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『ファービアン あるモラリストの物語』 E・ケストナー 小松太郎訳 

巻末にケストナーによる論評と、発表当時に削除された章の訳(丘沢静也先生訳)と解説つき。
主人公のファービアンが、ナチス台頭を控えたベルリンで翻弄される長編小説。
当時のベルリンの狂いがユーモラスに、揶揄的に、悲劇的に、描き出されています。
ケストナーが表そうとした(と思われる)そのテーマは見事に伝わってくるのですが、それがために「モラリスト」たるファービアンが幸福になれない皮肉が切なかったです。ちょっと漱石の「猫」っぽいでしょうか。
時代の流れというものの恐ろしさについて考えさせられました。

ファービアン―あるモラリストの物語 (1973年) / 小松 太郎

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