『小さな男の子の旅―ケストナー短編(ショート・ストーリーズ)』 エーリヒ・ケストナー 榊直子訳 堀川理万子絵 

『飛ぶ教室』『エーミールと探偵たち』などで有名な、ケストナーの短編集。
収録は『小さな男の子の旅』『おかあさんがふたり』の二編です。
素朴で暖かな挿絵といい、柔らかな訳といい、体裁としては「児童書」という感じです。
しかし、「お話」は、子供たちのためだけに書かれたものではありません。
ケストナーがこれを書いたのは1920年代の終わりで、ちょうど彼が「子供」を意識してお話を書き始めたその頃だったそうです。
それだからなのか、「大人のための小説」と「子供を意識した小説」の狭間くらいにあるお話に仕上がっているように思いました。
無邪気、好奇心、想像力などをふんだんに持った少年と少女が主人公ではある。
けれども彼らは、母の病と母の死に直面しています。
子供たちの世界が、大人たちの世界よりも単純に「幸せ」かというとそうではない。
そんな中で強かに、まっすぐに生きる小さな背中が、淡々とした筆致で描かれている一冊です。

小さな男の子の旅―ケストナー短編 (ショート・ストーリーズ)小さな男の子の旅―ケストナー短編 (ショート・ストーリーズ)
(1996/02)
エーリヒ ケストナー堀川 理万子

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『影の縫製機』 ミヒャエル・エンデ作 ビネッテ・シュレーダー絵 酒寄進一訳 

エンデの詩集。

影の縫製機影の縫製機
(2006/12/11)
ミヒャエル・エンデ

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『茨木のり子詩集 落ちこぼれ』 茨木のり子/木内喜久雄 選・著/はたこうしろう絵 

簡単なインタビューと略伝つき。
少女らしい、無邪気でみずみずしくときに残酷な挿絵が可愛い。
戦中戦後を見てきた方の言葉は重いです。
まっすぐで、どれも若々しさに溢れている。あんまり良かったのでメモを取らせていただいた作品も複数ある。
「自分の感受性くらい」と「わたしが一番きれいだったとき」はやっぱりすごく好きです。

落ちこぼれ―茨木のり子詩集 (詩と歩こう) 落ちこぼれ―茨木のり子詩集 (詩と歩こう)
はた こうしろう、茨木 のり子 他 (2004/01)
理論社

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『光村ライブラリー【中学校編】朝のリレーほか』 

光村図書の教科書に掲載されてきた詩を集めた本。『朝のリレー』を改めて読んでみたくて借りたのですが、北原白秋宮沢賢治島崎藤村草野心平ヴェルレーヌ中原中也室生犀星茨木のり子リルケ高村光太郎など各時代の名作よりどりアンソロジーという感じで面白かったです。
松任谷由美さんの『春よ、来い』が載っていたことに驚き。音楽がばっと耳の中で流れてしまって、詩として取るのが難しかったです。
『春の朝』(R=ブラウニング、上田敏訳)の結びが「すべて世は事もなし」。しばしば使われる言葉ですが元ネタはここなのか?
『木琴』金井直 戦争の詩。妹と木琴を歌った詩。とても切なくて泣けた。表現の仕方、物への気持ちの託し方が上手いです。
『ヒロシマ神話』嵯峨信之 戦争の詩。静かな怒りのようなものを感じる。「一瞬に透明な気体になって消えた数百人の人間が空中を歩いている」という表現に紅の豚を思い出した。
『わたしが一番きれいだったとき』茨木のり子さんはやっぱりなく。まともにこの人の詩集を読んでみたい
巻末に各作家の履歴と代表作の紹介、いつごろ教科書に掲載されていたのかがまとめられている。

光村ライブラリー・中学校編 セット(全5巻) 光村ライブラリー・中学校編 セット(全5巻)
(2005/11/15)
光村図書

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『鈴木出版の海外児童文学 この地球を生きる子どもたち ヒットラーの娘』 ジャッキー・フレンチ さくまゆみこ訳 

オーストラリアが舞台。
雨のある日、「もしも」の話が始まった。
いつも素敵な想像力で皆を楽しませてくれるそのお話は、今回は少し違う。
「もしも、ヒトラーに娘がいたとしたら……」

ヒトラーと、第三帝国当時に関する情報が程よく盛り込まれたフィクションです。
「娘」という、想定される読み手(子どもたち)と目線の近い存在を置いたことで話がぐっと身近になっていると思います。
現実から目を逸らす大人への批判もなされており、彼等の口にするキレイゴトと矛盾を描くのが上手いです。
挿絵は可愛いのですが、やや本文とそぐわない部分もあり。
第二次世界大戦前後のドイツについて易しく知ることが出来る良書ではないでしょうか。

ヒットラーのむすめ ヒットラーのむすめ
ジャッキー フレンチ (2004/12)
鈴木出版

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『夜のミッキー・マウス』 谷川俊太郎 

きらきらしい場所のひっそりとした、息をい潜めているような夜が、過不足ない丁寧な日本語で伝わってきます。
真っ白な装丁にも関わらず、薄暗く静かな夜のイメージのある詩集です。
ミッキーだけでなくドナルドの詩もあり。
谷川さんの言葉の選びは本当に素敵だと思います。

夜のミッキーマウス 夜のミッキーマウス
谷川 俊太郎 (2003/09/23)
新潮社

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『バザールでござーるのバナナ裁判』 文佐藤雅彦 内野真澄 絵水口克夫 

バナナを盗んだ嫌疑をかけられちゃうバザールでござーる。な絵本。
ちょっといい話という感じ。
可もなく不可もなくでした。
家族や親戚のフルネーム&プロフィールがついています(笑)
バザールでござーるのバナナ裁判 / 水口 克夫、佐藤 雅彦 他