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『絡新婦の理』 京極夏彦 

相変わらず綺麗な本格ミステリでした。引いた伏線にしっかり答えが付けられています。完成度の期待を裏切られないから有難いです(笑)
私は一度京極堂作品を「本格には込みに出来ない」と言ったことがありますが、他の(新)本格の作家さんに触った今は京極さんは十二分に本格を書いてくれていると思います。クイーンと有栖川を基準にしちゃってた私が悪かった。(何)
今回のテーマはジェンダー問題でしょうかね。
うまーく小説の序盤~中盤に一般的ジェンダー論概説、終盤に独特のジェンダー論、と盛り込まれています。
そう思うと京極堂はある意味社会派小説のひとつとも言えるのかもしれません。
京極堂の語るジェンダーは私には物凄く目新しい視点で驚きました。
この1冊で、極度にジェンダーを意識し過ぎている人が啓蒙されたらいいな…と思います。男尊女卑は好かんですが、ジェンダー問題を熱く語りすぎている人はちょっと視界が狭い気がします。
ところで京極さんは、戦後7~8年という舞台設定を踏まえて、近代を越えてすぐ臭い筆致を演出しているのではない…のでしょうかー(何だ歯切れの悪さ)
近代頃の日本人は漢文を使いこなせる世代~教養として知ってる世代が多いためか、基本的に漢文由来の熟語を多用している印象があるのです。京極堂の文面からも同じものを感じます。
京極さんのシリーズ外作品を読んだことがないので、京極堂シリーズでのみやっているのかそれとも夏彦さん特有の筆致なのか断じられないのですが。

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)
(2002/09)
京極 夏彦

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『ドイツの都市と生活文化』 小塩節 

ドイツの「都市観」「都市史」と「古今の日常生活」に主な観点を置いた本。
『ドイツを探る―ロマンとアウトバーンの国』(同著者)と内容の被るところも割とあるのですが、こちらはやや学術論文寄りで少し堅め・分析が多めです。それでも書き手が小塩さんなので解り辛い文にはなっていません。ご本人の楽しいor驚きエピソードも盛られているので親しみやすいです。
特に後者、生活についての話はかなり小塩さんご自身の経験に基づかれています。
前者は論文、後者はエッセイ、という感じ。
また、やはりこの方は「批判すること」が上手いと思います。
日本についてもドイツについても鋭く急所を突いてくるんだけど、どちらに対しても愛情を持っていらっしゃることが感じられるので不快を感じさせません。
しっかしこのドイツの夏の休暇制度・労働時間・老後保障・失業者保障が今も尚あるなら移住したい気持ちに凄くなります。いいな。

バイエルン州はミュンヘンの話+ドイツのリーダーについて+イタリアの雨が話題にあったのでげきもえ、血を吐くかと(落ち着いて!)
ミュンヘンはドイツの中でも雨量も日照量も多く、きらきらした都市のようです。
その美しい輝きがものごっつミハエル様の出身地を思わせてくれて大満足。
リーダー論を読むにつけてもアイゼンヴォルフはミハエル様の力量認めてまとまっているんだと再確認。ああんカッコいいな私の天使ーv(ウザキモ)
イタリアの雨は冬に多いんだそうで、ファイナルレースはあの雨の後雪になったことを考えるとまあ冬で、カルロにとってはそら回想せんではいれんような舞台だったのだろうなと思いました。


最終的にこの本の論旨は日本の余暇がいかに貧しいかという方向に落ち着きます。
日数的・内容的に貧相で、値段が高い。余暇の充実は人間の充実に繋がる、内面的「豊かさ」をもたらすという話。
でも日本の学生さんたちは土曜を休日にされても大して文化的なことをやってないと、色々な調査が指摘しています(苦笑)
この話題には、「何故日本の余暇は充実していないのか」「現状とその問題点」は充分な語りがされているのですが、具体的な打開策の提示がちょっと不足していたように思いました。

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『父の映像』 犬養健他 

有名人のお子さん方が、父親について語った新聞連載文をまとめたもの。
掲載紙が「東京日日」と「大阪毎日」ってのもなんというか因縁めいて…?(笑)
福地源一郎がはじめた東京日日は、原敬が編集総理をやってたことのある大阪毎日の傘下に入れられ最終的に吸収されている筈です。(だから多分両紙の名前で載ってるんだと)(めっちゃ余談)
さてまあお子さんから見たお父さん、ということで、書かれ方も様々です。
どの子たちも割と公平に書くよう気をつけて下さっていますが、やっぱり接せられ方によってちょっと憎しみや親しみや敬意が滲み出てますね!(憎…?)
そしてどのお父様方も「公」と「私」のイメージが違う…!
勿論これで読んで初めて知った人が3人、しっかり伝記を読んでいない人がほとんどという有様の私だからかもしれないのですが。
でもそのギャップがものすげえ、もえ。(帰れ)

やや本の中で話されたエピソードを引きます。これから読むから中身は知りたくない!という方は以下は飛ばして下さい。

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『ドイツ語はじめの一歩まえ』 矢羽々崇 

ドイツ語を習う前にドイツ語圏に興味を持ってもらうことを主旨としたやさしめの本。エッセイと言って良いかとv
簡単・簡潔・優しい口調で「ドイツといえばコレ」な典型的ドイツ話をしてくれます。
小塩節さん・犬養道子さんのご本と(書き方は違えど)同じ見解も見えて、ドイツの実際の姿は確かにこのようなのだろうな、と確信できました。
三人分の見解一致があればまずまあ大きなズレはないでせう(笑)
小塩さんと矢羽々さんはNHKドイツ語講座つながりなので、参考になさったのかな、とも思ったのですが。
本文の上には本文に関連した簡単なドイツ語文が1つないし2つと、やはり本文中に出てくるドイツ語単語がいくつか紹介されていて、私の場合は学校でやったことの復習になりました。カタカナで振り仮名がふってあるのでおかしな読み方をしないですみます(笑)
日本にあるドイツ、ドイツの生活や文化、ドイツの中の日本、と端的に説明した後に、「ドイツ語の第半歩」と銘打って簡単な挨拶とそれにまつわる小話や説明がついているのも良いです。使う時間、タイミング、イントネーションが解説されているので。キチンと覚えて行けば旅行中楽しいだろうな。

個人的に興味を持ったのは、ドイツ人の整理整頓気質と、日本とドイツに共通してある(らしい)潔癖症とも言えるような「清潔志向」はどのような歴史・文化・地理的背景からきているのか? ということでした。
小塩さんや犬養(道)さんも著作の中でドイツ人の整理整頓のきっちりさや徹底された掃除の様を書いています。
でもこの本では、「そこからナチスドイツ(もしくは現在のネオナチ)の優性思想や“純ドイツ人”以外を排斥しようとする傾向が生まれてきたのではないか」と分析を加えられていたので改めて気になった次第でした。

『ベートーヴェンな憂鬱症』 森雅裕 

『モーツァルトは子守唄を歌わない』の続編。しかしこれから読んでも一向に問題ありません。
前作同様ベートーヴェンが探偵役のミステリで、今回は短編集です。
4本の収録作品は時間列が繋がっていて、初めから終わりの間でベートーヴェン先生もお年を召されます(何)
『モーツァルト~』に比べて出来が悪い、面白く無いと言う書評をかなり見ますが、面白く無いと言うよりは徐々に聴力を失ってしかも近眼のベートーヴェン先生に世知辛い気持ちにさせられます…コイツ可愛い男だな!と思っていればいる程。
でも弟子@チェルニーや、孫弟子@リストを含んだ3人のやりとりが可愛くて楽しくて好きですv
一番笑ったのは挿絵の魔夜峰央さんの四コマ二本!(え)
流石だ魔夜先生…(笑)ノリがパタリロで素敵。(笑)


「ピアニストを台所に入れるな」
押しかけ弟子チェルニーにキュン!
動機にやや無理があるのではーとか私のようなのは思ってしまいますが、音楽家のプライドを知っている人に言わせるとどうなのだらうか。

「マリアの涙は何故、苦い」
チェルニーかわEー!(ていうかお前チェルニーが好きなだけだろう)
画家さん、ビショップさん関連の説明がちょっと強引過ぎかもしれない。
ジュリエッタ嬢を巡るバタバタっぷりは可愛いv

「にぎわいの季節へ」
外交問題が絡んだ途端目の色を変えて楽しみました(駄目子!)
『ハプスブルクの宝剣』のときと同じ、ヨーロッパ外交って昔っからグローバルで複雑ですよね。
政治的圧力のかけ方に近代日本が重なってちょっとキュン。(ときめいてんじゃねえ)

「わが子に愛の夢を」
老いた先生が痛ましいというか世知辛い。チェルニーの反応が更にその気持ちを煽る。
でもリストが(チェルニーとやや被ってた気がするけれども)いい味出していましたv
師匠、弟子、孫弟子。見ていてほほえましい。

『東郷式文科系必修研究生活術』 東郷雄二 

文系の分野で研究を行うに当たってのノウハウを、著者の経験に基づいて紹介した本。
難解な言葉は使わず、丁寧に説明してある上、複数の方法が紹介されている非常にお役立ちな一冊だと思います。
一応対象としては「大学院へ進むつもりの人」「文系の研究職に就くつもりの人」「これから卒論に取り組む人」「そんな人たちを指導する人」なのですが、駆け出し学生にも得るものがたくさんありました。
特に図書館やパソコン(インターネット)などのツールの使い方が開眼もの。
2000年発行の本なので、現代のIT世界の進化っぷりには追いついていない感がありますが大して問題はないと思います。読む側が応用して対応できる範囲。
ネット関係は初歩的な用語から易しく解説してあります。
著者さんの愛機がマックということで、Winよりマックユーザーに優しい内容です。
Winユーザー的には同じことをWinではどうやるのか知りたくてたまらんでした(笑)
各章ごとに参考書と参考HPが挙げられているのも便利。
それらのひとつひとつに著者のコメントが付いているので、より詳しいことが知りたい時などにどれを読めば良いかが判じやすいです。

以下自分メモ。

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『鬼謀の宰相原敬』中村晃 

ミスが多すぎました。
誤字・史実との食い違い・改行ミスなど。しっかりと担当編集さんの目が通っているのか疑問です。
目立つところは、青木『周造』・『品方』弥二郎・陸奥の出身長州藩。ついでに寺内=薩摩閥。
あっはっは。(笑うのか)
万一受験生さんとかが近現代に興味を持つべく読んだりしたらたまらないですね。信じたら落ちますね(ひどい)
歴史小説は基本的に頭から信じたり史料扱いしてはいけないとは思うのですが、こちらが信じる信じないの問題以前のミスだと思います。
一体どういう史料を辿ると陸奥が長州藩士になるんだろう(笑)一応蓮山さんの伝記は読まれているようですが。
寺内=長州人なんて辞書にだって載ってるよ。
陸奥との場面と怒ってる原さんは可愛かったかな。

『見知らぬ遊戯 鑑定医シャルル』藤本ひとみ 

「サイコ・サスペンス」というあおりと、『ハプスブルクの宝剣』のイメージが相まって、「解説」を読むまで推理小説だということに気付きませんでした。(ええー)
ミステリチックなつくりだなあ、と思いつつ、でもサイコ・サスペンスってことはそれを期待したら最後でガッカリするんだろうなーと思って何気に読んでいたら解説で「推理小説」ってあって非常に驚きました。(遅)
フランスの警察機構がどの程度締め付けられてるかはよく解りませんが、「休暇中の」憲兵が捜査に首を突っ込んでいいものなのかはやや疑問。ミステリだと思って読んだらもう少し突っ込むところも見つかったのかもしれません。
でも今のところつくりとしては、大掛かりで不可能なトリックもないしシンプルで上手な謎とその見せ方だったと思います。
つまりネタ自体とキャラは良いと思うのです。でもどうも筆致が、下手なのか合わないのか。視点がころころと変わって読みづらいんですよね。AさんからBさんを見ていると思ったら次の行ではBさんからAさんを見ている、というような。
例えば犯人サイド/警察サイドで視点を変えるなら解るんですけど、「警察サイド」の中でさらに視点が主人公と準主人公の間を行ったりきたりする。こんがらがります。
あと短絡的・直接的。
人の性格とか気持ちの動きが「一言で説明」されてしまうアッサリさ。もう少しエピソードで盛ってほしかったです。
でも、キャラは印象的なのが藤本さんの不思議なところ。
ハプスブルクもそうでした。読んでいる間はツッコミ入れたり腹が立ったりであまりいい印象を持たないのに、読み終えてしばらく、細かい表現や中身へのひっかかりを忘れてくるとキャラはいいからなんか好きな気持ちになってくるんですよね(笑)
単純にハマりやすいキャラの典型的な形だからかなーとも思うのですが。
どうもプロトタイプ的ではあるけど人格としての複雑さまで書き込めているかというとそうでもない。例えばシャルルはエラリイにも似てるんですけどエルほどの厚みはない。
ハプスブルクのエドゥアルトとシャルルの類似を考えると、書き分けには難があるのではないかと思います。

藤本さんだから多分あるのだろうな、と思った性描写はやっぱりありましたね。
男性作家さんの本を読むことが比較的多い私には、藤本さん(=女性)の描くセックスシーンはものめずらしいです。
男性作家さんはやっぱり男性の視点から女性を見る形で描写することが多いのですが、藤本さんは大概女性の視点から男性を見る形で描写するんですよね。
そしてまた大概藤本さんの場合、男性はテクニシャンで意地悪で女性は翻弄&めろめろにされているという形で描かれます。照れます(笑)
ハプスブルクとも通じるこの共通性は「藤本さんの」願望なのか、「女性の」願望なのか。
前述してますがハプスブルクのエドゥアルトと本作のシャルルも結構中身が似ている様子で、これも同様このような男性が自分に骨抜きになることが「藤本さんの」願望なのか、「女性の」願望なのか。はたまた藤本さんがこういうタイプのキャラしか動かせないのか。
読んだこともないハーレクインはこのようなものなのだろうかと思います。シャルルとアニエスの恋愛の様を読んでいると。
甘々で可愛いんですけども薄っぺらな印象があります。

でも多分このシリーズの続きを読みはするんだろうなー…シャルルがエディやエラリイと似ているから。(内容はひとまず置いちゃうんですか?)

『ジュリエットの悲鳴』 有栖川有栖 

短編集。シリアスなミステリというより、あとがきにもある通り「ごった煮本」という印象です。
全体的にいつもよりも情緒的で、論理より雰囲気重視かな。シリーズ系列の作品にはない、しんみりとした味わいのものも多いです。
ロジカルさを期待して読んだらガッカリするかもしれません。
個人的には、その作風の多彩がむしろ楽しかったです。
シリーズものじゃない分余計なしがらみも少ないのか、筆のすべりも良さそうに感じました。文章の調子がいいような。

「落とし穴」
ケレン味の強い本格、と言って良いのでは。
キャラをさくっと掴ませる辺りがやっぱりお上手、というか有栖川先生が造形する人物はいいなぁと思います。

「裏切る眼」
コレはちょっとイマイチ。かなり無理があります。

「Intermission1:遠い出張」
広告に使われた作品のうちのひとつ。
オチはご自身も仰るとおりわかりやすい。
他ふたつ(Intermission2/4)も含めて、字数制限も内容制限もない中での回答も読みたい。

「危険な席」
凶器にやや無理があると思いますが、タイトルとの相関が好きです。
というかこの本に収録された作品はほとんど全てそうですね。タイトルの付け方が、よくあるもののようでとても上手いと思います。

「パテオ」
お茶目!可愛いお方です。

「Intermission2:多々良探偵の失策」
メルカトルが同じようなことをやっていた気がします。(@『血文字パズル』)

「登竜門が多すぎる」
大 爆 笑。
大好き。お上手。座布団一枚。
ミステリファンなら笑わずには居れないかと!(笑)友達の隣でめっちゃ噴出して死ぬほど恥ずかしかったです(…)

「Intermission3:世紀のアリバイ」
面白い。後書きでご自身がお話していた、この作品を依頼された過程の小話も好きです。

「タイタンの殺人」
SFミステリ。私には新鮮。すごい容疑者ですよ…!
こういうものまで書けるとは芸の幅が広いな~。

「Intermission4:幸運の女神」
微妙。ややありがちでは。

「夜汽車は走る」
お気に入り。歌と、回想と、現在の絡み方がとても上手かったと思います。
雰囲気に酔わされました。

「ジュリエットの悲鳴」
「英国庭園の謎」と同じくタイトル先行という恐ろしい創作法がなんというかもう…可愛い方だなと(笑)

ジュリエットの悲鳴 (角川文庫)ジュリエットの悲鳴 (角川文庫)
(2001/08)
有栖川 有栖

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『東欧・旅の雑学ノート 腹立ちてやがて哀しき社会主義』 玉村豊男 

著者が1979年に身一つで巡り巡った東欧諸国見聞録。
70年代=世界大戦は終わったけれども東の社会主義国と西の資本主義国がにらみ合い、ベルリンの壁がまだあった。
そのうちの社会主義国(東欧、ユーゴスラヴィア・ブルガリア・ルーマニア・ハンガリー・チェコスロヴァキア・ベルリン)が舞台です。
旅のときに日々つけていたというノートを、編集・修正ほとんどなしでそのまま活字化なさっています。
手直し書き直しではきっと味わえない臨場感に溢れています。また、社会主義国・東欧への偏見が感じられる部分も処々見られます。でもある意味、それが「当時の感覚」だったのか。凄く西洋(西欧)至上主義な印象を受けました。
外からの旅行者に対する対応、交通機関、食べ物、宿についての話題が多いです。旅の要だからでしょうか。
他にも各国に住む人々の微妙な差から大きな差まで、難しくない視点から書かれています。
実際体験したこと、というのが強いですよね。

『作家小説』 有栖川有栖 

有栖川先生がボケた……!!!!

や、ボケとツッコミの方のボケです(笑)ノリの楽しい短編小説集。
今回の俎上の材料は『小説書き』。作家に付き物のアレやコレをブラックユーモアな感じでネタになさっています。
全体的にミステリというわけではないけど、やっぱり残るミステリの味。どんでん返し。
でも本格ではないですね。
どちらかというとホラー&コメディテイストなのかな。星新一さんのショート・ショートとかとも近い空気だと思います。


「書く機械(ライティング・マシン)」
痛怖い。解説も併せて読むと更に。職業作家ってほんとに大変なんだな、という話。

「殺しにくるもの」
一番ミステリテイスト。最後のところに有栖川先生のお楽しみがあったんだろうと推察致します。
ドキっとしましたビックリでした。

「締切二日前」
かっこわらい。トリビアの種。でもオチまで不気味がりっぱなしでした。その辺の空気作りがお上手だと思います。

「奇骨先生」
印刷・出版界の不況について、うんうん頷きつつ読んでました(誰)

「サイン会の憂鬱」
ミステリ+ホラーテイスト。緊迫感がとうとう最後近くまで感じられなかったのですが、でもいい感じに落ちていたのでは。

「作家漫才」
さすが大阪人でいらっしゃる……! A先生のタイガースネタはなんだか目に見えるようで可愛くて仕様がありません(笑)

「書かないでくれます?」
怖い。挿話が上手い。お気に入りです。

「夢物語」
星さんのショートショートを一番思わせる気がする。私はそういう取り方をしました。


しかし全体的に思うのは、どうしてこう有栖川先生の作る人間ってみんないとおしいのかなと。
顔がすぐ浮かぶような感じ。可愛いなぁと思うてしまう。
……ファンの贔屓目ですかね(笑)

作家小説 (幻冬舎文庫)作家小説 (幻冬舎文庫)
(2004/08)
有栖川 有栖

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『さすが!日本語』 渡辺実 

日本語の中でも、「副用語」に注目した本。
副用語とは、辞書によれば、
<文の骨子となる体言・用言に依存し、それにさまざまな意味をつけくわえる語。副詞・連体詞・接続詞・感動詞など。語形変化がなく、連用または連体のいずれか一方の機能をもち、実質概念の希薄な語の総称として用いられる。>
だそうです。
この著者の方は、“一部の副用語=学校などで習う副詞=「せっかく」「どうせ」「いっそ」「とても」など”と例示をするだけに留めています。
とまあこういう副詞が日本語に独特の色をつけていると論じた上で、どのように使われているか・文法的な決まり、などを言葉ごとにまとめた本です。
専門用語や著者の方の造語に関しては、徐々に、例を引いて説明をしてくれるので解りやすいです。
しかし使い方の説明が凄く文法的・公式的で、数学が出来ない私にはその辺が読み辛かったです(笑)英語文法の参考書を読んでいるような感じ。
割と感覚的な説明も多いのでこんがらがります。
でも、「そういえばそういう決まりを守っていつも使ってるなぁ」という再発見がたくさんありました。
また、一部の例文では、私の感覚では普通に聞こえるような言葉に「誤用」の印が付いていることも。
日本語の移り変わりってもんのすげえ速さなんでしょうね。

『モーツァルトは子守唄を歌わない』 森雅裕 

絶賛ドイツに親しもうと頑張り中ということで、ベートーヴェンを探偵役に据えたミステリ。
ハイドンが亡くなった辺りのウィーンが舞台で、著名な音楽家がたくさん顔を出します。
それぞれのキャラが濃くて楽しかったです。
ベートーヴェン先生ダイスキーvチェルニーとの師弟漫才がダイスキーーvv(笑)
おちょくり合い可愛いです。
音楽(家)さんに詳しい人ならもっと楽しめたか、「楽聖に何をするかー!!!」と怒るかどちらかだと思います(そりゃな)
ミステリの出来としては良い感じ。まあ乱歩賞受賞作なので悪かったら乱歩の名がすたるってもんですが(笑)私は好きです。
無茶無理矛盾なケレン味溢れるトリックや理屈が少なくて、割と自然に謎が溶解していく。元来の「本格」という感じが致しました。「そんな派手やったらバレんべ?」のツッコミをしたい部分はいくつかあれど。
ただ少々アッサリし過ぎかもしれません(笑)アレー割とおっきい謎が盛り上がりも無く淡々とバレたー?みたいな(何)
あと暗号の話がありますが、ちょっと容易に解けすぎた。あれだけで解けたら天からの電波か作った人だよ。(え)

講談社文庫のミステリはデザインやイラストが表紙のことは確かにあるけど漫画家が描いているのは初めて見ました(笑)
魔夜峰央さん…!(笑)
ベートーヴェン先生ドンマーイ!(笑)売れたのかこの表紙(ひどい)
もう一人がチェルニーなのかモーツァルトなのかも音楽詳しくないので解りませんでした;
しかし…チェルニーorモーツァルトの子をパタリロチックにやるならベートーヴェン先生がバンコランでも良かったと思うわけで(えー)
見たかったなー眼力なベートーヴェン先生。(無茶)

『ドイツを探る―ロマンとアウトバーンの国』 小塩節 

小塩さんが雑誌と、NHKのドイツ語講座に掲載したエッセイ(小品)集です。
「ドイツ」という国が中心ですが、基本的に視野に入ってるのは「ドイツ語圏」と言う感じ。
オーストリアやベルギーなど、ご近所の国の話もあります。
本当に本当に、この小塩氏の語り口が好きなのです。
読んでいてとても楽しい。お人柄に惚れそう。
しかも外交官としてドイツに赴任してた経験ありと来たもんだ(笑)大好き外務省関係のひと!(…)
とはいえ堅い話はあまりありませんv
美味しいお菓子や面白いエピソード、いかにも「ドイツ的な」思い出を紹介して下さっています。
アマゾンの紹介などにもあるように、「カルチャーショック」がひとつのテーマのようで、日本と違う習慣が多く話題になっています。
すなわち否応無しに日本の良いところ悪いところ、ドイツの良いところ悪いところが浮き彫りになるのですが、政治経済世の中のシステム等々はまだしも、文化文明気質などに関してはヨーロッパ偏重でもなければ日本文化偏重でもない。どっちも大切なもので、比べられない。そんなスタンスを自然に取っていらっしゃる気がします。批判と受容のバランスがほどよいです。ドイツにも日本にも造詣と愛を感じます。
ものを見るときの偏見の無さと公平さ、あけっぴろげさが好きです。
また小塩さん、ユーモアがあって皮肉や洒落がお上手なのです(笑)
思わず噴出してしまうこともしばしば。ほほえましくてにこにこしてしまうことしきり。
和み系なのにドイツ人気質に対する深い造詣が感じられるこの一冊、うきうきオススメしたいですv

『日本宰相列伝13 犬養毅』 岩淵辰雄 

著者の先輩が「犬養派・古島門下の人ばかりだった」(序文)こともあって、古島に凄く内容が裂かれていた印象があります…嬉しいです(正直者)
『一老政治家』からの引用も多い。というか、ところどころ古島記述に丸投げ。
古島に関しては著者が面識があるので、事実聞いた「古島談」もありました。
しかし若い頃から全くもって犬養さんは人望がありますね。
秋田日報時代(大好き)とか、後年の若手新聞記者からの囲まれっぷりとかほほえましいです。
お堅くない話もかなり盛り込まれていて、いろんな意味で楽しい1冊でした(笑)

…でも今まで読んだ史学系の本(と言っても多くはないけれども)の中ではやはり一番5・15事件の描写が長く詳しくされていて、切なくて仕様が無かったです。

『ドイツプロゼミナール』>『ドイツの平和教育』資料 

『戦争責任・戦後責任―日本とドイツはどう違うか』粟屋憲太郎、田中宏、三島憲一、広渡清吾、望田幸男、山口定
直接的にはテーマに関係してこないのでざざーっと読んだ感じですが、もっと真面目にこの問題考えないとアカンと切に思いました。

『立ったまま埋めてくれ―ジプシーの旅と暮らし』イザベル・フォンセーカ
コレは多分高2だか辺りに読んだもの。ロマ(ジプシー←差別語。今は「ロマ」呼び)たちがホロコーストの犠牲になっていたという話、ロマたちの気性性格について思い出して書かせて貰ったので。(せめて読み返せよ)
分厚くて読みづらいかもしれませんがいい本です。ホロコースト等のこともそうですが、ロマたちのことももう少し世間に知られれば良いなと思います。

『世界の歴史教科書―11カ国の比較研究』石渡延男、越田稜(編)
今回のナンバワーンお役立ちかもしれない。ドイツの授業と教科書について現状と問題がまとまっててわかりやすかったです。
時間があれば他国の話も読みたかった。いつか是非。

『現代ドイツの社会・文化を知るための48章―エリア・スタディーズ』岩淵正明、田村光彰、村上和光
これはもうビンゴで「平和教育」の章があったのでそこのみ読了。
大まかなところが纏まっていて解りやすかったです。大体褒めてるけど問題点も挙げられていたのがいい感じ。

『現代ドイツ情報ハンドブック<+オーストリア・スイス>〔改訂版〕』河合節子、佐間進、山川和彦(編)
右傾する若者(ネオナチ)や戦後教育の話ちらり。数字のデータが多いので、使えました。


『びっくり先進国ドイツ』熊谷徹
エッセイ。ホントはあんまり資料にそういうの使うなといわれてたのですがコッソリと。
現代ドイツに住んでの感想なので生な声で良かったかなと思います。でも極論の香りもそこかしこにしたので割り引いて使いました(何)

『歴史教育と教科書―ドイツ、オーストリア、そして日本―』近藤孝弘
教科書問題を取り巻く動きだとかの流れを追ってる感じ…?「歴史教育」というよりほんとに教科書にスポットライトという印象。

『国際歴史教科書対話―ヨーロッパにおける「過去」の再編』近藤孝弘
ドイツ・ポーランド間の教科書対話について細かく論じてあったのですが(そしてそこのみざっと読んだ)、実際の教育現場に関係した話はあまり無かったです。

『21世紀の子どもたちに、アウシュヴィッツをいかに教えるか?』ジャン=F・フォルジュ
ドイツの教育の話だとばかり思っていたのに著者がフランス人教師さんだとわかったときの衝撃。(アホ)
でもホロコーストを扱った映像作品への時代考証的ツッコミなどが面白かったです。
しかし「如何に」というより前半はアウシュヴィッツそのものの解説に終始していたような。

『現代ドイツを知るための55章―変わるドイツ・変わらぬドイツ』高橋憲・浜本隆志
割とドイツ持ち上げ・日本批判の傾向かなぁと思います。ドイツの良いところを褒めるのは勿論グッジョブなのですが、批判もあって然るべきなのでは。ある国のある問題にいいところしかないなんてことはないと思うのでした。

『歴史はどう教えられているか―教科書の国際比較から』中村哲
西ヨーロッパの比較(仏・独・英)のみ読了。割と端的に纏まってた…?(疑問系?)ただこれ1冊で教科書問題論じるには無理があるかなと思います。仏英は知らんですがドイッチュは教科書の種類がたくさんあるので、ここまで断定的に言えるのかどうかちょっと疑問。

『占星術殺人事件』 島田荘司 

お も し ろ か っ た!
初っ端から1936年&「明治」というファクターが絡んでくるわ、メインの時間軸も1970年代だわで近現代スキー的には楽しかったです(笑)政治的要素は薄いですが。
メイントリックは某推理漫画で使われたことのあるもので、割と早い段階で見当がついてしまったのが残念。
でも知らなかったら解らなかったと思う。
漫画の方が後です因みに。島田さんの方が発表は早いので、漫画の方が真似たか被ってしまったかでしょう。多分小説発表時は結構センセーションだったんじゃないかと思うんですがどうなんでしょう…!
久々にしっかりと「本格推理」な作りで楽しかったです。
とても綿密に情報提供と推理をしてくれました。やや推理にこじつけめいたところがあるものの、そんなのは重箱の隅です。
これなら「読者への挑戦」を入れて頂いても大いにオッケー、と個人的には思う!

占星術殺人事件 改訂完全版占星術殺人事件 改訂完全版
(2008/02)
島田 荘司

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『生命倫理とキリスト教』>『人工妊娠中絶とキリスト教』資料 

主に中絶関係の部分を読んでいってます。
『初代教会と中絶』マイケル・J. ゴーマン
薄くて読むには早いんですが、割と基礎知識前提だったので他の本を読んでから読んで正解でした。

『キリスト教がわかる。』アエラムック (80) 朝日新聞社
お勧め。キリスト教に関する基礎知識と大きな問題を公平な視点から端的にまとめて下さってると思います。人工妊娠中絶や性に関する記述にもかなり共感できました。

『中絶-生命をどう考えるか』ロジャー・ローゼンブラッド
「キリスト教における中絶問題」というより「アメリカにおける中絶問題」ですが、アメリカもキリスト教の方が多いのでやはり絡んできます。これは大体読みました。途中に中絶問題を通してアメリカという国の国民性や文化性を考えていたりするので、そういう話をするにも使える本じゃないかと思います。

『あなたはどう生きるか』村上伸
読みやすいっちゃ読みやすいのは確かなのですが、ややキリスト教擁護寄りで学術的公平さに欠けるかな、という印象。左傾傾向。

『生命問題に関するカトリックの教え』アントニー・ジンマーマン
カトリック(超)保守派の、現代の諸問題への考え方を物凄い端的に表わしていると思います。私には友達にはなれません。

『現代アメリカ社会を知るための60章』明石紀雄 ・川島浩平
人工妊娠中絶の章のみ読了。アメリカの中絶問題のあらすじがざっと解ります。このシリーズはどれも端的で解りやすくて好きです。

『ドイツの見えない壁―女が問い直す統一 』上野千鶴子
人工妊娠中絶の章のみ読了。ちょっと読み辛かったですが、一枚岩になり得ていないドイツの姿、統一の困難さが感じられました。

『コミュニケーション』>『日本語の未来―漢字のこれからを考える―』資料 

『日本語は生き残れるか―経済言語学の視点から』井上史雄
お役立ちでした。漢字・外来語関係のところをざっと読んだだけですが、さらっと読めてデータが割と出ているのでネタにしやすかったです。

『日本語の教室』大野晋
微妙かな…コレも漢字とかそれ系(どれ)しか読んでおりません。どちらかというならやや右傾の印象。

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