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『ロシア幽霊軍艦事件』 島田荘司 

ミステリというか、最後のロシア皇帝の娘であるアナスタシアに関する歴史解釈と謎の問題を扱った作品。島田さんなりの答えを小説で提示して下さった形です。
近代ロシア史(というか革命史?)に加えて近代日本史やドイツも絡んで来て個人的には面白かったです。左翼思想の見方がちょっと変わりました。またアナスタシア研究に脳の問題という新しい(らしい)視点が提示されています。史実と島田さんの推理との境目もきちんとあとがきで線引きして下さっています。
しかしアナスタシアの人生の壮絶さが痛くて、読むのが辛かったです…消耗した…。
レオナちゃんが可愛い。

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『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』 島田荘司 

島 田 さ ん 最 高 … !!(絶叫)
おおおご馳走様でした…!とてもとても良い本格ミステリかつシャーロックのパスティーシュでございました。大好き。尊敬。しまださーんん!!(落ち着いて)
ええとええと。ロンドン留学中の夏目さんがとある悩みを相談に、シャーロックの元を訪れる、というロンドン舞台の本格ミステリです。
その頃のワトスン君と夏目さんの手記が後年になって発見されて、それを交互に並べた形の小説になっています。
先ずもうその手記が凄いんですね。
どちらも本人の手記にちゃんと似てるんです。
ワトスン君の分は、ああワトソンだな、と思う。夏目さんの方も、夏目さんらしいな、と思う。勿論島田さんテイストなので本物との違いはあるんですが、似てます。
特にワトスン君の方は上手いです。ワトスン(=ドイル)がホームズシリーズ中に頻繁に使う描写の仕方がきちんと出てくるんですよね。台詞も、仕草の書き方も、「そうそうワトソン君ってそういう風に書くんだよね…!」と頷くことしきりでした。
夏目さんが書いたことになっている部分は、私は彼の書き物を網羅した訳じゃないので本当に夏目さんを良く知っている方が読んだら色々とボロもあるのかもしれません。
でも私が読む限りでは漱石らしい文体になっていたと思います。そうそうこういう書き方するよねーと。
子規に言及してくれているのが特に嬉しかった。
夏目さんならあの頃のことを回想するなら書かないはず無いよね…ッ。
きちんと二人の交友を押さえてくれているらしい書き方に、胸が一杯になりました…。

そしてホームズの描かれ方も凄いです(笑)
一度島田さんは御手洗の口を借りてホームズに対して愛溢れるツッコミをしていますが、そういうユーモアのある形でホームズを愛している島田さんだからこそ書けたと言う感じ。
前半はもうホームズへのツッコミとおちょくりを小説化したと言っても過言ではないです。書いてるのが島田さんだから許せた内容です(笑)
ホームズシリーズを読み込んでるからこそ、そのおちょくりどころも的を射ていて大爆笑モンでした(笑)細かい芸が利いてます。読者もシャーロックを読んでいれば読んでいるほど笑えると思います(笑)
でも後半は、凄く凄くすごーーーくカッコいいホームズが見られてもう 大 満 足 。泣けるほど。
これも書いているのが島田さんだから出来たんだと思います。
ホームズのツッコミどころだけならずカッコいいところも知り尽くしているからこその原作に近いこの男前さ。
感激。

メイントリック&ロジックの方は、知識が無さ過ぎて正確なところどうなのかはわかりません。
でも私は良く出来ていたと思っていますv
どんでん返しと謎解きに継ぐ謎解き、そしてシャーロックらしい幕引きとその後の夏目さんに繋がってゆく幕引きと。嬉しくって好きで好きでたまらんでした。
久々の大ヒット。ありがとう島田さん…!(平伏)

『自由なれど孤独に』 森雅裕 

ヨハネス・ブラームスを主人公に据えたミステリ。ヴァーグナーやシューマンなども絡んで来ます。
ミステリとしては可も無く不可もなく。ものっそい面白いというわけではないのですが、風呂敷を広げすぎず公正にまとめてくれています。無難といえば無難…? でも引いた伏線の収拾が付かなくなっちゃってるようなのよりずーっとずーっと好きです。
やや謎解きを後半に引っ張りすぎた感はありますが。
ブラームスの理知的でメガネの似合いそうなキャラが(…?)トキメキ(笑)
クリスタ嬢もいいキャラです。凛々しい女の子好きさー。その喋り様や立ち回りに、曽我(祐準)さん思い出しちゃって詮無かった…。(性別違いますけど)(共通項は「美人」の「軍人さん」)
このクリスタ嬢の職である「女性将校」というのがツボに来ました。もしも事実としてこういう職があったのなら凄いな。少数で危険を伴わなければ女性軍人もアリだったんだろうか。でも多分クリスタさんはオリジナルキャラクターなんだろうな。イマイチドイツ史詳しくないので何とも言えません。
いつも森さん作品は女性が強く凛々しく時々がさつで(笑)可愛いです。

『ベートーヴェンな憂鬱症』 森雅裕 

『モーツァルトは子守唄を歌わない』の続編。しかしこれから読んでも一向に問題ありません。
前作同様ベートーヴェンが探偵役のミステリで、今回は短編集です。
4本の収録作品は時間列が繋がっていて、初めから終わりの間でベートーヴェン先生もお年を召されます(何)
『モーツァルト~』に比べて出来が悪い、面白く無いと言う書評をかなり見ますが、面白く無いと言うよりは徐々に聴力を失ってしかも近眼のベートーヴェン先生に世知辛い気持ちにさせられます…コイツ可愛い男だな!と思っていればいる程。
でも弟子@チェルニーや、孫弟子@リストを含んだ3人のやりとりが可愛くて楽しくて好きですv
一番笑ったのは挿絵の魔夜峰央さんの四コマ二本!(え)
流石だ魔夜先生…(笑)ノリがパタリロで素敵。(笑)


「ピアニストを台所に入れるな」
押しかけ弟子チェルニーにキュン!
動機にやや無理があるのではーとか私のようなのは思ってしまいますが、音楽家のプライドを知っている人に言わせるとどうなのだらうか。

「マリアの涙は何故、苦い」
チェルニーかわEー!(ていうかお前チェルニーが好きなだけだろう)
画家さん、ビショップさん関連の説明がちょっと強引過ぎかもしれない。
ジュリエッタ嬢を巡るバタバタっぷりは可愛いv

「にぎわいの季節へ」
外交問題が絡んだ途端目の色を変えて楽しみました(駄目子!)
『ハプスブルクの宝剣』のときと同じ、ヨーロッパ外交って昔っからグローバルで複雑ですよね。
政治的圧力のかけ方に近代日本が重なってちょっとキュン。(ときめいてんじゃねえ)

「わが子に愛の夢を」
老いた先生が痛ましいというか世知辛い。チェルニーの反応が更にその気持ちを煽る。
でもリストが(チェルニーとやや被ってた気がするけれども)いい味出していましたv
師匠、弟子、孫弟子。見ていてほほえましい。

『モーツァルトは子守唄を歌わない』 森雅裕 

絶賛ドイツに親しもうと頑張り中ということで、ベートーヴェンを探偵役に据えたミステリ。
ハイドンが亡くなった辺りのウィーンが舞台で、著名な音楽家がたくさん顔を出します。
それぞれのキャラが濃くて楽しかったです。
ベートーヴェン先生ダイスキーvチェルニーとの師弟漫才がダイスキーーvv(笑)
おちょくり合い可愛いです。
音楽(家)さんに詳しい人ならもっと楽しめたか、「楽聖に何をするかー!!!」と怒るかどちらかだと思います(そりゃな)
ミステリの出来としては良い感じ。まあ乱歩賞受賞作なので悪かったら乱歩の名がすたるってもんですが(笑)私は好きです。
無茶無理矛盾なケレン味溢れるトリックや理屈が少なくて、割と自然に謎が溶解していく。元来の「本格」という感じが致しました。「そんな派手やったらバレんべ?」のツッコミをしたい部分はいくつかあれど。
ただ少々アッサリし過ぎかもしれません(笑)アレー割とおっきい謎が盛り上がりも無く淡々とバレたー?みたいな(何)
あと暗号の話がありますが、ちょっと容易に解けすぎた。あれだけで解けたら天からの電波か作った人だよ。(え)

講談社文庫のミステリはデザインやイラストが表紙のことは確かにあるけど漫画家が描いているのは初めて見ました(笑)
魔夜峰央さん…!(笑)
ベートーヴェン先生ドンマーイ!(笑)売れたのかこの表紙(ひどい)
もう一人がチェルニーなのかモーツァルトなのかも音楽詳しくないので解りませんでした;
しかし…チェルニーorモーツァルトの子をパタリロチックにやるならベートーヴェン先生がバンコランでも良かったと思うわけで(えー)
見たかったなー眼力なベートーヴェン先生。(無茶)

『倫敦暗殺塔』 高橋克彦 

初期明治政府が絡んでくるミステリ。
既知の登場人物は、井上(馨ちゃん)・伊藤(博文)・山県(有朋)・末松(謙澄)・矢野(文雄)・チラリズム原(敬)。わー!愉快な面子だ!!(笑)
しかしキャラ作りにやや私は物申したい…!(笑)(乙女の夢なので真面目にはとらないであげて下さい)(オイ)
馨ちゃんとブミがよそよそしい気が(笑)もっとこの子らはウキウキとさ…! 「ドンマイ俊輔!」「オッケー聞太! ヒュー!」くらいの勢いでいいから。(元老?)
親友だったってところは書かれてたけど、二人の空気からは伝わってこないのが寂しい。
こんなアホノリにしろとは本気には言わんので(そりゃそうだ)もう少し信頼し合ってる盟友、な空気を出してほしかったです。
あと馨ちゃんは『真面目でカッコいい』タイプというより、『豪快でカッコいい』人というイメージがある&表舞台より政界の裏で飛び回るのが得意、っていうのは合ってるかどうか私にはまだ判断つかないけど、政友会ツブしとか首相選びの圧力かけとか割とおおっぴらにやってたイメージがあるのでやや感じ方にズレが(笑)
ガタが明るい(激怖)外向的なガタ…!笑顔を振りまくガタ…!
時折ほのみえる陰険さが彼らしいといえばらしいですが(酷)
でもブミ・馨ちゃん・ガタの中でガタが一番陽気な男に見えるって物凄いな(笑)
末松さんがヘタレてる(何)
この人もっと頭いいと思うんだけど;
話(推理)を円滑に進めるためだけに頭の回りがよくない人にされちゃった気がする。悔。
あともっとお義父さん大好き! さをプッシュして欲しかっ(殴)
原さんが弱すぎる(何2)
日記でクマさん(重信)をこき下ろすわ面と向かって陸奥先生(宗光)に逆らうわ、言いたいことは言わなきゃ気がすまない彼がブミ・聞太・ガタの前に出たくらいで緊張するだらうか。(笑)ちょっとくらい大人しくするかもしれないけど(原を何だと…)
しかもあのチラリズムな出演の仕方は一体。
はっちゃけ出てこなくても一向に話の進行上問題なかったと思う。や、私には嬉しいけど。(ピンポイントサービス?)
矢野も同様。多分彼の手紙が引用したかったんだと思うけど、別にあんなに矢野矢野書く必要はなかったんじゃ……?(笑)
面白いですが。矢野にビビりまくりの政府人たちが(笑)

ミステリの出来としては個人的にはイマイチ。
やり方が限りなく実行不可能だし動機や伏線の引き方が上手くないです。裏拳ツッコミかけたいところが割とあります(笑)
舞台設定と、歴史的事実への即し方は凄く面白いと思うのですが。
フィクションなのかと思いきや、かなり史実に基づいているのですよね。そこには感服でした*
政府の実情をほとんどオープンせずに叩き過ぎてる印象アリ。
この頃の国民や士族の窮状は本当だし著者さんの維新批判(主張)も解るんですが、政府側の事情ももう少しないと不公平じゃき。
というのは自分がこの頃の政府が好きなもんで言える話なんだろうけど。
でも頑張ってた子らのことも流されちゃってたのがちょっと悲しかった。

『伯林―一八八八年』 海渡英祐 

題の通り1888年のベルリンを舞台にしたミステリで、江戸川乱歩賞受賞作。
『舞姫』(森鴎外)を読んでいると二倍三倍楽しいです。
なぜなら主人公が森林太郎こと森鴎外なのですね。舞姫における豊太郎です。エリスも出てきます。(笑)
舞姫からのイメージが強すぎて、エリスに熱烈恋! な豊太郎と林太郎とのギャップに少し戸惑いました。
でも、アンタホントに彼女のこと愛してるんですか! と思わずツッコミたくなる恋愛への姿勢は同じでした(爆)おいおい林太郎……みたいな。(笑)
この頃のドイツには日本人もたかたか留学しているので、知ってる人が脇を固めているのも楽しい。
北里柴三郎、西園寺公望(キュン!)、福島安正さんあたりが既知でした。あと出てこないけど青木(周蔵)と品川(ヤジさん)の林太郎による品評があって笑った。あっはっは。青木→品川→西園寺(全員駐独公使)だんだん品がよくなって来てるってさ!(何気にきついな)
そんな日本官僚はともかく、ドイツ官僚は案の定どこまでホンモノかわからんでした(笑)
この本に出てくる血縁関係とか秘書官とかどこまで合ってるんだろう。
もーー少しビスマルク(とその周り)の出てくる小説か伝記を読みたいなー;
でもカッコよかったですビスマルク。やっぱりアンタ好みっぽいよ!(笑)
既に七十代の彼が登場してあの活躍ぶり。ドイツの人が読んだら怒るような気がしてちょっとハラハラ。
でも同じことを多分日本は明治維新の元勲たちなら誰がやってもおかしくない…!
明治維新の元勲ズと生い立ちというか生き方の流れが似てるんですよね。ちょうどドイツの騒乱期にいたからなのでしょうが。
若い頃はヤンチャ(というかおイタ。攻め上ったり決闘したり激しいな!)もしたけど長じては老獪な政治家ってところが素敵です。
つーか坂の上の雲にいたモルトケさんってビスマルクと一緒に鉄血政策した人やったんか…!そりゃあヒーローだわな。納得。

ミステリとしての出来も決して悪くないです。
シャーロックやクリスティを髣髴とさせるレトロな空気に妙なデジャヴー(笑)
人から手がかりを引き出すやり方が凄くその辺の古典の海外ミステリを思わせます。好きですv
しかもその謎と謎を解く鍵を経て、『林太郎』が『森鴎外』へと成長していく様が鮮やか。
著者が鴎外という人を語った最後の数行がガツンときました。

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