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 2006年10月 

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『おじさんのかさ』 佐野 洋子文・絵 

おじさんは新しく買った傘が大の自慢。もったいなくて雨が降っても使わないでいたのですが……
教科書などにも載っています。雨の日は思い出してしまう、雨の日が楽しくなる絵本。
青が主線だったり、画面の中に黒が結構使われていることで、背景は白なのに雨の雰囲気がよく出ていると思いました。
雨と傘と戯れるおじさんがとても楽しそうです。

おじさんのかさ おじさんのかさ
佐野 洋子 (1992/05)
講談社

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『ラチとらいおん』 マレーク・ベロニカ文・絵 とくなが やすもと訳 

挿絵が有名でしょうか。文具とかにもなってますね。
弱虫の少年・ラチが、らいおんと出会って変わってゆくお話。
弱虫を克服するお話は人気があるのだそうです。
緑・黄色・オレンジに背景の白が効いたシンプルな挿絵。
ちっちゃくて強いらいおんが、体操をしたりそのパワーを示してみたり(笑)ラチとじゃれる姿がコミカルでとっても可愛いです。グッズが出るのも頷ける!
ラストは切なくてちょっと泣きそうになりました…! ら、らいおんくんー!

ラチとらいおん ラチとらいおん
マレーク・ベロニカ、とくなが やすもと 他 (1965/07)
福音館書店

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『フレデリック―ちょっとかわったねずみのはなし』 レオ・レオニ文・絵 谷川俊太郎訳 

著者のレオ・レオニはオランダ人で、イタリアでデザイナーとしても成功した方だそう。
紙を切り貼りしてコラージュの手法で挿絵を描いて(?)いらっしゃいます。ネズミさん可愛いですが、ナスとのあいのこのよう(死)まるっとしています(笑)
谷川さんの訳がまた素敵ですよー。
谷川さんらしい詩的端的な言葉遣いで、朗読する声が聞こえてきそうです。
ストーリーはちょっと哲学的。込められているのは、食べ物などの生存必需品だけでなく芸術も人生には不可欠、というメッセージでしょうか。
小さい子が読んだらそういう取り方はしないでしょうし、大人になって読んだらはっと気付かされもする一冊だと想います。

フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし
レオ・レオニ (1969/01)
好学社

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『しろいうさぎとくろいうさぎ』 ガース・ウイリアムズ絵・文 まつおかきょうこ訳 

ウィリアムズの絵本代表作。
原題は「Rabbit's Wedding」だそうですが、日本語の方があらすじわからなくていいよねーとは先生のお言葉。
柔らかくて独特の挿絵で、リアルなうさぎさんですがまるっとしていて可愛らしいです。
表情豊かですごく活き活きしているのですよ~。
仲良く戯れるうささん良いですネーv

蛇足ながら私の大好きな作家さんがシュミハでパロディを描かれていらしたので益々愛しい一冊だったり。

しろいうさぎとくろいうさぎ しろいうさぎとくろいうさぎ
ガース・ウイリアムズ、まつおか きょうこ 他 (1965/06)
福音館書店

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『グラスホッパー』 伊坂幸太郎 

裏社会に足を突っ込んだ男たちの話。
サスペンスでありスピリチュアルな小説でもあるのでしょうか。私にはどのように評価してよいのかわからないお話でした。
この終わりやつくりは、上手いと言うべきなのかぐだぐだだと取るべきなのか決めかねるのです。こういうお話に慣れていないので(笑)
非現実的が過ぎると言う人は言うでしょうし、深みがあると言う人は言うでしょう。
個人的に好きか嫌いかといわれれば、好きです。
伊坂作品らしい登場人物たちを追っかけていくのは楽しかったです。
ラストにはそこはかとない不安を覚え、そのぐらりとする感じも面白いなあと思いました。

グラスホッパー グラスホッパー
伊坂 幸太郎 (2004/07/31)
角川書店

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『砂漠』 伊坂幸太郎 

大学生の日常と成長を描く連作中篇集。
個性的な登場人物たちの浮き沈みが過不足ないエピソードで描かれています。
単に青春小説家と思いきや、伊坂さんらしい仕掛けも用意してあって、内容も構造も楽しめました。
淡々とした「俯瞰型」の語りっぷりがユーモラスで可愛かったです。
いきいきとした大学生活は「あるある」とうなずけるネタ満載で、大学生と大学生であったことのある人にはより楽しめるかな、と思います。
一途な思いに打たれてしまう私には、ラストの終わり方が静かながらも強い絆を感じさせてくれてとても好きでした。

砂漠 砂漠
伊坂 幸太郎 (2005/12/10)
実業之日本社

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『秘密。私と私のあいだの十二話』 

(以下「Book」データベースより引用)レコードのA面・B面のように、ひとつのストーリーを2人の別主人公の視点で綴った短編12編。(以上引用)
というように、起こっている出来事は同じなのに目線が違うと話が違う、というショートショート集です。
AとBの考え方の違い・見ているものの違い・生き方の違い。そんな違いが絡まりあって、ひとつの物語が出来上がっていきます。連作短編といってもいいんじゃないでしょうか
本当にごくごく短いお話ばかりで、さらりと読めてしまいます。
人生の皮肉や、考えさせられるもの、切ないお話もありますが、胸が温かくなるような、ほろりと涙が出るような、可愛く優しいお話が一番多かったと思います。全体的に癒し系な感じです。

執筆陣とタイトルは以下のとおり。

ご不在票—OUT‐SIDE / IN‐SIDE (吉田修一)
彼女の彼の特別な日 / 彼の彼女の特別な日(森絵都)
ニラタマA / ニラタマB (佐藤正午)
震度四の秘密—男 / 震度四の秘密—女(有栖川有栖)
電話アーティストの甥 / 電話アーティストの恋人(小川洋子)
別荘地の犬 A‐side / 別荘地の犬 B‐side(篠田節子)
ユキ /ヒロコ (唯川恵)
黒電話—A / 黒電話—B(堀江敏幸)
百合子姫 / 怪奇毒吐き女(北村薫)
ライフ—システムエンジニア編 / ライフ—ミッドフィルダー編(伊坂幸太郎)
お江戸に咲いた灼熱の花 / ダーリンは演技派(三浦しをん)
監視者私 /監視者僕 (阿部和重)

伊坂さんのお話を読む気できたら有栖川先生もいらっしゃり、不意打ちラッキーでしたv
有栖川先生の作品はやっぱりミステリチックで、この方らしいな、と。
短編ミステリにできたかもしれないネタだと思います。


秘密。―私と私のあいだの十二話 秘密。―私と私のあいだの十二話
ダヴィンチ編集部 (2005/03)
メディアファクトリー

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『ファービアン あるモラリストの物語』 E・ケストナー 小松太郎訳 

巻末にケストナーによる論評と、発表当時に削除された章の訳(丘沢静也先生訳)と解説つき。
主人公のファービアンが、ナチス台頭を控えたベルリンで翻弄される長編小説。
当時のベルリンの狂いがユーモラスに、揶揄的に、悲劇的に、描き出されています。
ケストナーが表そうとした(と思われる)そのテーマは見事に伝わってくるのですが、それがために「モラリスト」たるファービアンが幸福になれない皮肉が切なかったです。ちょっと漱石の「猫」っぽいでしょうか。
時代の流れというものの恐ろしさについて考えさせられました。

ファービアン―あるモラリストの物語 (1973年) / 小松 太郎

『飛ぶ教室』 エーリヒ・ケストナー 山口四郎訳 

ケストナーの代表作。たいていこれかエーミールが挙げられる気がします。
日本で言う高校生の少年たちと、彼らを囲む大人たちが繰り広げる優しい青春物語。
辛い時代を苦しく生きてきた人なのに、こんな風にスレてない綺麗な世界を作り出す気持ちの透明さが凄い。
政治風刺やエロティックな世界を描かない人ではないのに、子どものために書くってなると気合が違うというか一気に空気が清廉になる。
すてきなひとです。
ケストナー作品からは大人に対する批判を感じることがままあるのですが、このお話では「正義先生」も「禁煙さん」も子供の心を忘れていない大人として描かれていてすごく素敵でしたー。そして冒頭と終章のケストナー本人も。
少年たちの友情と大人たちの友情とどちらも大好きです。
ジョーニーとマルチン、ウリーとマチアス、禁煙さんと正義先生、ゼバスチャンや美少年のテオや他諸々愉快な仲間たち、みんな可愛いです。
ケストナーが、そして作中の大人たちが、子どもたちをどれだけ大切に思っているかが伝わってくるのも嬉しいです。
こんな人がすべての子供たちの身近にいればいいのにと、夢見ずにはいられません。

飛ぶ教室 飛ぶ教室
桜井 誠、エーリッヒ ケストナー 他 (2003/12)
講談社

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『魔王』 伊坂幸太郎 

中篇二本で構成。兄弟の話であり若者の話であり日本の話?
さらりとかわいい感じのお話を期待して読むと、重たいなあと感じてしまうかもしれません。
日本における若者の政治や国の行き先に対する無関心への警笛…なのかなー。
伊坂さんはよくニーチェの「ツァラツストラはかく語りき」を参考文献に挙げておられるので、もしかして結構熱い方なのかとは考えておりましたー。
でも言うにしてももう少し比喩的に表現するんじゃないかとも思っていたので、このストレートさは意外でした。
兄弟の性格はとても好きです。
でも私にとっては、ちょっと息抜きのノリでは読めない話でした。
政治家の名前が「犬養」かつ「話せばわかる」のエピソードを引いたり、性格も少し沿わせてあるような気がしました。
犬養さんに対する批判としても読めるのかもしれません。

魔王 魔王
伊坂 幸太郎 (2005/10/20)
講談社

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『長編伝奇探偵小説 帝都探偵物語② 闇を呼ぶ人狼』 赤城毅 

帝都探偵物語第二巻。
相変わらず「探偵」と言いつつ冒険小説全開です(笑)
解説がものすごく的を射ていたのですが、つまりこれは「大人のための少年探偵団」なのですね。
少年探偵団シリーズにおける乱歩の稚気を愛する皆様にはお勧めしたいです。
本格推理は期待してはなりません(笑)
ワンパタといわれてしまえばそれまでですが、オチを半ば確信しつつも過程を楽しみました。
またこの赤城さんという方は独文科卒だったり近代史をやっていたりとやたら自分と共通点のある方なのですが、軽妙な文体でラノベなノリかと思いきや、実はご自分の専門を上手く織り込んであるのがわかります。
本来しっかり勉強している人なんだろうなーと思います。
悪役がのし上がるきっかけに山県有朋をヨイショしたことを持ってくるあたり上手いですね!(笑)
山県さん友達少ないから…。ぴったりの人選だと思った。笑。

帝都探偵物語〈2〉 帝都探偵物語〈2〉
赤城 毅 (2003/05/13)
光文社

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『試験に出るパズル 千葉千波の事件日記』 高田崇史 

千葉千波くんシリーズの第一作。短編集。
時期は4~8月で、千波くんと八丁堀の初対面シーンからお話はスタート。
まだ一年の半分であるため、受験生たちはのんびーりとしています(笑)
相変らず世界はパズルのためにある! と言わんばかりの世界観で、とっても楽しかったですv
ロジックによるパズルがお好きな方、数学的パズルがお好きな方には全力投球オススメです。
どうにかこうにか「回答」を読まずにとけた問題がひとつふたつあったのですが、お話を読む面白さもさることながら、彼らを出し抜けた!?という快感もひとしおでした(笑)
「QED」を読んだときは日本語の使い方がときどき引っかかったのですが、こちらはぴぃくんの独特の一人称なのでそれも気にならないのが良いです(笑)
森博嗣さんの解説もぜひご一緒に。鋭くも読みやすくも面白かったです。

試験に出るパズル―千葉千波の事件日記 試験に出るパズル―千葉千波の事件日記
高田 崇史 (2001/09)
講談社

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『NHKCDブックやさしく歌えるドイツ語のうた―歌の翼にドイツ語のせて! 』 田辺秀樹  

日独で有名なドイツ語の名曲を集めたCD+歌詞(独・日)+歌詞の文法的解説+その歌に関するコラム+楽譜、で成り立っている本。
曲のチョイスがとても上手いです。
歌いやすく、耳に残り、良い歌ばかり。
ローレライや菩提樹、歓喜に寄す(いわゆる"第九”)、野ばらなど、マスターできたら絶対かっこいいと思うので(笑)練習中です。
曲はモーツァルトやシューベルト、詩はゲーテやブレヒトなので、音楽が好きな方にも文学が好きな方にも楽しんで頂けるのではと思います。

やさしく歌えるドイツ語のうた―歌の翼にドイツ語のせて! やさしく歌えるドイツ語のうた―歌の翼にドイツ語のせて!
田辺 秀樹 (2006/03)
日本放送出版協会

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『ジョークで学ぶドイツ語~ドイツを楽しむ22のテーマ~』 押野洋  

ドイツ語の定番ジョーク(小話)をテーマ別にずらっと並べてくれた本。
ドイツ語・単語と熟語の解説・日本語訳・コラムとついているのでドイツ語の基本が入っている人にはお勧めです。楽しくドイツ語をたくさん読むことが出来ます。
にやりと笑ってしまうブラックユーモアが多く、飽きません。
しかもこの手のジョークにはその土地の人たちの生活文化がかなり色濃く入ってくるので、ドイツ文化と生活具合も感じられました。
ドイツジョークに関する著者からのお話も興味深かったです。
ジョークを集めたドイツ語のHPは、私もとても伺ってみたいです。

ジョークで学ぶドイツ語―ドイツを楽しむ22のテーマ ジョークで学ぶドイツ語―ドイツを楽しむ22のテーマ
押野 洋 (2004/06)
三修社

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『せきたんやのくまさん』 フィービ&セルビ・ウォージントン文・絵 いしいももこ訳 

せきたんやのくまさんの毎日を静かに、でも楽しく描いた絵本。
起承転結はないけれども、くまさんは可愛らしく、本文にはリズミカルに擬音が挟まっています。
絵と文の絡み方も面白くて好きです。

せきたんやのくまさん せきたんやのくまさん
フィービ ウォージントン、セルビ ウォージントン 他 (1987/05)
福音館書店

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『どろんこハリー』 ジーン・ジオン文 マーガレット・ブロイ・グレアム絵 

犬のハリーはお風呂が嫌い。ある日お風呂に入れられそうになったハリーは、ブラシを隠して外へ逃げ出してしまう。楽しく遊んでいる間にハリーはどろんこになってしまって……というお話。
元気いっぱい、好奇心旺盛なハリーは腕白な子どもたちのようで愛くるしいったらないです。
お風呂は嫌い、だけどやっぱり家族の皆が大好き……なハリーを抱きしめたい!
鉛筆や水彩絵の具の暖かい挿絵もよく合っています。
本文の後で表紙を見ると、上手だなぁと思いますv

どろんこハリー どろんこハリー
ジーン・ジオン、わたなべ しげお 他 (1964/03)
福音館書店

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『わたしのワンピース』 にしまきかやこ文・絵 

「わたし」は空から落ちてきた布でワンピースを作ります。散歩をする間に、どんどん模様が変わって行って……
くるくると鮮やかに模様が変わっていく様子はファッションショーのようで賑やかです。
でも「わたし」=ウサギさんが無表情な挿絵のためか、ちょっとシュールな印象も受けました。
基本的にはただ楽しめばいいのだと思うのですが、天から布が降ってきたりと、暗示的にも感じました。

わたしのワンピース わたしのワンピース
にしまき かやこ (1969/12)
こぐま社

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『はなをくんくん』 ルース・クラウス文 マーク・シーモント絵 きじまはじめ訳 

アメリカの絵本。
雪の中で冬眠していた動物たちが、鼻をくんくんさせながら目を覚まして走り出す。みんなが向かった先にあるものは……?
お話自体はいたってシンプルです。読み終わった後にほわんと暖かくなります。
白と黒の雪景色がとても綺麗で、それがまた最後のページを効果的に演出しています。見事な対照だったと思います。

はなをくんくん はなをくんくん
ルース・クラウス、マーク・シーモント 他 (1967/03)
福音館書店

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『ぐりとぐら』 なかがわえりこ文 おおむらゆりこ絵 

子どもは食べ物が出てくる話が好き、という定石に則って、人気のある一冊。ご姉妹の処女作。
おおむらさんは絵を本格的にやっていたわけではないそうですが、レトロで素朴な挿絵はとても可愛いです。
文章はリズミカルで、同じ台詞や文などが二回くらいずつ反復されながらお話が進みます。
最後の大きなカステラは本当においしそう!
巨大カステラとかプール一杯のゼリーとか、乙女の永遠の夢はこれが原型なのかもしれないですね(笑)

ところでぐりとぐらが星馬兄弟カラーだということにこの年になって気づきました。(感動…!)

ぐりとぐら ぐりとぐら
おおむら ゆりこ、なかがわ りえこ 他 (1967/01)
福音館書店

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『完訳 グリム童話集(一)』 金田鬼一訳 

グリム童話の完訳版、第一巻。
省かず意訳はしすぎず、なかなかの良訳として知られているようです。
かなりの量のお話が収録されていること、言葉が結構難しいことからちょっと迷ったのですが一応児童文学カテゴリにさせて頂きました。
文化的に解説がないとわかりにくいような言葉には注釈が付されたり、類話や民俗学的解説が添えられているのも理解を助けてくれてよかったです。
ホレのおばあさんや忠臣ヨハネス、ラプンツェルにブレーメンの音楽隊…と、メジャーからマイナー、名作からよくわからないような話まで(笑)わっと盛り込まれています。
でもやっぱり、今でも有名な作品はさすがにお話としてよく出来ているなあと感じました。

完訳 グリム童話集〈1〉 完訳 グリム童話集〈1〉
W. グリム、J. グリム 他 (1984/01)
岩波書店

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『世界現代詩集31ブレヒト詩集』 ベルトルト・ブレヒト 野村修訳 

『三文オペラ』などで有名な、ブレヒトの詩集。
愛の詩、美しい自然の詩、女性の詩などに、政治と思想への批判詩なども混ざっていました。
エロティックでストレートな詩はいっそ素朴で可愛いです。
現実を美化しすぎない、むしろ皮肉る視線ですね。
リアルな人々の心・現実を飾らず隠さず詩にしたような感じ。
だから言葉の美しさより内容と本質そのものにドキリとさせられることが多かったです。

ブレヒト詩集 / ベルトルト ブレヒト

『ぼくのともだち おつきさま』 アンドレ・ダーハン文絵 きたやまようこ訳 

ちょっと大人向けの絵本。
↓『アンガスとあひる』で書いたのですが、幼児が好むストーリー構成は、「どこかへ行って戻ってくる」形なのだそうです。
この絵本はほとんど動きません。主人公は月と穏やかな会話を交わし、物語が半分くらい過ぎたところでようやく自宅へ帰り、あとは家にいます。
中身も、「愛」を抽象的に絵本にした、というような内容になっています。
初恋の話を聞いているみたいで、とても和みます。
ストレートな愛が可愛いのですv
「主人公」と「月」の関係性を「太陽=ぼく」と「月」に象徴しているワザというか言葉遊びというかが、上手でした。
確かに、初恋を知る大人の人に薦めたい絵本です。

ぼくのともだちおつきさま ぼくのともだちおつきさま
アンドレ ダーハン、きたやま ようこ 他 (1999/06)
講談社

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『アンガスとあひる』 マージョリー・フラック文絵 瀬田貞二訳 

知りたがりなわんこのアンガスが、ご主人様の目を盗んで外へ飛び出してしまう。そこで出会ったのは二羽のアヒル…!?

児童サービスのプロ曰く、「究極の行って戻ってくる話」。
幼児が好むストーリー構成は、「どこかへ行って戻ってくる」形なのだそうです。
例えば、『はじめてのおつかい』のように、「家からおつかい(ちょっとした冒険)へ出かけて、ママのところへ戻って来る」とか。
その骨子のみで出来ているのがこの絵本です。
アンガスは外へ出て行き、アヒルとひと悶着起こし、帰ってくる。突き詰めればそれだけなのです。
でもアンガスのおちゃめなキャラクターとシンプルな挿絵がいい味を出しており、可愛かったですv
赤・黄・緑の3色刷りかな?
最後の文章とアンガスがとてもお気に入りです。

アンガスとあひる アンガスとあひる
マージョリー・フラック、瀬田 貞二 他 (1974/07)
福音館書店

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『はじめてのおつかい』 筒井頼子文 林明子絵 

忙しいお母さんに頼まれて、初めてひとりでお使いに出たみいちゃん。はたして上手く行くんでしょうか…というお話。
挿絵がとても細かくて綺麗な絵本です。着色も暖かい。
主人公の「みいちゃん」は、字の上でも可愛いけれど良い絵があるから可愛さ割り増し。抱きしめてあげたいくらいキュートな女の子です。
「ともだちのともちゃん」「あらいクリーニング」にちょっと笑いました…!(笑)

はじめてのおつかい はじめてのおつかい
筒井 頼子、林 明子 他 (1977/04)
福音館書店

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『ぐるんぱのようちえん』 西内ミナミ文 堀内誠一絵 

像のぐるんぱは仲間に言われて働きに出るのですが、いつも上手く行きません。ぐるんぱの居場所は一体どこにあるんでしょう…というお話。
言葉の響きとリズムを重視した絵本です。
韻など、声に出したときの心地よさが大切にされています。読み聞かせてあげたい! と思ってしまう作品。
「もう結構」「しょんぼり」という言葉(+試練)が反復されますが、メルヒェンのような規則性は無いようです。
反復性は生きていても、数のルールは現代の絵本ではさほど気にされていないのでしょうか。

像のぐるんぱがお茶目で可愛くって寂しそうで、憎めないのです。
ハッピーエンドが嬉しくてにこにこしてしまいましたv

ぐるんぱのようちえん ぐるんぱのようちえん
西内 ミナミ、堀内 誠一 他 (1966/12)
福音館書店

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『もりのなか』 マリー・ホール・エッツ文絵 まさきるりこ訳 

具体的で白黒綺麗な挿絵の絵本。
絵だけでも充分話が追えるので、言葉が分からない小さな子どもにオススメの絵本なのだそうです。
主人公の男の子は森へ散歩に出かけ、色々な動物と出会います。
「ぼくの さんぽに ついてきました」という文の反復で進んで行き、次にどんなユーモラスな動物がやってくるのかドキドキします。
森で動物と遊ぶ=異界⇒父親が迎えに来る=現実へ帰ってくる、という異界譚とも読めます。
しかしうさぎの意味が少々謎でした…何かのメタファーのようにも見えるのですが。
最後の、異界と現実との入れ替わりが鮮やか。楽しく読み終えました。

もりのなか もりのなか
マリー・ホール・エッツ、まさき るりこ 他 (1963/12)
福音館書店

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『QED 百人一首の呪』 高田祟史 

『絢爛たる暗号』などに代表される百人一首の謎に迫るミステリ。
決して代表作とは言えないような句も多い百人一首。何故定家はあえてこの百種を選んだのか?
殺人事件の謎と百人一首の謎と、二つの不思議が解かれます。
やや日本語がおかしいのが気になりましたが、百人一首に対する解釈と踏み込み方は面白いです。
というか、よく思い付いて、かつ調べようと思ったものだなあ…と感嘆してしまいました(笑)
殺人事件に関しても理系の事実をかなり調べてあるようで、「なんでそんな分かりにくいダイイングメッセージを残したのか」という疑問になんとかギリギリ論理がついていたように思います。
ただ本当に日本史と百人一首(短歌)に関する事実情報の部分が多いので、どちらにも興味が無いという人にはかなり読むのが辛いのではないかと思います。

QED―百人一首の呪 QED―百人一首の呪
高田 崇史 (1998/12)
講談社

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