない・導入とまとめは大きな字で書く・ある程度章分けされている・大事なところが別枠もしくは別ページで抜き出しされている・「まとめ」のテーブルが毎章ある、などレイアウトの工夫も読みやすさの助けになりました。
94年発行と少々古い本なので、PCが普及するなどして業務形態も益々変わってきているだろう現代にどこまで役立つかは私では解りません。しかし、そういう物質的な変化ではなく「理念」という部分でまだまだ得るところの多い本なのではないでしょうか。
とはいえ本当に、経営者・中間管理職さんではなくても読み物として充分楽しめます。

『世界を変えるお金の使い方』 責任編集山本良一 Think the Earth Project編 

小額の募金や、ちょっとした買物の仕方で、いろいろなことに協力できる。その簡略リストみたいな本です。
金額と、何に役立つのかと、短い説明と、関連HPが見開き2ページにまとめられていて読みやすいです。
言葉も易しいし写真も多い。
値段は100円くらいから。億千万単位の話も載ってますが、そちらはそちらで読み物として面白いです(笑)
国際協力から国内の話までジャンルも結構幅広いです。
巻末の索引で確認すれば興味のある分野の話がすぐ見つかると思います。
不要な文具・画材の寄付など、私でも出来そうなものが多々。
HPのリストが欲しいので、1冊買おうかな、と考え中です。

『仕事のための12の基礎力 「キャリア」と「能力」の育て方』 大久保幸夫 

キャリアとそれを伸ばすために必要な能力は修練で身につくもので、また身につけておいたほうが良い時期というものがある、という話。
何歳頃にどんな能力を伸ばす(修練する)べきかについて論じられてます。
そうすると「良い上司」として出世していけるよ、というのが主旨ですな。
簡潔なので読みやすいです。
「どうしてそれが必要か」「どのようなときに必要か」の説明はありますが、実際の職場や上司を例にしてあって、難しい話はしてません。
こんな上司だったらいいのにな〜とは確かに思いました(笑)