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『大どろぼうホッツェンプロッツ』 オトフリート・プロイスラー 仲村浩三訳 

ドイツで一番有名などろぼうの本。児童書。
大泥棒のホッツェンプロッツにおばあちゃんのコーヒー挽きが盗まれた。男の子二人が、ホッツェンプロッツを捕まえるべく奮闘します。
魔法アリ罠アリわくわくどきどき。
小物と設定の使い方、話のもって行き方が上手い。
でもこれはプロイスラーの作風なのか、同じドイツの児童文学第一人者であるケストナーやエンデの作品に比べて暴力的に痛いシーンが多い気がします。その残酷さはグリム童話譲りだったりするんですか?(笑)

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『エンバー―失われた光の物語』 ジェニー・デュープロ 松本みどり訳 

ハリー・ポッターの成功に便乗した感じが無きにしも非ず。ファンタジー。
電気をつけていないと真っ暗になってしまう都市エンバーでは、しかし電球の残りが尽きかけていた。発電機の調子も悪いし、このままでは永遠に明かりがなくなるのも時間の問題かもしれない。なんとかエンバーを救う手だては無いものかと、男の子と女の子が奮闘する話。
大まかなお話は面白いと思うのですが、細かなキャラクターの行動なんかに突っ込みを入れたくなります。なんでここでそうなるねん、それはご都合主義ってもんだろと。
伏線やエピソードも広げるだけ広げて生かしきれていない印象。もう少し市長の動きに気を配って欲しかったです。

エンバー―失われた光の物語 (集英社の海外ファンタジー)エンバー―失われた光の物語 (集英社の海外ファンタジー)
(2004/07)
ジェニー デュープロ

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『裏庭』 梨木香歩 

これも『K&P』と同じく、雰囲気が好きな作品です。
女の子が主人公のファンタジー。日常からいきなり別世界へと連れ込まれるものの、大仰に驚いたりはしない。日常に生きていたはずなのに、不思議を不思議がらずに受け入れる非日常性。妙に冷めて現実的な人間観。静けさ、落ち着き。そういう雰囲気が好きなのです。
基本的にテーマは「自分探し」なんだと思います。暗喩に次ぐ暗喩、象徴に次ぐ象徴。だから気を抜くとその抽象性のために話が良く解らなくなります。できれば再読して何が何の象徴であるのか確認したいものです。
伏線の引かれかたと纏め方が丁寧で、ミステリスキー的に嬉しかったです(笑)
それらを出すタイミング・解くタイミングの構成の上手さも印象的。

『K&P』 岡田貴久子 

ふうわりと静かで、暖かく、透明なぬるま湯のような雰囲気が大層好みでした。
被爆がテーマのちょっとしたファンタジー。被爆というと重たそうですが、上手くエピソードで織り込んでいて、そこまで重々しくはありません。読みやすいです。大国の傲慢さについて考えさせられますが。
日常の中にそっと現れる非日常性や、島に残るアニミズムがツボ。基本的に主人公は日常を生きているんですけれど、そこに非日常がそっと顔を出す感じです。
近現代史をかじっていると、より話がわかると思います。


K&PK&P
(1999/08)
岡田 貴久子

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『サラシナ』 芝田勝茂 

時代を超えちゃうファンタジー。恋愛もの。
舞台は現代と、聖武天皇がぐるんぐるん帝都を変えてた奈良時代。
言ってしまえば貴族の姫君を平民の男前がさらっていくという結構よくあるかなーな恋愛モノですが、更級日記とあの辺の歴史解釈が上手く盛り込まれていて興味深いです。日本史をやっていた方、これからやる方には面白いかもしれません。

『龍使いのキアス』 浜たかや 

異世界ファンタジー。地理や歴史がしっかり作ってあり、創世神話(らしきもの)も面白かったです。ギリシャ神話を読んでるような気持ちになります。幻想と現実が入り混じってところどころ意味が取りにくかったですが。
キャラひとりひとりがいきいき個性的で良かったのですが、特に主役のキアスが可愛いのですよ。
乙女乙女してなくて、やんちゃでサッパリ系。そんな彼女が男の人たちの間に立つとき、言い知れぬトキメキが湧き上がります。(何なの)小イリットや小イリット弟との絡みが大好きです。なんて可愛いんだ!
自然や、生死についてさりげなく深い示唆があり、考えさせられもします。

『魔法使いが落ちて来た夏』 タカシトシコ 

現代の日本が舞台。主人公の女の子が魔法使いと繰り広げるアクションファンタジー。
キャラやエピソードは割りと好きです。
ただ擬音とルビの多用がものっすごい鬱陶しくて読むのに邪魔でした。
難しい漢字にルビを入れるのではなくて、漢字にカタカナ(英語)(「護る」が「プロテクト」みたいな)(無意味だと思う…)、熟語に文章(漢文に書き下し文がつくような感じ。でも、ここでは絶対こんな書き下し方しない…)、最終的には漢字にローマ字でルビが入ってたりしてどうしようかと。「忍」「SHINOBI」ってルビがあるんですよ。なんだそれはー!
これさえなければもっと楽しめたと思います。
またもう一つ、雑魚な兵隊さん相手だろうが魔法だろうが、子供にあっさりと人殺しをさせるのはどうかと思います。
「ジーク」ではジークは人を殺したことを悔やみ続けますが、ここでは主人公は大量の兵士を魔法で「やっつけて」いながらそのことの大きさが描写されないのです。なんでもなかったことのようになっている。
また、この世界では死んでもある程度魔法で蘇生できてしまうのです。
そういう倫理観ってどうなんだろうと思います。
正義の味方も人殺し。忘れちゃいけないと思います。全体的にご都合主義。

魔法使いが落ちてきた夏 (ファンタジーの冒険)魔法使いが落ちてきた夏 (ファンタジーの冒険)
(1996/07)
タカシ トシコ

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『水の伝説』 たつみや章 

現代の人間による自然破壊風刺を基に敷いたファンタジー。
光太郎は小学六年生。都会の学校にいたけれど上手く馴染めず、田舎へやってきた。(「西の魔女が死んだ」とちょっと似てますな)
こっちでは龍雄という友達も出来て楽しく過ごしていたのだけれど、ある日大雨で龍雄の家が持つ杉林が崩れてしまう。
山の龍雄との遊び場は無事か見に行った光太郎は、そこで不思議な杯を見つけた。
その夜光太郎の夢にカッパが現れてー…な感じ。
なんかもう、号泣。
田舎の素朴さに。光太郎と龍雄の交流に。古きよき日本を投影したかのような龍雄一家とのかかわりが、光太郎を癒していく過程がとても良いです。
真っ直ぐで子供らしい二人と、見守る大人たち、というスタンスが好きです。口を出し過ぎず出さなすぎず。こういう絆っていいなぁ。


でもひとつ、「ネバーエンディングストーリーの龍」がコンコルドになってたのが不満(笑)フッフールだものー!原作至上。

『ジーク―月のしずく日のしずく』 斉藤洋 

異世界ファンタジー。キャラの立ち方と世界観が良く、大変面白かったです。
ジークと仲間たちの関わり方が好きです。トキメク…!
ノリは指輪物語とかああいう感じかと思いますー。アレは読んだことないのですけど。
父親に先立たれ、山でひとり暮らしていたジークの元へ出世した親友がやってきた。彼につれられ王都へ出たジークは、自分の出生の秘密を知ってゆく…ハラハラドキドキ、バトルアリ友情アリ話。
謎解き要素も多分にあるのが嬉しい(笑)引いた伏線を納めて行く腕はお流石です。
作品中からはまっすぐな倫理観が伺え、戦いを描いてはいるものの子供に読ませても大丈夫な作品だと思いました。

『やわらかな記号』 小川みなみ 

理系ファンタジー。著者が生物を教えていた方ということで、かなり生物学に突っ込みます。
高校の生物部の面々は、ある日ある生物が回りにいるものをワープさせる力を持っていることを発見した。
その力を試しているうち、おかしな世界に迷い込んでしまった…!
自然の動植物がいきいきと描写されているのはお流石です。自然の中に人間がぽつんといるときの無力感や不安も。
私は生き物の名前を出されても良く解らないため、挿絵があって助かりました。
そんなにリアルな挿絵ではありませんが、虫やナメクジなどが苦手な方にはきついかもしれません。

『暗闇坂の人喰いの木』 島田荘司 

御手洗作品。レオナちゃん初登場。
島田さんに常識的な作品は期待してませんから、もう好きなように書いて下さい…★と遠い目になってしまう作品。好きです御手洗(笑)
ところどころグロく怖く、一応論理っぽい説明はつくもののホラーに近いです。
世界の死刑について図まで載せて論じたりとかされています。とりあえず叫んどけ、本筋と関係ねぇのに生首写真見せられたー!(グロ苦手…!)
論理やトリックにこだわる方には絶対絶対お勧めできないですが(笑)不気味な空気は嫌というほど味わえます。もうミステリというより御手洗と石岡くんを楽しむために読んでるようなもんだよ島田作品…(笑)

『レベル21 アンジュさんのマジカルショップ』 さとうまきこ 

小学校の頃読んだ覚えがあるのですが、友達に薦められて再読。
今読むと、神秘主義の世界に引きずり込まれそうな結構電波なお話でした(笑)語録とかあるから益々そういう感じがするんだろうなー。
でもその非常識さが面白いです。
主人公はある日、今まで目につかなかった雑貨屋さんに気付きます。中にはアンジュさんという不思議な女性がおり、主人公はそのお店に通うようになって……という感じ。
雰囲気は「耳をすませば」に出てくるバロンのいるアンティークショップ(というのかなー)に近いと思います。
主人公とアンジュさんとの交流が可愛いです。「銀のスプーン」のお話は特に印象的。
柔らかで不思議そのものなラストは再読前にも頭に残ってました。最初に読んだときから随分たつのですが。
大人が楽しめるかは人によると思いますが、小学生くらいの子ならこのマジカルさ(何)を楽しんで読めるのではないでしょうか。

『毒入りチョコレート事件』 アントニイ・バークリー 高橋泰邦訳 

有栖川先生が薦めていたミステリ。ハヤカワのミステリベスト100みたいなヤツにもランクインしているようです。
上質で公平な本格ミステリでありながら、本格の多くの作品で行われるアンフェアな書き方(手法)に対する批判とも読めます。
処々で言われる「本格へのツッコミ」は的を射ていて、作家が読んだら耳が痛いことでしょう。
探偵役は一人ではなく、事件に関わってくる人も含めると登場人物が大目なのですが、各キャラクターいきいきと書き分けられていました。
特に私は犯人の凛とした姿、幕切れがとても良かったと思います。
美味しい本格で、読後感も気持ちいい良作。さすが有栖川チョイスです(そこか)

『葉隠入門 武士道は生きている』 三島由紀夫 

三島さんが、佐賀藩の武士道指南書「葉隠」の内容について語った本。
本文の抜書きと訳、そして三島さんの解説、という感じです。
熱いです三島さん…。「仮面の告白」などで見た薄暗さが嘘のように強気です(笑)
数少ない読んでも鬱にならない三島文学かもしれない。(文学かコレ…)
言葉は優しく読みやすいので、題そのものずばり葉隠の入門としてはいいかもしれません。
ただ個人的に、挿絵が気持ち悪くて苦手でした…笑うセールスマンって感じ。(何)

『花田編集長!質問です。 出版という仕事で生きる』 花田紀凱 

花田紀凱さんという編集さんが、出版(編集)という仕事に関する質問に答えていく本。
数々の質問には私も訊きたかった内容もあり、回答の内容も悪くは無かったのですが、そこに見下した目線が感じられて不快でした。
全体的に「自分は正しい」というようなナルシーさが漂っていて、目線が高いのです。
また同性愛者の方や女性に対して差別的な発言もあり。
稲葉さんを小ばかにした発言もあり。(え)
映画の趣味も合わず。
つまり相性が悪かったです…。
編集長という立場にありながら、日本語の厳選がなっていないと思います。
つーか後半は編集という仕事じゃなくて花田さん自身の話になってるし。

『ポオ小説全集 2幻怪小説』 エドガー・アラン・ポー 谷崎精二訳 

ポーの多くない作品の中から怪奇小説の類を集めた全集。短編ばかりです。
有名どころではアッシャー家の崩壊などが収録されていますが、私の目当ては「赤き死の仮面」でした。
病が仮面の男に姿を変えて、伝染病から隔離された屋敷へと顕れる。幻想的で恐ろしい良作です。乱歩を読む前に読んでおけばよかったです。
他の作品も不思議で面白い。死にほど近い、独特の空気がたまらんです。
アフリカへの冒険を想像で描いた作品があるなど、当時の俗文学の流行も反映されており、そういう意味でも興味深かったです。

『詩集 道程 復元版』 高村光太郎 

題通り。高村さんの「道程」の復元版。
若いですね高村さん…! という感じの詩集。
巻末には参考文献と年譜が付されており、高村さんについて詳しく知りたい場合の参照にも良いです。そこだけコピーすればよかったなーと今更。

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