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『顔のない肖像画』 連城 三紀彦 

ミステリチックな短編集。いつもより少し生々しい感触でした。
さらさらしているのに描写の一つ一つが滓のように沈み重なり合って強く印象づけられてしまう不思議な筆致はいつもの通り。こういう書き方の作品を私が読みなれていないせいかもしれませんが、一編一編が絵のように頭に残ります。

「涜された目」
相手が連城さんなので日本語使いがお上手で、被告と原告(仮)どちらの言葉が真実なのか、妹さんの話が始まってさえ疑い続けていました。
発想の転換が面白いです。

「美しい針」
性的に終始する男性の目線が楽しくない。技量の問題というよりテーマの問題で、私には楽しみにくいお話でした。

「路上の闇」
これは少々ありがちな感じでしょか。でもスリルとサスペンスが楽しますv

「ぼくを見つけて」
序盤はミステリアスで面白いです。情報が増えていくにつれ大体落ち着くところは解ってきてしまうのですが~。

「夜のもうひとつの顔」
上手かったです。本格な感じ。

「孤独な関係」
最近よく見る感じの話だと思います。
大人のための童話ならぬ大人のためのミステリ。

「顔のない肖像画」
連城さんらしいきらきらした世界観と優しい謎が素敵です。

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『たそがれ色の微笑』 連城三紀彦 

相変わらずうつくしい世界観の短編集です。
ミステリというわけではないのですが、ささやかな謎とどんでん返しは健在です。
どろどろしていない不思議な、淡々とした恋愛観が心地よい1冊でした。

「落葉遊び」
謎の内訳は解りやすい。綺麗な日本語と、繊細な人物像が読ませます。
登場人物の心情がとても見事に描写にあらわれていて、国語のテスト問題にでも使えそう(笑)

「たそがれ色の微笑」
主人公の女性が可愛いです。
解説の方も同じようなことをおっしゃっていたのですが、連城先生は女性心理を描くのがお上手だな、と思いました。途中で先生が男性作家だということを忘れそうでした(笑)

「白蘭」
切ない。泣かせます。
関西弁の一人称が気持ちいい。有栖川先生の作品を読んでいるときにも似た感覚。
題とラストの相関も好きです。
ミステリ短編集「花葬」シリーズでも思いましたが、連城先生は「花」というモチーフがたぶんお好きか得意かなのだと思います。そして確かにお上手なのですよー。

「水色の鳥」
目の付け所が特殊な「離婚話」。
重たくなりがちなテーマにもかかわらず爽やかで優しい気持ちになれます。主人公の男の子に共感しました。
あとがきまで読んで、ひとつのお話として完結するのだと思いました。題の由来が面白いです。


「風の矢」
いっちゃん好きです。(ラブ)
子狐と武士の不思議な関係。一番謎に翻弄された話でもありました。
地面に這うような動物的な、子狐の目線からの描写がされています。
最後まで読んだら再読したくなります。

『快楽の伏流 鑑定医シャルル』 藤本ひとみ 

男色・強姦・快楽殺人が絡んでくるためとてもグロかったです。
男色はともかくとして後者2つは私にとっては鬼門といってもいいテーマなので顔をしかめずにはいられませんでした。
とにかくこの鑑定医シャルルのシリーズを通して思うのは、精神学的(心理学的)な通説で人間を割り切りすぎだということです。統計的にそう言われているから、だけで人間が説明されるとは私は思いません。

読者が意味を取り違えやすい書き方のモノローグ挿入も、初作こそだまされたもののシリーズで読んでいくと慣れてきて、消去法でオチまで解るようになってしまうので少々残念。それでも、オチまでの過程できちんと引っ張ってくれますが。
毎回違う「ママン」にくらくら来ちゃってるシャルルは解せない。
各シリーズ最低1人の女性に心を許している感じの描き方をされているのですが、それは「厭世的」「人嫌い」という描写にはそぐわないと思います。
キャラとして可愛い奴だなとは思うんですけども~。

『年収300万円時代を生き抜く経済学 給料半減が実現化する社会で「豊かな」ライフ・スタイルを確立する!』 森永卓郎 

モリタクさんのわかりやすい経済話。表題のような内容は最後のまとめに持ってきてあり、それまでに現在の日本経済の概説的な話をがっと簡単に語ってくれています。
基本は反小泉政策。よく言われる小泉政治の「弱者切捨て」とはどういうことかがよく解ります。
個人的にも経済や労働の形としては欧型(というかドイツ)に好印象があるのでそちらに方向に流れてほしいんですが(笑)モリタクさん曰く、ヨーロッパ型よりアメリカ型に流れているのが現在の日本経済の状況だと。つまり今日本は金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏人になる方向へと金持ちの手で誘導されていっているということですな。
この本の発行は確か2002年で、「将来はこうなるだろう」と予測で書かれている内容も概ね的を射ているようでした。
やや小泉政権に対して穿ちすぎな見方かな、という印象はあるものの、私に経済はサッパリなので何とも言えません。理解しやすく、役立つ知識、という意味ではオススメだと思いますv

『天辺の椅子―日露戦争と児玉源太郎』 古川薫 

児玉が主人公の伝記小説。誕生からお亡くなりになるまでです。
幼少時のエピソードは杉山(茂丸)の『児玉大将伝』の方が詳しいです。児玉特有のちゃめっ気いたずらっ気満載のエピソードも杉山の方が多く収録していたのでは。
ただ『天辺の椅子』は杉山著ではだけあって、杉山本人が絡むインパクト激大エピソードがひとつ収録されているのが美味しい。
そういう中身の割かれ方の差は、『天辺~』が「軍人」児玉源太郎、というところに焦点を当てているためではないかな、と思います。

また、『天辺~』の児玉は才能溢れつつも等身大な印象。
日露の評価や実情もはっきりしてきている今なので、日露に当たっての児玉の動きに関しても、良し悪し両面扱われています。
長州の支藩徳山出身な児玉が主人公なだけあって山田以外にも長州閥は割と出演しています。
乃木の自殺願望が強い。でもちょっと司馬式乃木さんより人間らしさ、悪く言えば功名心や自己顕示欲的なものを感じた。長州閥じゃないけど後藤新平との微妙な関係も面白い。
でも一番興味が湧いた関係はメッケルと児玉でした。
古川式児玉は、山田に並ぶ恩師としてメッケルを挙げてるんですよね。
ドイツに留学(というのか)している間の児玉について調べるのも楽しそうです。


天辺の椅子―日露戦争と児玉源太郎 (文春文庫)天辺の椅子―日露戦争と児玉源太郎 (文春文庫)
(1996/05)
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『密室―ミステリーアンソロジー』 

ミステリのアンソロジーっていうのは概してそうですが、これも例に漏れず出来が悪い…(がくり)
有栖川・法月・若竹先生は良かったです。有栖川先生については贔屓気味なので正確な評価かは保証できません…(帰れ)
それ以外は個人的にはちょっとドンマイです。

「消えた背番号11」 姉小路祐
不可能です。こっけいなくらい無理がある。
以下反転でネタバレツッコミあれだけ激しい教義で全然ずれないわけないと思うのですよ背中の数字。しかもいくら医者さんが影になったといってもスタジアムで観客が見ているのに死角なんて出来るものじゃないと思う。鋏で切るって作業はかなり遠目でも不自然に見えると思う。

「うば捨て伝説」 岩崎正吾
お話としては、私はおじいちゃんおばあちゃんにとても弱いので(笑)割と好きですが、トリック面を冷静に考えるとちょっと無理がある。

「密室のユリ」 二階堂黎人
「消えた背番号11」と同。
以下反転でネタバレツッコミ恋愛沙汰の容疑者二人を呼ぶ理由がマジバナ無い。読者の目を誤魔化すためでしかない。トリックに関しても不可能。あと息を呑む音が取れるほど近くで回ってるテープレコーダーに気付かないことってあんまりないと思う…部屋が違うような描写があったけどそしたら今度は息を呑む音なんて取れないのでは。

「靴の中の死体―クリスマスの密室」 山口雅也
クイーンの『靴に住む老婆』との被りは狙ってやったのか否か。山口さんクイーンの解説も書いていたので知ってはいたでしょうが。
ブル博士・キッド・ピンクの三人組は結構好きです。はっちゃけた設定が面白い。
以下反転でネタバレツッコミ自殺の理由が弱すぎる…! あと、靴をそんなに上手く返せたとは思えない。

「開かずの間の怪」 有栖川有栖
だ、だいすき…(お前ホント贔屓が過ぎるよ…)(自覚はしてます…)男子のやんちゃさ加減全開短編。学生編シリーズ1やんちゃな江神さんがここにいると思うわけで!
敢えて凝った話にしなかった分書き込めてるのでは。
マリアはまだいないころですね~。ちょっと残念。

「傾いた密室」 折原一
某作家さんと被ってるってことを自ら告っちゃったのが不味かったですよ。個人的に。女の子が性的な目でしか見られていないのもあんまりいい印象ではなかったです。

「ロス・マクドナルドは黄色い部屋の夢を見るか?」 法月綸太郎
本格ミステリとは言い難いけれども、本格を期待せずミステリファンが読んだらオチでにやりとできると思う話。本格にこだわらなければ上手な一編だったと思います。推理の部分はクイーンファンののりりんらしく仕上がってました。

「声たち」 若竹七海
これは本格としても上手かったと思います。
素朴な仕掛けのオチが来るので、気付けなかったことが悔しいやら、でもその悔しさを味わうのが嬉しいやら複雑です(笑)
声、というネタの使い方がまた面白かったです。

『狂王ルートヴィヒ―夢の王国の黄昏』 ジャン デ・カール 

近代バイエルンの王様、ノイシュヴァンシュタイン城などを作ったルートヴィヒ2世についての本。
書簡や証言を下地にしてあるので小説というには恬淡としているのですが、学術書というほどの堅さでもなく、まさにノンフィクションでした。伝記に近いものがあります。幼い頃から死まで、資料を駆使しつつ小難しくなることなくややルートヴィヒ寄りながらも大体公正に書かれている印象。狂的な部分とまともで優秀な部分を嘘なく描いている感じ。
19世紀のドイツ地域でのてんやわんやも端的に追いかけられます。やはり辣腕ビスマルク。負けていないぜルートヴィヒ。
氷栗(優)さんの漫画「ルートヴィヒ2世」を読んだとき、ホルニヒは氷栗さんのオリジナルキャラクターだと思ったのですが実在の子やったということにとても驚きました。
ルートヴィヒの思い(執着)の深さではこの本を読んだ限りではホルニヒ<ヴァーグナーです。
しかし少女マンガを描こうとしたらまあホルニヒにしておいたほうが絵的にも主従的にも当たりでしたでしょう(笑)
とはいえ本当に、ルートヴィヒのヴァーグナーへの執着は物凄いです。それに対するヴァーグナーの誠実なんだか不誠実なんだか解らない対応が非常に気になります。ヴァーグナーサイドの伝記も見てみたいです。
ルートヴィヒへの基礎知識ゲットやとっかかりとしては良著です。参考文献を挙げてくれるともっと助かりました(お前の都合かよ)

『抵抗の器 小説山田顕義』 もりたなるお 

小ナポレオンこと山田顕義を主人公に据えた小説。時期的には岩倉さんの使節団が帰ってきた辺り~西南戦争集結まで。西南戦争のはしょりっぷりは激しかった…山川の出番を期待したのにあえなく撃沈。
軍才に恵まれながらも友達に恵まれず(…)漲る才・知・気力を揮うまもなく陸軍を追われる山田の姿は切ないです。
抑圧感がある分、佐賀の乱・西南戦争で軍事畑に引き戻されたときのイキイキな気持ちがいっそう引き立って感じられました。
『歳月』では大久保VS木戸のバトルが根深く熱く激しかった印象がありますが、こちらの木戸さんは久保さんに対して左程毒も吐かず大人しいです。
久保さんの意図が何処にあるのかを伊藤に尋ねてみたりしてなんだか柔らかく仕上がっている。

『オトナ語の謎。』 糸井重里(監修) 

激しく面白い。爆笑しました(笑)
オトナの世界で日常的に使われているオトナ用語の解説本。ネット(糸井重里さんによる、「ほぼ日刊イトイ新聞」)で行われていた企画を本にまとめたもの。
マジでこんな言葉で喋るんかいとツッコミを入れたいものから、自分も使うわーというものまで。学生が読んでも将来の予習と言う感じで面白いですが(笑)社会人の方が読んだら一層面白いのでは。ていうか母に薦めたら「使う使う使うー!!」と爆笑しとりました(笑)

『ゼロから始めるドイツ語』 在間進 

ものっそい解りやすいドイツ語本。後期に文法叩き込まれるんで下地(?)と復習を兼ねてます(笑)本を読む課題ならいくら出してくれてもどうにかできるさ。ラブ!
説明が込み入っていないし、文法用語にはキチンと適切な解説が付いています。CDも付いています。
さくいんはないけどその分詳しいもくじが補って余りあるかんじ。各課の末には練習問題・例文(長文)も有。
基本を叩き込むならこれを一冊しっかりやれば充分なのでは。
ひとつひとつの課が長くないので、一日一課と決めたら貫けちゃうと思います。(何)辞書が無くても大丈夫です。

『恋より大切なもの』 藤本ひとみ 

藤本先生のエッセイ集。中身は違えど『愛するとき愛されるとき』とテーマや雰囲気は同じです。恋愛や人間関係について、ご自身の体験に基づいて書かれています。
気軽に読めて前向きな気持ちになれるような本だと思います。
しかし私は藤本さんといったらハプスブルクとシャルルしか読んだことがないので世界史にもフランスにも言及されないのがちょっと意外でした。

『愛するとき愛されるとき』 藤本ひとみ 

藤本先生のエッセイ集。恋愛や男性観がテーマのものがほとんどです。
私は藤本先生の書く男性像が一定のパターンにハマっている(ように見える)のは藤本先生の理想像もしくは読者の理想像の投影なのかなーと思っていたのですが、前者+藤本先生の男性的な部分=藤本先生の男性キャラクターということなのかなーとコレ読んでちょっと思いました。でもホントのとこどうだか(笑)
さらさらかるーい文章で、さくさくっと読めてしまうと思います。ノリはコバルトとかティーンズの後書きみたいなかんじ。示唆に富むというより愉快なエピソードや独特の世界観が展開されていて興味深いです。かるく凹んでるときトライすると元気が出そう。

『鑑定医シャルル 歓びの娘』 藤本ひとみ 

鑑定医シャルルシリーズの二作目。心理学・精神病関係の香りが濃厚なのは前作同様。人死にはあるし警察は介入するけど個人的にこれは「推理小説」ではなく「小説」だと思います。なので「その他国内小説」に分類です。ただひとつふたつ提示される謎には一応オチが付いているので、風呂敷を広げっぱなしとかそういうことはないです。心理学・犯罪心理なんかに興味のある人ならば楽しく読めるのではないでしょうか。
でもあまりにも心理学的な分析だけで人間を割り切ってる感があって、人間の中身ってそんなに簡単なもんだろうかとちょっと疑問でした。
それでも前作よりもピリピリせず読めたのは多分どろどろの恋愛色というのがなかったからですね(笑)
しっかしアッサリアニエスがいなくなっているのがショックだった…シャルルアニエスのその後が気になって続編も借りたのですが。ラブラブしてたらええなと思ったのですが。コロコロ相手を変えたり捨てたり別れたりする男にはハマれない。その時々いつも本気だとか言ったらもっとヤダ★シャルルはアニエスに対して本気なんだと思ってたんですけどもー一途な人が好きなもんで、ちょっとガッカリでした。一行で片付けられてしまった。それならアニエスのことは一言たりとも言及しないでいてくれればこっちで勝手に想像したのになー(十八番だぜ妄想!)

『歳月』 司馬遼太郎 

佐賀人江藤新平を主人公に、幕末期~佐賀の乱の顛末までを描いた作品。
江藤は天然でとても可愛い人でした。
諸外国に対して鎖国している江戸幕府治世にあって、更に他藩との交流を鍋島さん(藩主)が禁止していた佐賀藩の子だけに世情にちょっとウトくて、法の関係(司法省)では辣腕をぶんぶん揮う癖をして佐賀の乱(=軍事的なこと)となるとヌケている。もどかしいです。
大きな立役者となっていたのは大久保・西郷。
西郷が英雄というより一個の人間として描かれているのがちょっと新しかったです。人間臭い。神のように完全無欠の人間だったというつくりじゃない。
大久保さんはより冷徹ですね。
より、というのは『獅子の棲む国』(秋山香乃)と比べてのことです。『獅子~』も佐賀の乱をかすっているので。(山川が佐賀の乱当時、新任の佐賀県令(岩村弟)にくっついて佐賀城入りしてるから)
『獅子~』の久保さんはもう少し人間の温かみがあって可愛い人のように見えましたが、『歳月』では容赦の二文字が欠けている。
なんというか、ラストは本当に悲壮で切なかった。

『ドイツ的発想と日本的発想』 小塩節 

ドイツの経済や、国民生活の実態、歴史の概観、言語についてなど、この本1冊で「ドイツ的なもの」をざっと撫でることができます。
特にドイツの労働(企業の内実・経営形態など)に力点が置かれているように思いました。
ドイツ内の統計・他国と比較した統計も多く紹介されており、出版当時のドイツの状況が知りたい場合には良い資料になるでしょう。
また、それらのドイツ話に対応する形で、「では日本はどうなのか?」という考察がされています。
他国と比較することで母国の良い点と悪い点がはっきりと見えてきます。
出版されたのが随分前なので、ドイツについても日本についても、この本に書かれていることが現在の状態と全く同じということは無いと思います。
しかし、本質的にはこの本で小塩さんが描いたドイツ像は変わっていないのではないでしょうか。そのくらい鋭いドイツ評論がなされていると思います。

『自由なれど孤独に』 森雅裕 

ヨハネス・ブラームスを主人公に据えたミステリ。ヴァーグナーやシューマンなども絡んで来ます。
ミステリとしては可も無く不可もなく。ものっそい面白いというわけではないのですが、風呂敷を広げすぎず公正にまとめてくれています。無難といえば無難…? でも引いた伏線の収拾が付かなくなっちゃってるようなのよりずーっとずーっと好きです。
やや謎解きを後半に引っ張りすぎた感はありますが。
ブラームスの理知的でメガネの似合いそうなキャラが(…?)トキメキ(笑)
クリスタ嬢もいいキャラです。凛々しい女の子好きさー。その喋り様や立ち回りに、曽我(祐準)さん思い出しちゃって詮無かった…。(性別違いますけど)(共通項は「美人」の「軍人さん」)
このクリスタ嬢の職である「女性将校」というのがツボに来ました。もしも事実としてこういう職があったのなら凄いな。少数で危険を伴わなければ女性軍人もアリだったんだろうか。でも多分クリスタさんはオリジナルキャラクターなんだろうな。イマイチドイツ史詳しくないので何とも言えません。
いつも森さん作品は女性が強く凛々しく時々がさつで(笑)可愛いです。

『増補 ドイツ文学案内』 手塚富雄・神品芳夫 

1963年に手塚富雄さんによって書かれたドイツ文学史に、後から神品芳夫さんが現代部分を書き足して解り辛い部分を改定したもの。
歴史と社会的な背景を扱ってからその時代の主要な主義・作家・作品に入っていくので、「どうしてその時代にこの文学なのか」ということが端的に示されています。
少し説明が抽象的で、イメージしにくい部分がありました。
しかし、客観的・公正な文学史ではなくご本人の主観と偏見を出して書くことで読者に印象付けようという主旨で書かれているため、激しく堅すぎ!ということは無かったです。ていうかノリノリだと思います著者さん(笑)筆が滑ってる感じ。
古今の文学どちらにもある程度の深みある解説がなされているのに感銘を受けました。
写真も割と使われています。
学校で購入必須だったこと、発行から随分経つにも関わらず版を重ねていることからも、良著なのでしょう。さくいん付きな辺りも便利です。

ところでドイツ文学と日本文学の大きな違いに、作家の政治活動への傾倒ということを感じました。
ドイツの詩人さんや小説家さんはその作品と、自身が運動に参加することなどで、政治的活動をしたり国民を啓蒙・煽動していたりという人が結構いるのですが、それをしちゃう作家が多くいることもそういう作品を読む読者がいることも日本では無いことだと思うのです。
日本人は割とハナから政治家は汚いもんで政治には期待できないと思ってる節があって、多分政治批判詩もしくは小説が文学史上て大きな役割を果たしたとかみなされることはないんじゃないかと思うのですよ。
この本ではドイツの作家は政治活動や現状批判を行い、「政治に幻滅してしまうものもいた」けれども、ずっと諦めずに続けていた人もいたとなってます。
そういう政治意識の強さは日独の差だなーと、音楽を聴いたときにも思ったのでした。(J-POPみたいな音楽で、戦後政治やヒトラーのことを皮肉ったりしていたので)

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