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『妃は船を沈める』 有栖川有栖 

あらすじは書きますがネタバレ・犯人バレはありません。
有栖川御大久々の作家編新刊です。
「猿の左手」「幕間」「残酷な揺り籠」の3部立て。
どちらも丁寧に伏線を回収・推理のわき道を潰し、論理的な推理構成がされています。
スケールが大きい話ではありませんが、一手一手詰めていく感じにたまらなく興奮しました。

「猿の左手」
借金を抱えたある男が、車に乗ったまま海へ墜落して死んだ。男には睡眠薬を飲んでいた形跡がある。3人の容疑者にはアリバイ・動機・手段のどれかが欠けており、共謀したとしても犯行は不可能だと思われた。自ら車を運転して飛び込んだ自殺か、別の人間が運転しての他殺か、それとも……?
名短編「猿の手」の解釈議論が火村と有栖川の間で交わされるのですが、議論そのもの面白さもさることながら、それが推理の本筋に結びついていく流れが良かったと思います。
アシモフのSFミステリ同様、これも普通ではない状況設定を綺麗に論理の中に組み込んだ好例ではないでしょうか。
フラッシュバックの描写がどこか幻想的で印象に残りました。

「幕間」
このバー独特の雰囲気が出ていますよね。
作品の短さの割りに歌詞の引用が多いのが若干気になりましたが、曰く形容しがたい後味が残る一編でした。悲哀というのか、郷愁というのか。

「残酷な揺り籠」
西日本を中心に大きな地震が発生する。殺人はその前後に起こった。閉じられた犯行現場の鍵は日本でたった3つしか存在しない。あさっての方向にある銃痕、割れた窓、不透明な動機と策謀の香り。被害者は何故殺されなければならなかったのか? 大阪府警にニューフェイスも登場です。
謎の解明の鍵となるのは、ほんの小さなことです。
そこから論理のピースが美しく隙の無い形に埋め込まれていく過程は、まさに初期のクイーンを思わせる「本格推理小説」。
大満足です。ありがとうございました……!

妃は船を沈める妃は船を沈める
(2008/07/18)
有栖川有栖

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Comments

FLIPさんへ

またも遅くなってしまって申し訳ありません!;
リンクのほう、こちらからも貼らせて頂きました(^^)
これからご挨拶にも伺いますね!
諸事情あって更新ペースがゆっくりになってしまうと思うのですが、やめてしまうつもりはありませんのでのんびりお付き合い頂けましたら幸いです。

有栖欠乏症、解る気がします!(笑)
あの方ほどクオリティの高い本格推理小説はなかなか無いですし、そもそもあの方の書く人物や世界にハマってしまうと、全て読み終わった後は飢えますよね…!(笑)
しかし今年は御大曰く「月刊有栖川」だそうなので、むしろ買うほうが追いつかないかもしれませんよ~!(笑)

読書メーター、お気に入り登録をさせていただきましたv面白いツールですよね。
どんな本が増えていくのか楽しみにしております!

司書!!
すごいですねぇ!

それにしても『妃は船を沈める』やはりよいですか!?
わたしは国内本格ものに有栖川先生から入って、一気読みしてしまった結果、アリス欠乏症に悩んでしまった経験があるため、あ・え・てもぉ少しガマンしているのですがw
ちくしょ~。
よみたい!
……でも、ここはノンシリーズの「壁抜け男」から^^;

それと、読書メーターもRioさんの影響で始めましたところ、チェックいただいたようでありがとうございます~。いいもの教えていただきました。

ちなみにリンクは、もう、絶賛大歓迎でございます^^
なんだかできたてサイトでかえって申し訳ないくらいです。
何はともあれ、またの更新を楽しみにしておりますよ~

返信が遅くなってしまってすみません!;

活字愛高じて司書資格を取りに出かけておりました(笑)
拍手とコメントありがとうございました!
『妃は船を沈める』、ロジカルな本格好きにはたまらない1冊だと思いますよ!
今年の「この本格ミステリがすごい!」でどのあたりに食い込んでくれるか、今から楽しみです。
FLIPさんも、じっくり楽しんで下さいませ(^^)
書評を楽しみにしております。

拙ブログにリンクもありがとうございます…!うわあ嬉しいです!
近日中にこちらからも貼らせて頂いて宜しいでしょうか?
ブログのリンク機能からでは説明文などがつけられないのが残念なのですが…。
作業をしたらまたご挨拶に伺いますね。
末永くよろしくお願い致します*

こんにちは! Mixiより

Mixiよりやって参りました。
「読書サイト持ってます」コミュがらみで、以前あしあといただいたFLIPと申します。

う~ん。
ホントに充実したサイトですね~。
勝手にリンク貼らせていただきました!

わたしも有栖川先生の大ファンですので、こちらは先生関連のコンテンツも豊富でよだれが出ます。
ただ、この本については、目下ガマン中ですw
書評サイトを立ち上げたところなので、コンテンツ作成のため、今までの推理小説を再読しておりますので……というのは建前で、ホントはお楽しみをちょっとでもあとにとっておこうというだけです。

それではまた更新されるのを楽しみにしております^^

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