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『伯林―一八八八年』 海渡英祐 

題の通り1888年のベルリンを舞台にしたミステリで、江戸川乱歩賞受賞作。
『舞姫』(森鴎外)を読んでいると二倍三倍楽しいです。
なぜなら主人公が森林太郎こと森鴎外なのですね。舞姫における豊太郎です。エリスも出てきます。(笑)
舞姫からのイメージが強すぎて、エリスに熱烈恋! な豊太郎と林太郎とのギャップに少し戸惑いました。
でも、アンタホントに彼女のこと愛してるんですか! と思わずツッコミたくなる恋愛への姿勢は同じでした(爆)おいおい林太郎……みたいな。(笑)
この頃のドイツには日本人もたかたか留学しているので、知ってる人が脇を固めているのも楽しい。
北里柴三郎、西園寺公望(キュン!)、福島安正さんあたりが既知でした。あと出てこないけど青木(周蔵)と品川(ヤジさん)の林太郎による品評があって笑った。あっはっは。青木→品川→西園寺(全員駐独公使)だんだん品がよくなって来てるってさ!(何気にきついな)
そんな日本官僚はともかく、ドイツ官僚は案の定どこまでホンモノかわからんでした(笑)
この本に出てくる血縁関係とか秘書官とかどこまで合ってるんだろう。
もーー少しビスマルク(とその周り)の出てくる小説か伝記を読みたいなー;
でもカッコよかったですビスマルク。やっぱりアンタ好みっぽいよ!(笑)
既に七十代の彼が登場してあの活躍ぶり。ドイツの人が読んだら怒るような気がしてちょっとハラハラ。
でも同じことを多分日本は明治維新の元勲たちなら誰がやってもおかしくない…!
明治維新の元勲ズと生い立ちというか生き方の流れが似てるんですよね。ちょうどドイツの騒乱期にいたからなのでしょうが。
若い頃はヤンチャ(というかおイタ。攻め上ったり決闘したり激しいな!)もしたけど長じては老獪な政治家ってところが素敵です。
つーか坂の上の雲にいたモルトケさんってビスマルクと一緒に鉄血政策した人やったんか…!そりゃあヒーローだわな。納得。

ミステリとしての出来も決して悪くないです。
シャーロックやクリスティを髣髴とさせるレトロな空気に妙なデジャヴー(笑)
人から手がかりを引き出すやり方が凄くその辺の古典の海外ミステリを思わせます。好きですv
しかもその謎と謎を解く鍵を経て、『林太郎』が『森鴎外』へと成長していく様が鮮やか。
著者が鴎外という人を語った最後の数行がガツンときました。

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