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『青年 《若き日の伊藤博文 井上馨》(下)』 林房雄 

禁門の変~四国艦隊下関砲撃事件(1864)まで。
四国艦隊との和議のために縦横無尽に駆けずり回る伊藤・井上・高杉。特に高杉の頭脳と行動力にはやっぱり頭が下がる…!インテリ大好き!
初めて聞ちゃんの暗殺未遂事件を読むことになるかと思いきや、そこまでは行きませんでした。
傷だらけの聞ちゃんを見てぽろぽろと涙をこぼす伊藤(史実)が読みたかった…。(お黙りやがれ)
前巻同様キャラがよく、やや前時代的な感覚の表現もあるものの、そこまでは気になりません。
むしろなんとはなしに、アーネストたち従軍外人たちのエセ外人っぽさが気になりました(笑)
山口の海や自然の描写の美しさも特筆したい。山口への、というか日本への、というか、林さんの好意が溢れるようでした。
出来ることなら続編も読みたい。品薄なので、頑張って探したいところ…。

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『青年 《若き日の伊藤博文 井上馨》(上)』 林房雄 

元治元年の伊藤・井上ロンドンから帰国~禁門の変直前まで。
とにっかく伊藤と井上がカッコいいですね!いいコンビ!
あと牢獄の高杉を井上が見舞ってみたり(凄く好きなシーン)、伊藤・井上・高杉、とトリオで仲良しです。ごっつ青春!走れ青春!
人物描写も「青い好青年」方向なので、伊藤・井上の女好きっぷりが嘘のように強調されてません(笑)伊藤に女遊びを教える桂さんにときめいた。
その若々しさで一途に突っ走っては大人たちに振り回される。しょげそうになっても、凹んでも、最後には諦めない。満身創痍だけど当たって砕けろとばかりにぶつかっていく。もーう胸を打たれます。
高杉と伊藤は割りとセンチメンタルに詩とか作って思案に耽っている姿が描かれてるのですが、その浮き沈みの仕方は自分にも覚えがあるもので、青臭いこの子らが可愛うて詮無かったです。
伊藤は口数少なに頭が回り、心がへこんでも笑ってしまえるようないわゆる「賢い子」で、青くて可愛い。
井上は向こう見ずだけど義に厚く、「武士らしい武士」の誇りを持ってる印象。突っ走るその勢いが若いのですよ。
高杉は理知的。静かに熱い。リーダー・カリスマ・肝っ玉。でもセンチメンタル。男前可愛い。
因みに伝説の膝枕はこの巻(爆)やってくれやがるぜ!!(笑)

ところでこの本はアーネスト・サトウ視点と長州視点が繰り返し出てくるんですが、サトウの可愛さに気付いてしまったよ…!!
サトウ!サトウ!可愛い!お茶目!若い!伊藤や井上、高杉たちと近い感覚を持った「若者」として描かれてるサトウ。良いキャラでした。

『《聖書の研究シリーズ》31 山上の説教』 E・シュヴァイツァー 

新約聖書の「山上の説教」部分のみの解釈本。
抽象的・概念的な説明が多いことと、聖書のほかの部分(「山上の説教」以外)とそれへの自分の解釈を参照せよ、とあるだけで引用はされていないということがちょっと読み辛い原因になっていたと思います。後者が特に。
聖書だけならともかくも、シュヴァイツァーの他の解釈は別本なので。
どうやら「新約聖書」そのものへの解釈本から、山上の説教部分を抜き出し、加筆修正したのが本書のようです。
すっ飛ばして読んでもそんなに変わらないとは思いましたが気になる。
また、ややイエス・キリストを神聖化する傾向が見られ、少々学問的公正さを欠く印象がありました。

『名探偵の掟』 東野圭吾 

短編集。本格ミステリ揶揄本。(笑)
ミステリ作者と読者の定番と怠慢を切りまくってくれます。逆にミステリの重箱をつつく評論家やミステリがミステリであるだけで嫌って批判してくる人たちへの揶揄とも読めると思います。本格書きの東野さんだからこそいったいところ突いてきます…!!(笑)
書いたのがミステリ書きさんじゃなかったらキレてたかもしれません(落ち着け)でも東野さんだったのでめっちゃ楽しく読みました。愛ある指摘だと思うので。
しかもポイントは、揶揄するだけでは終わらず本格ミステリ的なひとひねりを最後にきちんと入れてくださっているということ。お流石です。
にやりと笑える感じの捻りですが上手です。有栖川先生の「山伏坊弁慶~」とノリが似てる気がします。
あとキャラがいい!
主人公探偵+警部さんコンビのやりとりが笑える上かわいいのですーv(笑)
有名探偵からイメージを取ってきたキャラクターなんかもいるので、古典を制覇された方にはピンとくることでしょう(笑)
本格好きさんは、本格ミステリの現状を問い直すにも自分の読み方を問い直すのにいい作品。
解説の言葉をお借りするのなら、「踏み絵的作品」です。これかなり的を射た解説だったと思います。

『今夜は眠れない』 宮部みゆき 

初宮部さん作品。
ライトミステリ。伏線に強弱がある感じで、解りやすいやつはとても解りやすく引いてあるんだけどその影でより大きな伏線が待ち構えています。面白く読みました。
結構強引な展開をしますが、語り口の軽妙さや大筋の魅力が引っ張ってくれます。因みに舞台に地元がちょっと出てきます…
中学生が主人公にしてはちょっと語り口が易しすぎるような気がしました。小学生くらいの印象になる。
あと解らないカタカナ語が多かった。普段自分が読むものとのタッチの差かなー。得意な語彙の範疇が合わない感じです。
主人公+親友コンビがかわいくって大変好きでしたv
この子たちが出てくるなら続編も読みたいです(笑)

『谷川俊太郎詩選集1』 谷川俊太郎 

谷川さんの日本語が好きです。
谷川さんは近代の詩人さんではありませんが、単に読んでみたかったのでした。
やさしくてまろやかで、あったかい印象。
でも時々厳しくて鋭い。
こういう日本語があるんだな、といちいち新鮮です。

『萩原朔太郎詩集』 河上徹太郎(編) 

素朴な不気味さとシュールさがある。
あきらかに異常な状況が物凄く淡々と綴られていたりそぐわないほど明るい形で表現されていることがある。
ときどき凄くドキッとする日本語を使う。好きです。

お気に入りの詩は、:「殺人事件」「死」「酒精中毒者の死」「内部にいる人が畸形な病人に見える理由」「鶏」「遺伝」「蝶を夢む」「かつて信仰は地上にあった」「狼」「大砲を撃つ」「珈琲店 酔月」 詩じゃなくて短編小説って感じだったけど「死なない蛸」

『北原白秋詩集』 神西清(編) 

やっぱりどこか残酷な美しさを感じる。今回読んだ人の中では一番物言いが古風。
幻想的で目眩がしそうなものから素朴で童謡みたいなやわらかなものまで。グリム童話的な子供の残酷さみたいなものが根底にあるんだらうかと思ったり思わなかったり。
目当てはどこかで読んだことのある金魚の詩だったのですが見つけられませんでした。残念。

お気に入りの詩は、:「黒い小猫」「からたちの花」

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『中原中也詩集』 吉田 ヒロオ(編) 

「汚れちまつた悲しみに」の人です。
耽美的で、時々どこか不気味な、残酷な美しさがあって好き。
サーカスとかピエロに惹かれるような感覚。


お気に入りの詩は、:「盲目の秋」(特にⅣ)「無題」(同じく特にⅣ)「蝉」「道化の臨終」(自分メモ:使いたい)
ドイツ関連メモ:「お道化うた」(ベートーヴェンとシューベルト)「一つのメルヘン」「ダダ音楽の歌詞」

有栖川有栖・雑誌掲載短編 

「猿の左手」(ジャーロ)


特筆すべきはミハエル様ご登場!!!つきつめればそれだけですよ!!!(落ち着け馬鹿)


…ええとあとは。深読みの具合がものすごく火村先生、ひいては著者有栖川先生らしくて可愛かったです。


「桜川のオフィーリア」(ミステリーズ!)
ミステリーズ!の「川に死体がある風景」という競作連載のラストを飾った短編。
<学生編の短編で死体が出るとは>という書評を見かけましたが、同感でした。
学生編は長編が完成度最高の本格ミステリで、その合間合間に入るライトミステリ的な短編が各事件後の登場人物の心理を丁寧に描いたサブストーリーとして機能しているところも良い意味で特徴だと思うのです。
そのため少し違和感を感じたのですが、纏め方はやっぱり「学生編短編」という感じで好きです。
川と、死体と、それらを包括する風景の美しさ、EMCのみんなの心理、どちらも良かったです。

「あるいは四風荘殺人事件」(オール読物)
足跡に関するトリックが大掛かりであまり自分の好みのタイプのトリックではなかったことと、憶測が多すぎることが若干不満でした。
でも話の作り、アイディアは面白かったです。登場人物に関するロジックお見事でした。
挿絵のアリスは有栖川先生に似せてあって素敵だったv片桐さんは天然系サラリーマンという感じ?

『智恵子抄』 高村光太郎 

絶賛近代日本語に親しもう月間(何)ここからしばらく詩集ばかり読んでました。
近代の日本語に入門していくよいきっかけになれば、と思って明治~昭和初期の詩人さんばかり何冊か。
特に新潮文庫の詩集がいいと噂に聞いたので、そちら寄りです。

というわけでもう高村さん大好きですーー(;;)(いきなり何)
作品の主題が愛であっても恋人であってもそれが創作である限り、それは著者が本当に誰かを愛しているということとは直結しません。
私大概、作品はストレートに著者の思ったことか? ということには懐疑的です。
高村さんの言葉も創作は創作と割り切って読んでいて、それはそれでとても好きだなきれいだなと思ったのですが、詩に書かれた高村さんから智恵子さんへの愛が本当に本当らしいと解ったらもう泣けて泣けて詮無かったです。
詩のほかに智恵子さんについて書いたエッセイのようなものや、著者と智恵子さんのお友達からの文章が載っていたのでああほんまもんなんだなあと思ったわけですが。
一途な人が大好きです。

お気に入りの詩は、:「元素智恵子」ですが…もうほとんど全部好き。

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『溺れるものと救われるもの』 プリーモ・レーヴィ 

ナチ体制下の弾圧から生き残ったイタリア系ユダヤ人の著者による、当時の回想とその批判、考察をつづった本。
ジャンルとしてはエッセイと論文のあいのこという印象ですが、テーマがテーマだけに重いです。
この本はレーヴィ最晩年のものらしいのですが、事実関係についてはほかの作品で多く語ってきたこともあってか、エピソードを披露することより考察することに重点が置かれています。
著者の視線は冷静で(あるいは冷静であろうと最大限の努力がされており)、ひとりよがりな本にはなっていません。
ユダヤ人に対する弾圧の内実を、またそれをされた側の胸の内を、論理的かつ体験的に語っている良著だと思います。

読んでいる間に感情的になってしまったので、感想を書くのに時間が置けたのが却って良かったです(苦笑)
衝撃的でした。

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