スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『赤い月、廃駅の上に』 有栖川有栖 

「幽」に掲載された作品を中心とした短編集。
がっちりホラーというよりも、不思議な話や軽めの怪談話という感じです。
『作家小説』がパンチの効いた「怖い話短編集」ならば、こちらはもう少しマイルド。
全ての作品に共通しているのは、モチーフや舞台が鉄道関係であることです。
鉄道もホラーも守備範囲な、有栖川先生らしい取り合わせだと思いました。
赤一色に車両という表紙が印象的、またお気に入りです。
しかし、「月」と「有栖川有栖」が並ぶとどうしても「わらう月」を思い出してしまいます(笑)
以下、作品ごとに雑感です。

「夢の国行き列車」
今なら私も乗ってしまいそう、そして帰ってこられなそうな列車です。
名古屋万博に行ったときのことを思い出し、『20世紀少年』で培われた大阪万博のイメージを思い出しつつ読みました。

「密林の奥へ」
この密林は有栖川式「パノラマ島」かな、などと。
濃い緑、鮮やかな花々や奇異な南の生き物がばっと頭に浮かぶようでした。

「テツの百物語」
鉄っちゃんが4人集まって、鉄道にまつわる百物語を始めたのだが――
正統派百物語モノ?

「貴婦人にハンカチを」
実はタイトルから、貴婦人の精(九十九神的な)が出てくるのかなーなんて予想をしておりました…(笑)既読の方は笑ってやって下さい(笑)

「黒い車掌」
状況的に何もなさそうなのに、「どう死ぬか」がミソという意味で、若干ミステリテイストでしょうか。

「海原にて」
めちゃめちゃ海なので、これだけ鉄道は関係ないんだろうか? と思ったら、どうしてどうしてとんでもなかったですね!
ラストシーンで描かれる失われてしまった誇りが、なんだかちょっと泣けました。

「シグナルの宵」
推理作家が登場することもあり、これも若干ミステリテイスト……というか、ミステリの様式に則った怪談話だと思います。
推理小説の定番展開が、上手いこと話の流れを怖いほうへ繋げて行きます。
舞台となるバーの雰囲気が素敵です。常連になりたい(笑)

「最果ての鉄橋」
車掌さんが好きです。社長さんもいいキャラでした。

「赤い月、廃駅の上に」
鉄道忌避伝説についてざっと説明があるのですが、これが面白い。調べてみたくなりました。
冒頭の情報が最後まで活きているのが良かったです。
夢枕獏の陰陽師シリーズに出てくる百鬼夜行シーンを思い出しました。

「途中下車」
蝶ネクタイの青年が好きです。車掌さんといい、善悪も意図もスタンスも曖昧な彼岸と此岸の狭間に立ってるようなキャラクターが好みなのか?
「アタシャール」という発想が面白かったです。

赤い月、廃駅の上に (幽BOOKS)赤い月、廃駅の上に (幽BOOKS)
(2009/02/04)
有栖川有栖

商品詳細を見る
スポンサーサイト

Comments

Comment Post















管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

Trackback URL
http://dankeschon4310.blog16.fc2.com/tb.php/734-d36f77b1

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。