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『虞美人草』 夏目漱石 

盛者必衰と言いましょうか、奢るものは必ず報いを受けると言いましょうか。とどのつまりは「藤尾を殺す」ために書かれた長編小説。
登場人物の関係が全て説明されて、彼らがゆっくりと動いている間は淡々と読みました。
相関と動きは面白いのです。でもところどころに入る冗長な地の文が、個人的に興味がある内容だったり無い内容だったりムラがあったためにのめりこむことが出来ずにいたのです。
でも後半が! 流石というか物凄い。
甲野兄が実は母親の意図を全て承知して動いていた、ということが分かる辺りからの展開の速さ、上手さ、面白さに舌を巻きました。
勧善懲悪めいていたり憤死というビックリな事件が起きたりと、リアルさなどを考えたらツッコミどころはあるのかもしれません。でも私は後半の登場人物たちの「真面目」さ、正直さが好きです。
一途な糸子ちゃんの心持ちと、そんな糸子ちゃんのことを兄宗近が甲野兄へ語る台詞が愛しくてちょっとほろりと来ました。
糸子ちゃん、小夜子ちゃんには幸せになっていただきたいです。

また、前半で小野さんについて語る部分で子規が否定されている箇所があり驚いたのですが、後半その小野さんは否定されることになりました。
「子規を否定した小野さんを否定する」形で、漱石は子規を肯定したのでしょうかー…妄想。
虞美人草 / 夏目 漱石

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