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『鋼鉄都市』 アイザック・アシモフ 福島正実 

現代からはるか未来の地球。人口過密の都市で、地球人はひしめき合うように暮らしている。
一方、地球を飛び出して他の惑星に移民した者たちの子孫は、既に自らを地球人とは考えていない。スペーサー(宇宙人)として地球とは対照的な繁栄をしていた。
そんなスペーサーの一人が、スペーサー用の地球滞在施設の中で殺される。
内外どちらの人間にも犯行の機会があったとは思えず、しかし他殺は間違いない。
スペーサーからの圧力を受け、ニューヨーク市警の私服刑事イライジャ・ベイリは調査を命じられる。
相棒に付けられたのは、スペーサーの作ったヒューマンフォームロボット、R・ダニール・オリヴォー。
不可能犯罪の真実とは? スペーサーたちの思惑とは?
SFミステリの傑作、ダニール&イライジャものの記念すべき1冊目。

冒頭だけでもう舞台設定の面白さにぐいぐい引っ張られ、どこからかイライジャ&ダニールコンビが好きになってゆき、半分来たころにはすっかり続きも借りてくるぞっと心に決めておりました(笑)名シリーズの最高に楽しい皮切りです。
たくさんのロボット、地球人、宇宙人。SF的世界設定だからこそ組み上げることのできるロジックに興奮しました…!
また、この世界設定の綿密さも凄いです。
シリーズを追いかけながら常に感じていたのですが、それぞれの星の文化や歴史、そこから出来上がる人格の形成、それゆえに起こる異文化への反応まで、心配りが行き届いています。
アシモフ先生の懐の深さを見た思いです。
鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)

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『行ってみたいな、童話(よそ)の国』 長野まゆみ 

「ハーメルンの笛吹き」「ピノキオ」「にんじん」、3つの古典を下敷きにした短編小説集。
具体的な言葉で描写されるわけではないのですが、性や排泄に関わる描写が多く、読んでいて目を逸らしたくなるような痛さがあります。
官能的というより、性的な部分も含めて人間の残酷さや汚さが全面に出ているように感じました。
気持ち悪かったり痛かったり汚かったりを淡々とあの筆致で書いている。
長野さん=硬質で美しい世界観、というイメージが強かったので意外でした。

行ってみたいな、童話(よそ)の国 (河出文庫)行ってみたいな、童話(よそ)の国 (河出文庫)
(1997/08)
長野 まゆみ

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祝レツゴ劇場版DVD化!! 

爆走兄弟レッツ&ゴー!!の劇場版DVD化がついに決定しました…!
本編のDVD化からしばらく沈黙が続いていたので不安もあったのですが、待っていて良かったです…!(;;)
約1時間ほどのボリュームとは思えない見事なシナリオ、美しい画、BGM、声…とにかくこの劇場版は全てにおいてクオリティ高しの神映画。始まって数分で泣き出して最後には号泣していたこともあります(それはお前落ち着け)
座談会やブックレットなどの特典もあるとのこと。体が震えました…!!
9月を心待ちにしています。
ありがとう神様!!!

劇場版 爆走兄弟レッツ&ゴー!! WGP 暴走ミニ四駆大追跡! (完全生産限定版)劇場版 爆走兄弟レッツ&ゴー!! WGP 暴走ミニ四駆大追跡! (完全生産限定版)
(2008/09/24)
渕崎ゆり子池澤春菜

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『壁抜け男の謎』 有栖川有栖 

ノン・シリーズの短編集。
「本格ミステリ」を期待して読まないことがポイントだと思います。
この一冊で推理ものから幻想小説、官能小説まで幅広いジャンルをカバーされているからです。
新しい有栖川先生の一面を見た思いです。新鮮に楽しむことが出来ました。
以下は一編ずつ感想です。

「ガラスの檻の殺人」
密室状況の現場の中で、犯人はどこへ凶器を隠したのか? シンプルかつ論理的な回答に、ひざを打ちました。

「壁抜け男の謎」
殺人なしの推理もの。「読者への挑戦」が嬉しくて嬉しくて頑張って考えたのですがあえなく敗退(笑)いい線までは行ったのですが…(笑)

「下り『あさかぜ』」
鮎川先生の『王を探せ』のネタバレがあるということで、未読です。鮎川先生の作品を拝見してから改めて読もうと思います。

「キンダイチ先生の推理」
横溝正史に関する記述から、横溝先生に親近感が湧きました。「被害者がとった謎の行動」と「犯人の指摘」が論理的で好きです。

「彼方にて」
幻想的、蠱惑的。『中井英夫に捧げるオマージュ』から。モノクロームの中の一点の赤、というイメージが鮮やかに焼き付きました。また、クイーンの戦争批判を思い出しました。

「ミタテサツジン」
推理もの、と言っていいのか若干迷った一編。謎の提起と解決の間が短いうえ「推理」の要素が作中にあまり無いように思えたので。もう少し謎と絵解きを楽しみたかったです。

「天国と地獄」
ごくごく短い紙幅で綺麗に纏まっていたと思います。冗長にならずすぱっと。

「ざっくらばん」
これも必要充分なエピソードと表現で無駄なく纏まっていたと思います。

「屈辱のかたち」
ホワイダニットが面白かったです。おなかの辺りがすっと冷えるような不気味な幕切れ。

「猛虎館の殺人」
阪神歴代の優勝監督の名前を背負った登場人物たちが、黒黄の縞模様でそめられた館での惨劇に挑む。不気味な謎と伏線、それに対する論理的な解決、楽しませていただきました!

「Cの妄想」
メタ小説。こういうことを想像しだすと止まらなくなりそう。

「迷宮書房」
メタ小説。店名のネーミングセンスがお見事! 『注文の多い料理店』を読んでいると、くるぞくるぞと思いつつわくわく楽しめると思います。

「怪物画趣味」
ミステリと思いきや、ファンタジーかSFの世界。「怪物画」が不気味で、否定されてもどうしてもメタファーであるように思えてしまいます。

「ジージーとの日々」
ロボットもの。ミステリめいた部分のあるSFでしょうか。じんわりと胸に来ました。

「震度四の秘密」
ひとつの物語をA面とB面から描く企画のもの。この作品の場合、A面が問題編、B面が回答編であるように感じました。

「恋人」
官能小説。有栖川先生はこういうジャンルも書けるのだなあと一番驚いたのがこの作品。性交の描写はほとんど無いのにエロティックな雰囲気が濃密。特定のモチーフから情欲を醸せる腕に憧れます。

壁抜け男の謎壁抜け男の謎
(2008/05/01)
有栖川 有栖

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『よろづ春夏冬中』  長野まゆみ 

青少年同士のなれそめが主の短編集です。 幻想小説めいたものもあれば、普通の舞台設定の作品もあります。
長野さんがよく書く「妖し気な色気のある永遠の少年たち」に比べて、『よろづ~』は妖しいよりも生々しい、等身大に近い青少年たちが書かれいました。
凛一シリーズに近い感じでしょうか。
私はどうやらそちらのほうが好みらしいです。
硬質で透明で丁寧な言葉で、セックスではなく精神的に繋がっていく過程を主眼に書かれているあたりも肌に合いました。
エロスは全て朝チュンです(笑)
でも欲情してるかんじが行間からやたら上手く伝わってくる。
お気に入りです。

よろづ春夏冬中よろづ春夏冬中
(2004/10/09)
長野 まゆみ

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『悪の起源』 エラリイ・クイーン 青田勝訳 

その犬が父親を殺した――小説の執筆のためハリウッドへ来ていたエラリイのもとへ、謎の贈り物に伴う殺人事件が舞い込んできた。
次々と届けられる悪意あるメッセージは何を意味するのか。宝石商はなぜ殺されなければならなかったのか、そしてその共同経営者はなぜ狙われているのか? クイーン二十五作目の長編小説。

読み終えてみて、『ダ・ヴィンチ・コード』を思い出しました。
即ち、知っていれば解ける、知らないほうが楽しめる。
キリスト教を専門にしている友人は『ダ・ヴィンチ~』を読んで、「知っていることばかりで驚かなかった」と言っていました。
同じように、『悪の起源』も、その方面に詳しい人ならばピンと来てしまう作品なのではないでしょうか。
幸いにと言って良いのか寡聞にしてと言うべきなのか、私は博物学(生物学、自然科学?)には明るくありません。
お陰で犯人が送ってくるメッセージや、クイーンが引っ張った伏線について、「ああそういう意味だったのか」とひとつひとつ驚くことができました。
前~中半にかけて引かれた伏線がするすると回収されていくことが気持ちよかったです。
そして後半、淡々としかし怒涛のどんでん返し。まだやるか、まだやるか!? という感じ(笑)
鮮やかな幕切れが、悔しいけど格好いい…!

また、これ京極夏彦さんの某作品の原型ではないかなと思ったのですがどうなのでしょう…クイーンより前があるのでしょうか。
他の京極先生の作中の仕掛けでも、クイーンの名中篇の応用かなと感じたことがありました。
批判等ではなく(京極先生の作品はどれもとても好きですし既存トリックの応用やアレンジはパクリレベルまで行かなければ個人的にはアリです)、京極先生にとってエラリイ・クイーンという作家はどういう存在なのかなーということに興味が湧きました。
ぜんぜん関係ない可能性のほうが高そうですが…!(笑)

悪の起源 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-9)

『御手洗潔のダンス』 島田荘司 

御手洗シリーズ2冊目の短編集。空飛ぶ夫婦、神からの鉄槌としか思えない不可能殺人、夜な夜な狂ったように踊りだす老人の謎、そして御手洗・石岡コンビの近状について。
盛りだくさんの収録作品は以下。
山高帽のイカロス
ある騎士の物語
舞踏病
近況報告

久し振りに御手洗ものを読んだのですが、なんだか自分の原点に帰ってきたような楽しさを感じながら読みました。
名探偵がいて、助手がいて、現実では絶対に起こり得ない美しい幻のような極上の謎があり、それが最後には様々な伏線を回収しつつ解決をみる。
推理小説の基本的な、けれども最近あまり読めなくなってしまった形の作品が読めて幸せです。
やっぱりこういうシャーロック・ホームズ型のミステリが一番好きですv
4編の中で一番すごいと思ったのは「舞踏病」でした。
塔と絡めた幻想的な一人称、魅惑的な謎、加えて日本の医療体制への批判。
「謎」と「近代科学」がミステリの大きな要素だとするのなら、そのバランスが絶妙でした。
この日本の体制への批判、というのは作品全体に見られましたが、作品自体は20年近く前の発表ながら現代にも通じる内容であると思いました。

御手洗潔のダンス (講談社文庫)御手洗潔のダンス (講談社文庫)
(1993/07)
島田 荘司

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『塔上の奇術師』 江戸川乱歩 

町の一角寂しい場所に建っている古びた洋風時計屋敷、その天辺に怪しい影が。少女探偵たちが目撃したそれは、二本の角を生やし、黒いマントを羽織った不気味な蝙蝠男で――
少年探偵団もの、ポプラ社さんの新装版20巻。
蝙蝠男、道化師、謎のお化け、と次々不気味な化け物が時計屋敷を徘徊する様子は、なかなか怖いです。
ネタのひとつひとつは見たことのあるものですが(笑)組み合わせ方が面白く、また「二十面相が何度も目的の家に出没していたのは何故か」という前半の伏線がきちんと回収されていた点が良かったと思います。
あと小林少年、マユミさん、チンピラ別働隊ほか明智ファミリーオールスターという感じで壮観でした…!(笑)
名前のある登場人物がいつの間にかこんなに増えていたのですね。

塔上の奇術師 (少年探偵・江戸川乱歩)塔上の奇術師 (少年探偵・江戸川乱歩)
(1999/02)
江戸川 乱歩

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拍手返信 

「続きを読む」から拍手返信です!ありがとうございましたv


今の読み物は『明治の政治家たち 下巻―原敬につらなる人々』 服部之總
最初の奥様である貞子さんの、実父・中井弘さんが予想外の面白さを発揮しています。
器が大きいのか感覚がズレているのか。奇人、とまで言われてしまっていますが確かにそんな感じ。
楽しんで読んで来ます。

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