『御手洗潔のダンス』 島田荘司
御手洗シリーズ2冊目の短編集。空飛ぶ夫婦、神からの鉄槌としか思えない不可能殺人、夜な夜な狂ったように踊りだす老人の謎、そして御手洗・石岡コンビの近状について。
盛りだくさんの収録作品は以下。
山高帽のイカロス
ある騎士の物語
舞踏病
近況報告
久し振りに御手洗ものを読んだのですが、なんだか自分の原点に帰ってきたような楽しさを感じながら読みました。
名探偵がいて、助手がいて、現実では絶対に起こり得ない美しい幻のような極上の謎があり、それが最後には様々な伏線を回収しつつ解決をみる。
推理小説の基本的な、けれども最近あまり読めなくなってしまった形の作品が読めて幸せです。
やっぱりこういうシャーロック・ホームズ型のミステリが一番好きですv
4編の中で一番すごいと思ったのは「舞踏病」でした。
塔と絡めた幻想的な一人称、魅惑的な謎、加えて日本の医療体制への批判。
「謎」と「近代科学」がミステリの大きな要素だとするのなら、そのバランスが絶妙でした。
この日本の体制への批判、というのは作品全体に見られましたが、作品自体は20年近く前の発表ながら現代にも通じる内容であると思いました。
![]() | 御手洗潔のダンス (講談社文庫) (1993/07) 島田 荘司 商品詳細を見る |
- [2008/06/09 11:30]
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『ななつのこ』 加納朋子
本が大好きな女子大生の駒子は、『ななつのこ』という小説にほれ込み、ファンレターを書くことにする。何気なく身近で起きた事件のことを書き添えてみたところ、著者から返信が。その返事には、事件の全貌が見事に推理されていて――
手紙のやりとりを主体に、日常を描く連作短編ミステリです。
陽だまりのような優しい優しい世界観で、読んでいてとても和みました。
元気になりたいとき、癒されたいとき、世の中悪いことばっかりじゃないよねっと実感したいときにオススメです。
ウッカリ『魔法飛行』から先に読んでしまった私ですが、やっぱりここから読めばよかったなぁとちょっと悔しく思っています(笑)
![]() | ななつのこ (創元推理文庫) (1999/08) 加納 朋子 商品詳細を見る |
- [2007/06/26 10:51]
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『掌の中の小鳥』 加納朋子
加納さんの優しい雰囲気に溢れた連作短編集。
全体的に恋する女性の心が描かれているように感じました。
一番最初のお話なども、複雑な女心を上手く絵という形に比喩されていたと思います。
![]() | 掌の中の小鳥 (創元推理文庫) 加納 朋子 (2001/02) 東京創元社 この商品の詳細を見る |
- [2007/03/27 11:08]
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『小説スパイラル〜推理の絆〜4幸福の終わり、終わりの幸福』 城平京
中短編交えて3本収録。本編では多くなかった鳴海兄弟のやりとりが見られるのが楽しかったです。
やや突拍子も無いながら、基本はロジカルな推理が行われていたと思います。
ただ、後書きの作者が大変うざったかったです。
ご高説結構ですが聞いてないよという感じ。
![]() | 小説 スパイラル~推理の絆~ (4) 城平 京 (2004/03/31) スクウェア・エニックス この商品の詳細を見る |
- [2007/01/31 23:59]
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『ささら さや』 加納朋子
雰囲気としては『幽霊刑事』+『ミケルの庭』、という印象。
夫に先立たれた新米ママのさやが、新しい町で徐々に前を向いてゆく過程を描いた物語。
さやの回りで小さな事件が起こるたび、切ない音と呼び声とがさやを訪れる。
シビアな冒頭から始まって、優しく愛しく紡がれる綺麗な世界にたくさん泣きました。
ただひたすらに清らかなわけではなくて、人とのしがらみやどろどろした気持ちも描かれてはいます。
でもさやのことも、さやを囲む周りの人たちも大好きになります。
きらきらした加納さんの世界観が愛しすぎる。
大好きな一冊。オススメです。
| ささらさや 加納 朋子 (2004/04) 幻冬舎 この商品の詳細を見る |
- [2006/09/29 15:48]
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『ラッシュライフ』 伊坂幸太郎
複数の人生が複雑に交差するライトミステリ。やはり謎より人間が主役に立っていることから推理小説としてはライトなノリに仕上がっていると思うのですが、とても面白かったです。
というのは、構成がとても上手いのですね。
よくこんな複雑で綿密な構成を思いついて、お話として組み上げたものだと驚くやら感嘆するやらでした。
上手く辻褄を合わせていくのは本当に大変な作業だったんじゃないでしょうか。
また、「複数の人生が複雑に交差」すると、舞台を見る目が多くなり、視点観点もそれぞれ違うことになります。
そのため作品舞台が凄く立体的に見えて、目の前に立ち現れます。不思議な感覚でした。
| ラッシュライフ 伊坂 幸太郎 (2002/07) 新潮社 この商品の詳細を見る |
- [2006/09/18 10:03]
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『チルドレン』 伊坂幸太郎
連作短編集。
話によっては、ミステリと言っていいのか非常に微妙です。
悪い意味ではなく、謎より人が主人公で、純文学に近い感じです。ミステリの中で分けるなら、日常ミステリでしょうか。
ささやかな謎と、個性的な人物たちが可愛くてしょうがありません。
伊坂さんという人は、自分が好きなもののひとかけらをそうっと登場人物に分けて、大切に描いてあげているような感じを受けます。読んでいて嬉しいです。
ご本人の言葉を読んだことがほとんどないので単なる想像ですが(笑)
陣内の言うことなすことと、全盲の青年の中身を表現した言葉が特に印象的でした。
「川の中」。
ついこの間川に入ってきたもので、成程、と納得してしまいました。
| チルドレン 伊坂 幸太郎 (2004/05/21) 講談社 この商品の詳細を見る |
- [2006/09/16 21:43]
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