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『30代でちいさなカフェはじめました』 岩上喜実 

仕事で今後経営者の方とお話する機会が増えそうだ、ということで、企業の仕方について知りたいと思ったものの、複雑な内容では多分理解できない…ということで、取っつきやすそうな印象から手に取ってみた1冊。
カフェ経営の準備や裏側という内容がおもしろそう、かつ著者の岩上さんはイラストレーターでもあるためふんだんにイラストを使った誌面が読みやすそう、という予想に違わずさらっと読めました。
本当に基本的な事項を柔らかく書いて下さっているので、理解しやすい一方、本格的にカフェ運営をという方にとってはもう少し詳しく知りたいと感じる部分も多いかもしれません。
元書店員でもあるという岩上さんこだわりのカフェは、ごはんが美味しそうで雰囲気が素敵なのはもちろん、書籍もたくさん置かれているとのこと。是非足を運んでみたくなりました。
鳥取旅行に行くときは忘れずに!
HPがないようなので、Facebookをはっておきます→https://ja-jp.facebook.com/Noncafe

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『笑う大英帝国―文化としてのユーモア』 富山太佳夫 

王族貴族から政治家までこきおろし、馬鹿では分からない理知的なネタから下ネタまで飛び出して来る、イギリスにおけるユーモア・笑いについて書かれた1冊。

章ごとの内容は、ざっくり分けると、
1章~3章:王族・政治家・貴族という笑いの対象となる身分別
4章~5章:パロディについて
6章:聖書や戦争という扱い方によっては「不謹慎だ」と怒り出す人がいそうなものを「笑う」ことについて
7章:同性愛について

挿絵があれば挿絵もふんだんに引用されているため、イギリス文化に造詣の深くない私でもおかしさが伝わってきました。
富山先生の語り口もとにかくユーモラス。
政治家貴族を笑い倒すイギリスを、富山先生は「歴史的に不真面目」「理解できない」「下品」とざっくり切ってゆかれます。
そこには「けなし愛」とでも言いましょうか、暖かみのある目差しがあるように思いました。ちょっと半笑いでこきおろしておられる、ような笑
イギリスとイギリスのユーモアが本当にお好きだからこの本が生まれたのだろうな、と勝手ながら感じました。

第3章が「御主人様はアホですから―執事の伝統」という題を冠しているところから期待はしておりましたが、バーティ&ジーヴスが紹介されていたこともとても嬉しかったです。


笑う大英帝国―文化としてのユーモア (岩波新書)笑う大英帝国―文化としてのユーモア (岩波新書)
(2006/05/19)
富山 太佳夫

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『科学的とはどういう意味か』 森博嗣 


『すベてがFになる』などの著者である森博嗣先生が、「科学的であること」のメリットについて論じた1冊。
人生において、さまざまな窮地に対して、「科学的な思考法ができること」「科学知識があること」がどれほど有益かを分かりやすく説明して下さいます。
理系の科目が苦手なひとは理系の知識に「分からない」「理論はいいから簡単に結論だけ話して」と思考停止しがちであるという指摘は耳が痛かったです。
そういう理論を聞くことや、分からなければ考えること、数字に親しむことが自分の命を救うかもしれないと森先生は言います。
では「科学的であるにはどうすれば良いのか」も本書では語られています。
私も遅ればせながら実践して行きたいです。


科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)
(2011/06/29)
森博嗣

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『できそこないの知』 ウエンツ瑛士 

タレント・ウエンツ瑛士さんのエッセイ集。
ウエンツさん主演のミュージカル『天才執事ジーヴス』が最高に良かったので手に取ってみました。
仕事のことや人間関係のことなどを、どういうふうに捉えたら楽しく邁進して行けるのか、ウエンツ式思考法についてお話して下さっています。
久しぶりに読みかえして実にしたいと思える自己啓発本を読みました。
変な言い方かもしれませんが、いわゆる「アイドル」の「タレント本」というくくりだけに置いておくには勿体ない。
嫌いなひとや理不尽な他人にどう対応するか? というお話は特にためになりました。
悪意をぶつけられると落ち込んだり腹が立ったり振り回されて最終的に自己嫌悪する、ということが多かったのですが、これからは消化が少し楽になりそうです。
「律儀でありたい」(本文より)という言葉の通り、周囲の人を大切にしながら丁寧に生きているひとなんだな、というのが伝わってきました。こんなひとが身近にいたら、人生幸せだろうなぁ。
見習いたいです。

文章はひとつの話題について2~3ページでコンパクトにまとまっています。
ファン層ニアリーイコール読者層に合わせて分かりやすくかみ砕いてくれたのかなと思うのですが(読み手に合わせて柔らかい伝え方を選べるというのが既に頭の良い方だなと思うのですが)、まだまだウエンツさんのなかにはたくさんの思考がありそうで、もう少し固め又は長めの文章も読んでみたくなりました。


できそこないの知できそこないの知
(2010/10/01)
ウエンツ 瑛士

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『しずるさんと気弱な物怪たち』 上遠野浩平 

夏の怪病、ビリビリする蜘蛛、原因不明の大爆発? 街で起こった不思議な事件を、しずるさんとよーちゃんのコンビが解き明かしてゆく連作短編。
読み口ライトなミステリです。
なんとなくではあるのですが、徐々に物語の核がしずるさんからよーちゃんにスライドしてきているような。
序盤はミステリアスなしずるさんと、ごく普通の明るい少女よーちゃん、という描かれ方だったと思うのですが、「どこにでもいる女子学生」であったはずのよーちゃんが実はとても特別な存在なのかも…と匂わすような描写が多々。いや今までもちらほらありましたが、今作は更に多くなったように感じました。
それに伴って、よーちゃんが自身の意思で謎を解こうと行動し、しずるさんのように思考する場面が増えていたことも今までとの違いを感じる部分です。
しずるさんとよーちゃん、調べたり考えたりする「探偵役」の機能割り振り・役割分担が、よーちゃんに傾きつつあるのでしょうか。
今後も楽しみです。
また、シリーズ同士で世界観が繋がっている描写がしばしば挿入される上遠野作品ですが、今作では炎の魔女と死神さんが顔を出しておられてもの凄くテンションが上がりましたー…!

また本編の話からは逸れますが、挿絵が全てフルカラーだったことに驚きました。
星海社さん、気合いの入った文庫を刊行しておられる…!


しずるさんと気弱な物怪たち (星海社文庫)しずるさんと気弱な物怪たち (星海社文庫)
(2014/04/11)
上遠野 浩平、国道12号 他

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『『吾輩は猫である』殺人事件』 奥泉光 

『吾輩は猫である』の最後に死んでしまったはずの「猫」が実は生きていた。それも、遠く上海で!
猫はどうやって上海までやって来たのか? なぜ苦沙弥先生は殺されなければならなかったのか? なぜ「吾輩」には――名前がないのか?
『吾輩は猫である』の行間に隠された秘密とは。

時系列的には「猫」の物語のあとから始まる本書は、しかし苦沙弥先生の死を吾輩が知るところから、「過去に何が起こって苦沙弥先生は殺されたのか?」ということが検討され始めるに従って、吾輩が苦沙弥先生にいたころの出来事に新解釈を与える方向へと向かってゆきます。
吾輩の語り(『吾輩は猫である』本編)に新たな光りを当てるのは、上海の猫社会に生きる個性的な猫たち。
バスカヴィル家の犬の末裔犬を追う探偵猫ホームズ&助手猫ワトソンも登場し、華やかな推理合戦が行われます。
次々に謎が打ち出される筋立てはサスペンスフル。でもミステリやサスペンス小説という枠の中だけには収まりきらない内容にになっておりました。
迷亭・寒月・独仙くんら原作でお馴染みのメンバーも顔を出し、予想外過ぎる役割を演じています。
原作がもともと好きなもので、迷亭先生に再会できたのは特に嬉しかったですね…!


『吾輩は猫である』殺人事件 (新潮文庫)『吾輩は猫である』殺人事件 (新潮文庫)
(1999/03)
奥泉 光

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『冬虫夏草』 梨木香歩 


『家守綺譚』の続編となる連作掌編集。
相変わらず亡友・高堂の遺した家に住んでいる綿貫が、彼岸と此岸が交わる日常を描写してゆきます。
短いお話がぎゅっと詰まった1冊なのですが、「ゴローを探せ」という目的が通底しています。
頼れる愛犬ゴローはどこへ消えてしまったのか? 生きているのか、いないのか。
ゴローはもちろん高堂さんの動きにも謎が多く、同時系列のゴローや高堂さんを中心としたお話が読めたら楽しそうだなぁ、と思いました。
随所に出てくる土地の言葉が耳に優しかったです。


冬虫夏草冬虫夏草
(2013/10/31)
梨木 香歩

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