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2009年読書のまとめ 

今年は前半に読めなかったぶん、10月から全力で巻き返しを図りました。
もうとにかく楽しい読書に飢えていて、エンタメ系がつがつ読みました。
全体的に60〜70点くらいの本にたくさん当たった年でもありました。
私にとって100点!120点!!神だろ!!!!!というレベルの作品は残念ながら無し。来年に期待です。
あとはシリーズものの当たり年でした。
追いかけたいシリーズがぐぁっと増えました。
具体的には革命シリーズ・鉱物シリーズ(五條瑛)、石動もの(殊能将之)、バッカーノ(成田良悟)この辺は既刊をガンガン読みきりたい。
あと思いついたように名探偵エミールもの(シムノン)と黒後家(アシモフ)も読む予定。


以下は今年特に面白かった本。
『綾辻行人と有栖川有栖のミステリー・ジョッキー』
綾辻・有栖川の掛け合いが楽しいことと、短編を実際に挟んでそれについて語るという形式がミステリマニアに優しい。
ふたりの選ぶ作品ですから本当に面白いしね!

『イデアマスター』 若木未生
グラスハート完結編。やっぱり若木さんの日本語ってスゲエ。
テン・ブランクの皆さまも、オーヴァークロームのお二人も、彼らを支える人たちも、みんな素敵だ。

『殺戮にいたる病』 我孫子武丸
個人的に、今年のミステリベストワン。ただしグロい。

『わが手に拳銃を』(『李歐』) 高村 薫
読み終わった後、時間がたつにつれじわじわっと愛着が増していった不思議な作品。

『鏡の中は日曜日』 殊能 将之
石動ものの2作目? かな?
『樒/室』も併録の文庫版推し。
作りの意外性をすごく楽しんだ。

『バッカーノ!―The Rolling Bootlegs』 成田 良悟
シリーズどれも面白く読んでるけど、やっぱりインパクトは1冊目かなー!
アルヴェアーレにあいつらが乗り込んできてから後の勢いのいい物語の転がりっぷり、爽快でした。

『プラチナ・ビーズ』 五條 瑛
『断鎖(Escape)』五條 瑛
五條作品2つまとめて。
どちらもスケールが大きくてわくわくするし、今の自分の興味にぴったりだったので楽しかったです。
文庫版推し。


「続きから」は2009年に読んだ活字の一覧です。

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10月の読了本まとめ 

■厭魅の如き憑くもの (講談社文庫 み 58-2)
読了日:10月05日 著者:三津田 信三

■消える総生島―名探偵夢水清志郎事件ノート (講談社青い鳥文庫)
いい意味で迷トリック。古典から最近のまでミステリパロディにも笑った。あとがきが可愛かった。
読了日:10月08日 著者:はやみね かおる

■雨に殺せば―黒川博行警察小説コレクション (創元推理文庫)
読了日:10月11日 著者:黒川 博行

■小説 ツインシグナル〈Vol.3〉囚われの賢者 (Comic novels)
読了日:10月14日 著者:大清水 さち,北条 風奈

■黒後家蜘蛛の会 1 (1) (創元推理文庫 167-1)
会のみなさんとヘンリーのやりとりが好きです。無邪気。アシモフのまえがき・あとがきもユーモラスで楽しい。
読了日:10月15日 著者:アイザック・アシモフ

■天神のとなり
読了日:10月16日 著者:五條瑛

■小説 ツインシグナル〈Vol.4〉遙かなる都市の歌(上) (COMIC NOVELS)
読了日:10月17日 著者:大清水 さち,北条 風奈

■小説 ツインシグナル〈Vol.5〉遙かなる都市の歌(下) (COMIC NOVELS)
読了日:10月17日 著者:大清水 さち,北条 風奈

■騎士は恋情の血を流す The Cavalier Bleeds For The Blood
読了日:10月17日 著者:上遠野 浩平

■敗北への凱旋 (講談社文庫)
音楽に詳しくない私には楽譜にメッセージが隠されているというのは複雑すぎて、序盤はあまり興味をそそられなかった。しかしその背後にある事情、謎が明らかになっていく中盤からは引き込まれた。相変わらずの美文もごちそうさまでした。
読了日:10月18日 著者:連城 三紀彦

■バッカーノ!―The Rolling Bootlegs (電撃文庫)
楽しかった!わりとシビアな設定なのにからっと明るく最後はハッピーエンドなのがいいなあ。
個性派キャラの群像劇であることに上遠野作品、不死がテーマであることにキーリシリーズを思い出しましたが(同じ電撃文庫で賞を取った関係で)、バッカーノと二作の違いはやっぱりバカ騒ぎっぷりでしょうか。
ブギーポップとキーリももちろん面白かったですが、バッカーノはシリアスだけでなくコメディ成分も満点なとこがベクトル違うおもしろさだなと。
アイザック&ミリアがお話をどんどん転がしてくのが爽快だったー!
読了日:10月19日 著者:成田 良悟

■谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫 た 28-2) (集英社文庫 た 28-2)
推理小説というよりまさに「犯罪小説」。
トリックやロジックや推理の披露はありませんが、取り扱われているテーマは、叙述・プロバビリティの犯罪・特殊性癖など国内古典ミステリのそれとかぶっています。
乱歩以前にこのような作品群を書いていたということが凄い。
また、渡部直己氏の解説が面白かったです。
読了日:10月22日 著者:谷崎 潤一郎

■バッカーノ!1931 鈍行編―The Grand Punk Railroad (電撃文庫)
読了日:10月23日 著者:成田 良悟

■バッカーノ!1931 特急編―The Grand Punk Railroad (電撃文庫)
読了日:10月24日 著者:成田 良悟

■それでも、警官は微笑う (講談社ノベルス)
それぞれの視点から話を追う形のわりに登場人物の数がいるので、重複するエピソードが多いなどやや読み進めにくい部分がありました。
しかしキャラ立ちの良さやそのポジティブさ、読後感の良さがその辺りをカバー。
半分くらいからはぐいぐい読まされました。
しかしメフィスト賞作家さんにはメタミス的な書き方をする人が多いですね、これは良し悪しでなく印象として。
読了日:10月25日 著者:日明 恩

■バッカーノ!1932―Drug & The Dominos (電撃文庫)
読了日:10月25日 著者:成田 良悟

■バッカーノ!2001―The Children Of Bottle (電撃文庫)
読了日:10月25日 著者:成田 良悟

9月の読了本まとめ 

■咲くや、この花 左近の桜
読了日:09月04日 著者:長野 まゆみ

■ドーヴィルの花売り娘 (名探偵エミールの冒険 1)

■リヴィエラを撃て (新潮ミステリー倶楽部)
読了日:09月15日 著者:高村 薫

■列車消失 (講談社ノベルス アC- 22 綾辻・有栖川復刊セレクション)
読了日:09月16日 著者:阿井 渉介

■美濃牛 (講談社文庫)
モチーフや展開に、国内古典ミステリにあるような作為的なおぞましさを見ました。その暗さと、反対に人当たりの良い石動の存在とがどこかちぐはぐなのが面白い。横溝先生の金田一ものを読んでからこちらへきて良かったです。
読了日:09月18日 著者:殊能 将之

■わが手に拳銃を
読了日:09月20日 著者:高村 薫

■鏡の中は日曜日 (講談社文庫)
構成の妙にしてやられました。
読了日:09月25日 著者:殊能 将之

■電人M (少年探偵・江戸川乱歩)
読了日:09月25日 著者:江戸川 乱歩

■黒い仏 (講談社ノベルス)
すみませんラストで盛大に噴いてしまいました。そう来るかwwwこれが殊能作品初読だったら投げていたかもしれません(笑)しかし他の作品ですでに殊能さんと石動・アントニオが好きになっていたこともあり、話の風向きが変わってきても読めました。ミステリ的な解法も提示されてはいますし、宗教関係の記述も面白くて、個人的には楽しめました。
読了日:09月26日 著者:殊能 将之

■李欧 (講談社文庫)
読了日:09月26日 著者:高村 薫

■キマイラの新しい城 (講談社文庫)
本文はすごく楽しめたのですが、解説が嫌味で興ざめしました。
読了日:09月28日 著者:殊能 将之

■亡霊(ゴースト)は夜歩く (講談社青い鳥文庫―名探偵夢水清志郎事件ノート)
全体的にネタがマニアックなんだなあということにこの年でやっと気がつきました。横溝乱歩ルルー島田荘司etc.…元ネタに既読が多くて助かった。
読了日:09月29日 著者:はやみね かおる

『列車消失』 阿井渉介 

7両編成の列車から、6両目だけが乗客ごと消えうせた!
その乗客を人質に、巨額の身代金が要求される。
身代金の受け渡しや各種対応に犯人が指名するのは、いずれも元国鉄職員の男たちだが、それ以上の接点は見えてこない。
さらに同じ男が二度列車に飛び込み自殺をし、轢断された胴体だけが車内を歩くという怪異が起こる――
犯人はなぜ、どうやって列車を消失させることができたのか?
長編鉄道ミステリー。

普段ならば、こんなあら筋を読んだら、「風呂敷を広げるだけ広げて畳めないんじゃないかな」と敬遠したと思います。
しかしこの作品は、「綾辻・有栖川復刊セレクション」のうちのひとつです。お二方が勧めるのだから何かがあるのだろう、と読んでみることにしました。
結果は、当たり。
大掛かりな謎だけにスマートとはちょっと言いにくいですが、合理的な説明がつき、丁寧に風呂敷が畳まれていると思います。
「島田荘司さんに触発された」という著者あとがきを読んで激しく納得した、と書いたらその雰囲気が伝わるでしょうか(笑)
また、犯人の描写が複雑かつ繊細で印象に残っています。
捜査に奔走する警察側も見ていて楽しい方揃い。恐持てでもなければ天才でもないけれど地道な捜査で真実に迫る牛深さん、現場大好きキャリアの白川さん、ノリは軽いがやるときはやる松島くん、実直新人の鶴見くん。最初はちょっと人数が多いかな、と思ったのですが、次第にこのメンバーで役割分担していく様子がしっくりくるようになりました。
同じ面子でシリーズ化されているなら追いかけてみたいです。

読後に残念だったことといえば、V・L・ホワイトチャーチの「ギルバード・マレル卿の絵」のネタばらしがある点。
ホワイトチャーチを読む予定があったわけではありませんが、種明かしをされてしまうのはやっぱり悔しい…!(笑)

列車消失―綾辻・有栖川復刊セレクション (講談社ノベルス)列車消失―綾辻・有栖川復刊セレクション (講談社ノベルス)
(2007/10)
阿井 渉介

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『名探偵エミールの冒険1 ドーヴィルの花売り娘』 

メグレもので有名なジョルジュ・シムノンによる、「エミールもの」の第一集。短編ミステリ4本。
赤毛の名探偵エミール、元スリのバルベ犬、元メグレの右腕トランス、タイプライターお嬢さんマドモアゼル・ベルトの4人からなる探偵事務所が、チームで謎解きをして行きます。
形式としては探偵+助手が一人ずつというホームズ型ではないのですが、お話の転がり方にすごくシャーロックっぽさを感じました。
冒険小説寄りの推理小説というか、まだフェアプレーが強く言われてない頃のある種の自由さがあるように思います。
推理はするけど読者に材料がきちんと出ているとは限らないし、必ずしも論理だけで話は片付かない。
その初期の、原石のような雰囲気が懐かしくも楽しかったです。

収録作品は以下。
「エミールの小さなオフィス」
「掘立て小屋の首吊り人」
「入り江の三艘の船」
「ドーヴィルの花売り娘」

ドーヴィルの花売り娘 (名探偵エミールの冒険 1)ドーヴィルの花売り娘 (名探偵エミールの冒険 1)
(1998/08)
ジョルジュ シムノン

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2009年2月〜8月読書のまとめ 

『ソフィーの世界―哲学者からの不思議な手紙』 ヨースタイン・ゴルデル 090205
『憲法なんて知らないよ―というキミのための「日本の憲法」』 池澤夏樹 090218
『アイスクリン強し』 畠中恵 090303
『残酷号事件』 上遠野浩平 090307
『血食―系図屋奔走セリ』 物集高音 090315
『詩人の墓』 谷川俊太郎著、太田大八絵 コミュニティ090405
『茶々と信長』 秋山香乃 090407
『私―谷川俊太郎詩集』 谷川俊太郎 090409
『イデアマスター』 若木未生 090702
『ギャシュリークラムのちびっこた―または遠出のあとで』 エドワード・ゴーリー 柴田元幸訳 090709
『小説 ツインシグナル〈Vol.1〉危険の標的』 北条風奈 090710
『小説 ツインシグナル〈Vol.2〉仮想の未来』 北条風奈 090711
『赤い月、廃駅の上に』 有栖川有栖 090725
『虎と月』 柳広司 090807
『探偵伯爵と僕』 森博嗣 090808
『眼球綺譚』 綾辻行人 090820
『殺戮にいたる病』 我孫子武丸 090821
『ぼくの夢発、不可思議ゆき』 千葉尚子 090828
『吉原手引草』 松井今朝子 090829
『どこまでも殺されて』 連城三紀彦 090830
『怪盗グリフィン、絶体絶命』 法月綸太郎 090831

『虎と月』 柳広司 

虎になってしまった男、李徴の息子は、ある日「いつか自分も虎になってしまうのでは?」という不安を抱き始める。
その不安を解消すべく、少年は父がどうして虎になってしまったのかを知るための旅に出る――
中島敦『山月記』の後日譚であり、新解釈に挑んだミステリです。
李徴が「何故」「どうやって」虎になったか、という謎に対して、原作の流れを大切にしつつ新しい角度から光を当ててくれています。
原作を嘘にしてしまうのではなく、原作を受けてがらっと違う「解釈」をするスタンスに愛を感じました。
そのほうがイチから後日譚を創作するよりも難易度が高いとも思います。
ほんの少し見方を変えたとたん、ばっと新しい絵が見えてきたときには興奮しました。なるほどそういう取り方もありかああと手を打って(笑)
伏線の引き方とその回収の仕方が丁寧で、あの情報がここで活きるのか! という驚きもあります。
ミステリの楽しみってこれだよなぁ……!
中国の歴史や漢詩文、故事が縦横無尽に織り込まれているので、お好きな方にはそれも楽しいのではないでしょうか。
私はその辺りあまり詳しくないのですが、平易な筆致で読みやすく、知らなくても充分に楽しめました。

虎と月 (ミステリーYA!)虎と月 (ミステリーYA!)
(2009/02/03)
柳 広司

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