『マラケシュ心中』 中山可穂
肉欲の恋を賛美する退廃的な歌人が恩師の妻に懸想する。妻も歌人に強く惹かれ、ふたりはひょんなことからサハラを目指すことになり……と書くとそこそこありふれた恋愛小説のようなのですが実際に本文を読めばそんな生易しいものではないということが判って頂けると思います。
読後に長いため息を吐いてしまうような小説でした。内訳は、疲労と、一途さへの感嘆と、慶び。
「良い小説」と断言するには若干の躊躇いがあるのですが、パワーのある小説だということは確かだと思います。熱に浮かされたような浮遊感とともに、読書をひと息に駆け抜けさせる引力がある。誰かに夢中になっているときの躁鬱、ものすごい体力使う感じを、作中人物と一緒に体感させられる。
好きか嫌いかと聞かれたら、私は好きです。
前半の小川さんと緒川さんの恋愛観にあーあるあると思ってしまう私も重たい女のひとり。
友達からの推薦本でした。
本読みさんからのお勧めは外れながないから素晴らしい。
![]() | マラケシュ心中 (講談社文庫) (2005/05) 中山 可穂 商品詳細を見る |
- [2008/03/20 23:30]
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