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『帝王死す』 エラリイ・クイーン 大庭忠男訳  

軍需王が絶対権力を握る孤島に拉致され、調査を命じられたクイーン親子。
鉄壁のガードをされている軍需王は、予告状の通りに殺されてしまうのか?
閉ざされた治外法権の島と予告不可能犯罪、WW2前後の情勢を踏まえた社会描写は読み応えがあります。
謎がとびきり魅力的なぶん、謎解きには少し無理が出ているかもしれません。
私はそこへ行き着くまでの論理の展開を楽しみましたが、トリックを期待して読むと肩透かしを食らうかもしれません。
しかしやっぱり、面白い。

帝王死す (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-13)帝王死す (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-13)
(1977/06)
エラリイ・クイーン

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『悪の起源』 エラリイ・クイーン 青田勝訳 

その犬が父親を殺した――小説の執筆のためハリウッドへ来ていたエラリイのもとへ、謎の贈り物に伴う殺人事件が舞い込んできた。
次々と届けられる悪意あるメッセージは何を意味するのか。宝石商はなぜ殺されなければならなかったのか、そしてその共同経営者はなぜ狙われているのか? クイーン二十五作目の長編小説。

読み終えてみて、『ダ・ヴィンチ・コード』を思い出しました。
即ち、知っていれば解ける、知らないほうが楽しめる。
キリスト教を専門にしている友人は『ダ・ヴィンチ~』を読んで、「知っていることばかりで驚かなかった」と言っていました。
同じように、『悪の起源』も、その方面に詳しい人ならばピンと来てしまう作品なのではないでしょうか。
幸いにと言って良いのか寡聞にしてと言うべきなのか、私は博物学(生物学、自然科学?)には明るくありません。
お陰で犯人が送ってくるメッセージや、クイーンが引っ張った伏線について、「ああそういう意味だったのか」とひとつひとつ驚くことができました。
前~中半にかけて引かれた伏線がするすると回収されていくことが気持ちよかったです。
そして後半、淡々としかし怒涛のどんでん返し。まだやるか、まだやるか!? という感じ(笑)
鮮やかな幕切れが、悔しいけど格好いい…!

また、これ京極夏彦さんの某作品の原型ではないかなと思ったのですがどうなのでしょう…クイーンより前があるのでしょうか。
他の京極先生の作中の仕掛けでも、クイーンの名中篇の応用かなと感じたことがありました。
批判等ではなく(京極先生の作品はどれもとても好きですし既存トリックの応用やアレンジはパクリレベルまで行かなければ個人的にはアリです)、京極先生にとってエラリイ・クイーンという作家はどういう存在なのかなーということに興味が湧きました。
ぜんぜん関係ない可能性のほうが高そうですが…!(笑)

悪の起源 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-9)

『シャーロック・ホームズの災難(上)』エラリイ・クイーン編 

クイーン先生によるシャーロック・ホームズのパロディ・パスティーシュ集の上巻。
こちらはプロの推理作家の章が設けられているのが大きなポイント…!
クイーン先生ご自身の作品も載っています。
クイーンVSホームズ愛しすぎました。エラリイすきすぎる。
ホームズファンには一押ししたいです。
シャーロック・ホームズの災難 (上) / エラリイ・クイーン、中川 裕朗 他

『シャーロック・ホームズの災難(下)』 エラリイ・クイーン編 

クイーン先生の選んだ、シャーロックの短編パロディ&パスティーシュ集。
上下のうち上のほうにミステリ作家さんによる作品が掲載されていたのでそちらはデザートにしたくて(笑)下から行きました。
災難、というのも然り。ホームズの特徴をよく掴んで、時にカッコよく時にコミカルに書かれる作品たちはシャーロックを読み込んでいる人ほどによによしてしまうのではないでしょうか(笑)
私にはわからないようなネタまで、わかる人にはわかってしまうのだと思います。
クイーン先生のチョイスはやっぱりいいよ…!!
シャーロック・ホームズの災難 (下) / エラリイ・クイーン、中川 裕朗 他

『ダブル・ダブル』 エラリイ・クイーン 

他殺か事故かという悩みをひらすら抱えている話。(簡略すぎだよ)
ライツヴィルシリーズ四作目。
リーマが非常に可愛くて好きでした。そんなリーマに悩まされるエラリイも可愛いです(笑)
リーマは今までのクイーン作品には無いタイプの女の子だったと思います。
今までは割と紋切り型のーというか、女性は没個性になりがちでした。
せいぜいポーラ・パリスくらいか…いやあの人にはすっごいジェラシー感じたから覚えてるだけかも…!←
でも『ダブル・ダブル』のリーマとプレンティス女史はキャラが立っていました。
「リーマ」という人間を説明した文章も深いです。
ちょっと京極さんの人物描写に通じるものがありました
一連のクイーン作品の中ではぼちぼち折り返しくらいに位置する本作ですが、この後からも益々描写が充実してゆく(という触れ込みが一般的にある)のが楽しみです。

それからこの巻のエラリイはまだハワードorサリーのことを引きずってるからそう簡単に恋に落ちたりするわけにはいかなかったのじゃないか、と思ってます。
今回エラリイがリーマに本気にならないよう頑張っていたのはそういう理由だと私は解釈しています。

ダブル・ダブル (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-5)

『九尾の猫』 エラリイ・クイーン 

<後半に引用有>

原題は『CAT OF MANY TAILS』なわけですが、この題に訳した訳者さんにはお見事と言いたいです。

クイーンと言えば、『初期は論理後期は心理』、の通り、心理描写が秀逸でした。
はっちゃけトリックや犯人というのは解りやすいし、初期の論理的なクイーンを愛していたら文句を言いたくもなるかもしれないお話です。本作をクイーンの手始めとして読んだら絶対他を読もうとは思わないでしょう。でも、順番にエラリイのシリーズを読んできたエラリイスキーならこの話を胸にとめておかない筈がない。
前作『十日間の不思議』を引きずりながらのエラリイは痛々しかったです。最後は読むのが辛かった。

登場人物には、久々に腹を立てました(何)最近魅力的でスキスキーって思うような人ばかりだったのになぁ(笑)
ジェームスとセレストの無駄に若さ溢れるラブラブカップルがね!(笑)傷心のエラリイの傷口に塩を塗るような真似ををを…っ

「戦争がはじまってからは、わしは新聞を読まん。新聞は苦しみたい人のものだ」。
至言だと思います。
政治を読めば国の先を憂わずには居れない。いつも誰かが死んでいる。怪我をしている。新聞は痛いです。

九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)
(1978/07)
エラリイ・クイーン

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『十日間の不思議』 エラリイ・クイーン 

ライツヴィルシリーズ長編三作目。
ライツヴィルの時間は刻々と流れていて、住人たちの変化に一喜一憂してしまいます。もう長い付き合いになってきたからねぇ。
行われたトリックにはやや無理があると思うのですが(運を天に任せる部分が大きすぎる)、読者を引っ張っていく、情報を小出ししていく、でもトリックがバレないようにする、ミステリを書く上での技巧がさすがでした。
どんでん返しもお上手です。
どんでん返される前は、あんまりにエラリイの言うことが非論理的で、いつものエラリイじゃない! とか思って不快だったくらいなのですが、最後の数十ページでやられました。
ただハヤカワミステリ版の、鮎川哲也氏による解説で不公平であると言われている部分は確かに不公平だと思いました。
この解説は秀逸だと思います。
褒めるところは褒めてツッコむところはキチンと突っ込む。ツッコミがネタバレになってしまっているという批判もあるようですが。

十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)

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