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『【講座】現代キリスト教倫理1 生と死』 神田健次編 

『生命倫理とキリスト教』という授業で紹介された参考書。…のため、感想+意見になります。益々レビューとか遠いなオイ!(…)
一応賞味期限のある理系本かと思うので(技術は日進月歩だからこの本にある『最新』が既に過去になってる可能性がある)発行年は1999年7月25日と示させて頂きます。
タイトルの通り、複数のキリスト者(この、『キリスト教徒』とかじゃない言い方が面白いと思う)さんがキリスト教的な視点から、現代の科学的進歩で人間の生命に関していろいろ出来るようになっちゃったけどそれって倫理的にいいの? という話をなさっています。
とはいうものの、キリスト教の、以下に書きますテーマについての関わり方を全面的に肯定しているわけではありません。歴史と現状を踏まえた批判がなされているのが好感でした。宗教色が強すぎることもなかったと思います。
むしろキリスト教の教義に基づいた諸問題の捉え方と、これからの取り組み方に対する提案が新鮮でした。
また、扱われているテーマも生命倫理に関する主だった問題を詰め込んだ感じで、浅く広いのが生命倫理への入門書としてお役立ちです。
各テーマ『概説』→『キリスト教的視点』という流れだったので、ここから興味のある分野により深く入って行けそうです。
ただ分野が分野だけに欧米偏重の色は強かったです。日本のこれらに対する取り組みが遅れているのは本当ですからこの本は別にこのままでいいと思うのですが、欧米医師こそ最高だという考え方が植えつけられかねないかと。
他の本などで、日本医師の美点or欧米医師の欠点も知っておきたいです。国民性の問題もあるし。

さて扱っているテーマ。長くなりますので『追記』に分けます~。

1.人工授精・体外受精

2.人工妊娠中絶
中期の妊娠(13週~くらい?)の中絶は薬によって陣痛を起こして分娩させる=小型の出産であるということに驚きました。
産むんだ…。
あと既婚女性の5人に1人、未婚女性の1割近くが中絶を経験しているというデータにも驚きました。多くないか。

3.クローン人間
今のところ確か記憶の複製は不可能ですから(これはこの本に書いてあることではありません)、DNAが同じでも育ち方や性格は異なることになるんでしょうからほとんど他人みたいなものかな、と私は思っております。
日々の過ごし方が違ったら体型も変わるだろうし。体型違うと顔から変わりませんか(何)
でもクローン人間にも自我がある限り、
①差別されることがほぼ不可避
②臓器などを取り出すためだけに量産される可能性
③「死んでも同じDNAを持つ人間(動物)が作れる」ことが生命の軽視に繋がりかねない
等々の問題点が解決されない限り、生まれてくるクローンの幸せは望みにくいのではないか。それは人権の侵害には当たらないのか。と思います。
ただ臓器移植のドナー不足を考えるとき、人間をまるごとクローニングして臓器を取り出すのではなく、「臓器のみ」をクローニングする技術が生まれることを一概に否定することは出来んです。

4.安楽死と尊厳死
オランダは安楽死を『殺人罪にあたるとしながら、厳格な規制を守っている場合は刑事罰を免れる』としただけで全面許可しちゃったわけではないんだそうですよ。
ついでに『幻想運河』(有栖川有栖)によるとオランダでは依存度の高くない麻薬は合法なんだそうです。禁止してこそこそ輸入されてこそこそ乱用されたりするより、合法にすることで、お互いよい知識を教えあって上手な付き合い方をしていこうということらしいです。
つまり日本なら若い人が良くわかんないでばかばか使っちゃって中毒になっている麻薬を、オランダでは親が子供に美味しくて体に残らない使い方をしっかり指導しちゃうということですな。
コレは国民性や国体の違いだと思う。凄いなぁ。同姓婚オッケーなのもオランダだもんなぁ。

5.ホスピス運動
>「死に場所」というイメージで捉えている人が多いが、決して死ぬことだけに焦点を当てているわけではなく、むしろ死を間近にした人が、今生きていることの大切さに目をむけ、最後まで自分らしく生きることを支えていくものである
(以上引用)
私はまさに「死に場所」だと考えていたので、想像していたより前向きな印象を持ちました。

6.エイズ
キリスト教の影響が悪いほうに出た例。個人的には特にカトリック。
①同性愛を罪とする教派があることもあって、
「罪(同性愛)の結果病気になったのだ」
「同性愛行為、性の道徳の乱れに対する神からの裁きなのだ」等のメッセージを発してきた→当事者や家族に物凄い精神的圧迫(罪悪感)を与えた。
だからエイズだというと性生活が乱れていたんじゃーとか男性なら同性愛者なんじゃーと勘繰られるってんで言いにくい空気が形成されちゃった。
②コンドーム着用を否定する(カトリックは性交=子供作り=神聖なものだと謡ってるから。避妊薬とかも確か駄目)→感染の拡大
特に第三世界のほうは、ヴァチカンが一言これらを認めてくれたらどれだけエイズの感染拡大が抑えられるか解らんのに一向にそんな様子も無いので頭が痛いようです。
新教皇は保守派だからその辺は変わらないだろうってんで、第三世界の偉い人(曖昧だなオイ)が落胆表明されてたですねそういえば。

7.自殺

8.死刑制度
私は死刑制度の廃止は必要ないと思ってた人間なのですが、ここ読んで廃止論に転びました。
凶悪犯罪の犯人には社会に復帰して欲しくないです正直。死刑になってもしょうがないと思うことだってあります。
でも廃止論に転んだのは犯罪者に同情したからではなくて、犯罪者を殺す判決を下す裁判官や、その判決を覆し切れなかった弁護士や、実際に首に縄をかける人や、床を抜けさせる(と、ぶら下がる。日本は’99時点で死刑は絞首刑のみ)人がどんだけ辛いのかということを知ったからです。極悪人であっても自分の手が人を殺したという呵責を背負って生きていかないといけない。
それから、いつでも冤罪の可能性がゼロじゃないということです。
代わりに、この章の著者さんも仰ってますが、「終身刑」があればいいと思います。
無期懲役とどう違うかというと、無期懲役って一生刑務所に入っているわけじゃないんですよね。
刑法の規定上は10年、実際には大体20年以下で社会に復帰してきてしまうんだそうです。だから死刑判決が多くなる傾向もあったんだそうで。(死刑にするほどじゃないかもしれないけど10~20年で出てこられては絶対に困るという場合?)
「終身刑」は一生出てこられない罰としてここでは規定されてました。
それなら他人の手を煩わさないといけない死刑をやめて終身刑を採用すればいいと私は思います。

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