スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『虎と月』 柳広司 

虎になってしまった男、李徴の息子は、ある日「いつか自分も虎になってしまうのでは?」という不安を抱き始める。
その不安を解消すべく、少年は父がどうして虎になってしまったのかを知るための旅に出る――
中島敦『山月記』の後日譚であり、新解釈に挑んだミステリです。
李徴が「何故」「どうやって」虎になったか、という謎に対して、原作の流れを大切にしつつ新しい角度から光を当ててくれています。
原作を嘘にしてしまうのではなく、原作を受けてがらっと違う「解釈」をするスタンスに愛を感じました。
そのほうがイチから後日譚を創作するよりも難易度が高いとも思います。
ほんの少し見方を変えたとたん、ばっと新しい絵が見えてきたときには興奮しました。なるほどそういう取り方もありかああと手を打って(笑)
伏線の引き方とその回収の仕方が丁寧で、あの情報がここで活きるのか! という驚きもあります。
ミステリの楽しみってこれだよなぁ……!
中国の歴史や漢詩文、故事が縦横無尽に織り込まれているので、お好きな方にはそれも楽しいのではないでしょうか。
私はその辺りあまり詳しくないのですが、平易な筆致で読みやすく、知らなくても充分に楽しめました。

虎と月 (ミステリーYA!)虎と月 (ミステリーYA!)
(2009/02/03)
柳 広司

商品詳細を見る

スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。