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『ジュリエットの悲鳴』 有栖川有栖 

短編集。シリアスなミステリというより、あとがきにもある通り「ごった煮本」という印象です。
全体的にいつもよりも情緒的で、論理より雰囲気重視かな。シリーズ系列の作品にはない、しんみりとした味わいのものも多いです。
ロジカルさを期待して読んだらガッカリするかもしれません。
個人的には、その作風の多彩がむしろ楽しかったです。
シリーズものじゃない分余計なしがらみも少ないのか、筆のすべりも良さそうに感じました。文章の調子がいいような。

「落とし穴」
ケレン味の強い本格、と言って良いのでは。
キャラをさくっと掴ませる辺りがやっぱりお上手、というか有栖川先生が造形する人物はいいなぁと思います。

「裏切る眼」
コレはちょっとイマイチ。かなり無理があります。

「Intermission1:遠い出張」
広告に使われた作品のうちのひとつ。
オチはご自身も仰るとおりわかりやすい。
他ふたつ(Intermission2/4)も含めて、字数制限も内容制限もない中での回答も読みたい。

「危険な席」
凶器にやや無理があると思いますが、タイトルとの相関が好きです。
というかこの本に収録された作品はほとんど全てそうですね。タイトルの付け方が、よくあるもののようでとても上手いと思います。

「パテオ」
お茶目!可愛いお方です。

「Intermission2:多々良探偵の失策」
メルカトルが同じようなことをやっていた気がします。(@『血文字パズル』)

「登竜門が多すぎる」
大 爆 笑。
大好き。お上手。座布団一枚。
ミステリファンなら笑わずには居れないかと!(笑)友達の隣でめっちゃ噴出して死ぬほど恥ずかしかったです(…)

「Intermission3:世紀のアリバイ」
面白い。後書きでご自身がお話していた、この作品を依頼された過程の小話も好きです。

「タイタンの殺人」
SFミステリ。私には新鮮。すごい容疑者ですよ…!
こういうものまで書けるとは芸の幅が広いな~。

「Intermission4:幸運の女神」
微妙。ややありがちでは。

「夜汽車は走る」
お気に入り。歌と、回想と、現在の絡み方がとても上手かったと思います。
雰囲気に酔わされました。

「ジュリエットの悲鳴」
「英国庭園の謎」と同じくタイトル先行という恐ろしい創作法がなんというかもう…可愛い方だなと(笑)

ジュリエットの悲鳴 (角川文庫)ジュリエットの悲鳴 (角川文庫)
(2001/08)
有栖川 有栖

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『作家小説』 有栖川有栖 

有栖川先生がボケた……!!!!

や、ボケとツッコミの方のボケです(笑)ノリの楽しい短編小説集。
今回の俎上の材料は『小説書き』。作家に付き物のアレやコレをブラックユーモアな感じでネタになさっています。
全体的にミステリというわけではないけど、やっぱり残るミステリの味。どんでん返し。
でも本格ではないですね。
どちらかというとホラー&コメディテイストなのかな。星新一さんのショート・ショートとかとも近い空気だと思います。


「書く機械(ライティング・マシン)」
痛怖い。解説も併せて読むと更に。職業作家ってほんとに大変なんだな、という話。

「殺しにくるもの」
一番ミステリテイスト。最後のところに有栖川先生のお楽しみがあったんだろうと推察致します。
ドキっとしましたビックリでした。

「締切二日前」
かっこわらい。トリビアの種。でもオチまで不気味がりっぱなしでした。その辺の空気作りがお上手だと思います。

「奇骨先生」
印刷・出版界の不況について、うんうん頷きつつ読んでました(誰)

「サイン会の憂鬱」
ミステリ+ホラーテイスト。緊迫感がとうとう最後近くまで感じられなかったのですが、でもいい感じに落ちていたのでは。

「作家漫才」
さすが大阪人でいらっしゃる……! A先生のタイガースネタはなんだか目に見えるようで可愛くて仕様がありません(笑)

「書かないでくれます?」
怖い。挿話が上手い。お気に入りです。

「夢物語」
星さんのショートショートを一番思わせる気がする。私はそういう取り方をしました。


しかし全体的に思うのは、どうしてこう有栖川先生の作る人間ってみんないとおしいのかなと。
顔がすぐ浮かぶような感じ。可愛いなぁと思うてしまう。
……ファンの贔屓目ですかね(笑)

作家小説 (幻冬舎文庫)作家小説 (幻冬舎文庫)
(2004/08)
有栖川 有栖

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『地蔵坊山伏の放浪』 有栖川有栖 

かっちかちの本格ミステリではなく息抜き的な小話集です。
山伏といううさんくさい「探偵役」と、星新一さんのショートショートのような空気が大掛かりなだったりちょっと現実的でない仕掛けを許していると思います。
登場人物もコミカルで人がよくて憎むに憎めません。和みます。
戸川さんの解説もよかったです。最終話の解釈とか、戸川さんだからこそ書けたという感じがしました。
もう地蔵坊の解説というよりこの系列に連なる作品の系譜解説になっています。お流石!

山伏地蔵坊の放浪 (創元推理文庫)山伏地蔵坊の放浪 (創元推理文庫)
(2002/07)
有栖川 有栖

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『幻想運河』 有栖川有栖 

本格ミステリ的を期待して読んでしまったので若干消化不良でした。
雰囲気は好きだけどそれだけだった感があります。

作品のつくりと登場人物が行うバラバラ殺人考の問題提起点が京極先生と被ってしまってた気もしました。
パクリと叩かれそうなほど同じじゃないけど似てしまっているような…『魍魎の匣』+『狂骨の夢』。
後者(殺人考)は、出される答えは違うんですけれども最初に考えたことが一緒。
二人の作家さんの考え方が似ているのか、話の流れとしてそういうバラバラ殺人に対する視点が必要だったのか。

幻想運河 (講談社文庫)幻想運河 (講談社文庫)
(2001/01)
有栖川 有栖

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『モロッコ水晶の謎』 有栖川有栖 

あああこれだよーこの空気だよ私が読みたかったのは…!(笑)
全力投球本格本格した空気がたまりません。

①助教授の身代金
核になるネタがやや②と被る。大阪府警の出番が多くて大歓喜。
犯人さんの動機が現実性に欠ける上弱い気がしました。『絶叫城殺人事件』然りですが、現代っぽい中身のない犯罪者を描こうとされているのでしょうか。

②ABCキラー
兵庫・大阪・京都府警夢の競演。 刑事さんみんな大好きです。
さすが旅好きの有栖川先生というか、架空の地名の命名が上手い。嘘っぽくない。本当にありそうっていうかあるんじゃないの…? という感じ。
登場人物のお名前に関しても有栖川先生は比較的そうだと思います。実際にありそうなんだけど無さそうでもある。その『ありそうでない、なさそうである』というのが本格ミステリの味のひとつであると有栖川先生ご自身仰っておられましたが正にその通りv
最初に掲載された文庫(ABC殺人事件をモチーフとしたアンソロジー)の中でも一番良かった作品だったと思います。

③推理合戦

④モロッコ水晶の謎
表題作。とりあえずオチはちょっと厳しかったような…!(笑)
時事ネタ色強かったので、今読んでおくのが一番美味しいかな。旬。


有栖川先生の使う日本語が非常に好きです。端正で。たまに難しめの熟語を若い人が使ってたりして書き分け難アリ!と思わなくも無いですが(笑)基本的に読んでいて気持ちいいです。

モロッコ水晶の謎 (講談社文庫 あ 58-14)モロッコ水晶の謎 (講談社文庫 あ 58-14)
(2008/03/14)
有栖川 有栖

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『双頭の悪魔』 有栖川有栖 

マリアの不在からお話スタート、確かにショックだったろうなと思います。ちゅうか殺人事件が身内からおきたことを気にしないで生きているような生身っぽくない人たちじゃなくて良かった。
何度でも言いますが大好きー

『孤島パズル』 有栖川有栖 

学生編三部作は有栖川先生の金字塔と言ってもいいと思う。大好き。

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