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『ポーカー・レッスン』 ジェフリー・ディーヴァー 池田真紀子訳 


『クリスマス・プレゼント』に続くディーヴァーのサスペンス・ミステリ短編集。文庫オリジナル。
解説によれば原題は『Twisted』に続いて『More Twisted』だそうですが、原題がまさに示す通りどんでん返しに次ぐどんでん返し、きっと仕掛けがあると注意しながら読んでも騙されてしまうのが悔しいです。
ライムものの短編「ロカールの原理」では久々にライムチームと再会できて、それだけでも嬉しくなってしまいました。
犯罪が起こって犯人が存在するはずなのに、決定的な微細証拠が存在しない? ライムの信奉する原理は崩れ去ってしまうのか。
ライムものの根底を問うようなテーマ、どきどきしながら読みました。

そして特筆すべきは、「恐怖」とディーヴァー自身によるその解説「『恐怖』について」。
短編「恐怖」を題材に、ディーヴァーが恐怖を描くために留意していることについて、創作技法を明かしています。
こんなに具体的に説明してしまって良いのだろうかと驚くほどの丁寧な解説でした。
「恐怖」の物語を作ってみたい方には一読の価値ありです。
私もディーヴァーの方法論に則って、一本書いてみたくなりました。


ポーカー・レッスン (文春文庫)ポーカー・レッスン (文春文庫)
(2013/08/06)
ジェフリー ディーヴァー

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『隅の老人』 バロネス・オルツィ 山田 辰夫・山本 俊子訳 

ABCカフェの片隅で、女性記者と「隅の老人」が様々な怪事件を絵解きする連作短編集。
しばしば元祖安楽椅子探偵として取り上げられる「隅の老人」ですが、公判を聞きに行ったり警察の調べ落としを自ら出向いて埋めたり、と思いの外アクティブ。
ミステリというにはやや謎が軽すぎるきらいもありますが、科学捜査が今ほど発達していない時代の、古き良きミステリの空気を心から楽しみました。
一連の短編を「パーシー街の怪死」で締める構成で「隅の老人」の魅力がぐっと増したと思います。
シリーズの幕の落とし方として鮮やかで、大好きです。

隅の老人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 34-1)隅の老人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 34-1)
(1976)
バロネス・オルツィ

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『カリブ海の秘密』 アガサ・クリスティー 永井淳訳 

ミス・マープルが静養に訪れた南国のホテルで起こる謎の連続殺人。
犯人当てを支えるストーリーテリングの上手さに脱帽しました。
また、ミス・マープルとラフィール氏、老嬢と老紳士の会話が含蓄あって大好きです。
生きることに前向きで、強かなふたりが素敵でした。

カリブ海の秘密 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)カリブ海の秘密 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
(2003/12)
アガサ クリスティー

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『サム・ホーソーンの事件簿〈1〉』 エドワード・D・ホック 木村二郎訳 

不可能犯罪ラバーズオンリーな短編集。絶対に起こりえない状況下で起こる事件に青年医師サム・ホーソーンが挑む。
不可能を可能にする難しさからか、謎解きパートはややご都合主義的では、と思う部分もありましたが、設定される謎がどれも魅力的だったので楽しめました。
動機や手法も、お話ごとに趣向が変えてあるので飽きません。
ホーソーン医師の語り口は千波くんシリーズのぴぃくんのような軽妙さで、読んでいると妙に和みます(笑)

サム・ホーソーンの事件簿〈1〉 (創元推理文庫)サム・ホーソーンの事件簿〈1〉 (創元推理文庫)
(2000/05)
エドワード・D. ホック

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『ソウル・コレクター』 リンカーン・ライム 池田真紀子訳 

リンカーン・ライムのいとこ、アーサーが殺人の容疑で捕まった! 揃いすぎた証拠に疑問を持ったリンカーンは真犯人探しに乗り出すが――
コンピューター上のデータに依存している現代社会が「未詳五二二号」という形で描かれて行きます。
五二二号の方法論は現実でも通用しそうなところが恐ろしく、思わず自分の生活を省みてしまいます。
内容は相変わらず先を読ませないジェットコースターぶり。信頼のディーヴァー・ブランド。
リンカーンの捜査チームが勢ぞろいで(デルレイがいないのは残念でしたが)、会話ひとつ取っても楽しかったです。

ソウル・コレクターソウル・コレクター
(2009/10/29)
ジェフリー・ディーヴァー

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『名探偵エミールの冒険1 ドーヴィルの花売り娘』 

メグレもので有名なジョルジュ・シムノンによる、「エミールもの」の第一集。短編ミステリ4本。
赤毛の名探偵エミール、元スリのバルベ犬、元メグレの右腕トランス、タイプライターお嬢さんマドモアゼル・ベルトの4人からなる探偵事務所が、チームで謎解きをして行きます。
形式としては探偵+助手が一人ずつというホームズ型ではないのですが、お話の転がり方にすごくシャーロックっぽさを感じました。
冒険小説寄りの推理小説というか、まだフェアプレーが強く言われてない頃のある種の自由さがあるように思います。
推理はするけど読者に材料がきちんと出ているとは限らないし、必ずしも論理だけで話は片付かない。
その初期の、原石のような雰囲気が懐かしくも楽しかったです。

収録作品は以下。
「エミールの小さなオフィス」
「掘立て小屋の首吊り人」
「入り江の三艘の船」
「ドーヴィルの花売り娘」

ドーヴィルの花売り娘 (名探偵エミールの冒険 1)ドーヴィルの花売り娘 (名探偵エミールの冒険 1)
(1998/08)
ジョルジュ シムノン

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『ピーター卿の事件簿』 ドロシー・L・セイヤーズ 宇野利泰 

ピーター卿ものの短編集。サブタイトル?に「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」とあります。
ピーター卿ものは作中時間に流れがあるのですが、この本の中では時系列が結構カオスです。
初読もしくはシリーズ初期作品だけ読んだという人は戸惑う部分があるかもしれません。
内容はバラエティに富んでいて面白いです。軽めの謎を中心に、幻想的なものからウィットに富んだものまで揃っています。
ただ、バンターの出番の少なさが不満と言えば不満でした。好きなので(笑)
また、長編と訳者さんが違うこともあり、喋り方や仕草などシャーロックっぽさの強いピーターだったような気がします。

ピーター卿の事件簿 (1979年) (創元推理文庫)

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